Vol.6 株式会社東映ホテルチェーン×英語応対能力検定  2020.04.30

NEW 英語応対能力検定
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この企画では、日本の資格・検定編集部が社内の教育制度に資格・検定を活用している企業・団体に導入のきっかけや感想をインタビューします!

今回は、株式会社学び UP(アップ)コミュニケーションズが運営する英語応対能力検定を社員の福利厚生制度に導入している株式会社東映ホテルチェーン(以下、東映ホテルチェーン)にて社員教育を担当する梨田日色(ひいろ)さんにお話を伺いました。 
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梨田日色さん
株式会社東映ホテルチェーン
取締役
管理部長
英語応対能力検定とは
英語応対能力検定とは、インバウンド(訪日外国人)のお客様に対応する場面で必要になる英語力を、聞く力と話す力に重点を置いて評価する検定試験です。試験は宿泊・飲食・販売・鉄道・タクシーの業種別試験と街なかでの対応に特化した一般試験があり、それぞれに合った「おもてなし英語力」を測定します。接客業の方だけでなく、日常的なコミュニケーションに必要な英語力を身に付けたいという方にもおススメです。
インバウンドのお客様にも英語で対応できる従業員を育てたい
・インバウンドのお客様に英語で対応しようとする従業員が増えてきた
・私生活でも海外の方とのコミュニケーションを英語で楽しむ従業員が現れ始めた

東映ホテルチェーンの事業内容について教えてください。

「東映」と聞くと荒磯に波が砕けて三角形のロゴマークが現れるという映画のオープニングシーンを想像する方も多いと思いますが、お察しの通り弊社は映画などの映像制作事業を中心に行う東映株式会社を筆頭にした総合コンテンツ企業「東映グループ」の一社です。

東映グループでは「全世界で人々に愛されるエンターテインメントの創造発信」という理念を掲げていて、1960年に開始したホテル事業もその一端を担っています。というのも、東映グループが提唱する「エンターテインメント」には、映画やテレビなどで映像を楽しむことや映像作品に登場するキャラクターに癒されることだけでなく、非日常の場での感動体験も含まれているのです。

ホテル事業は「くつろぎと感動をもたらす非日常の場」として、エンターテインメントとサプライズをコンセプトに、現在は新潟東映ホテル・湯沢東映ホテル・福岡東映ホテルの3カ所を各地域の特色に合わせて運営しています。 
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英語応対能力検定を導入した背景を教えてください。

中国人旅行者の「爆買い」が流行語大賞を受賞した2015年のことを覚えているでしょうか。

実はこの年、45年ぶりにインバウンド(訪日外国人)数がアウトバウンド(日本から海外への旅行客) 数を上回るという大きな出来事がありました。その頃から弊社が運営しているホテルでもインバウンドのお客様が増加し、海外からのお客様が最も多い福岡東映ホテルでは、ピーク時に約3割を占めるほどの状況でした。

このような状況に反して、英語で接客できる従業員はまだ少なく、マネジメント層や従業員の間で危機感が高まっていました。

しかし、英語力を身に付けるために集合研修を行うにもホテルには常にお客様がいるためなかなか従業員を一斉に集めることはできません。また、人材不足というホテル業界全体の慢性的な問題の影響で余力がなく、弊社では従業員の英語教育にあまり力を入れられずにいました。そこで、まずは福利厚生制度の一環として、接客の場で大事な「聞く」「話す」を中心とした「おもてなし英語力」を手軽に身に付けられる「英語応対能力検定」を導入しました。
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▲英語応対能力検定が測定する項目

英語応対能力検定を導入した決め手と導入までの流れを教えてください。

宿泊・飲食・販売などの業種を選んで受験することが可能なため、各従業員の業務内容に合った実践的な英語学習ができる点が英語応対能力検定を導入した決め手の1つです。
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英語応対能力検定では「聞く」「話す」を重要視しているため、難しい英文ではなく「This is on the house(これはお店のサービスです)」のように小学校や中学校で習うレベルの単語を使った表現が多いのも魅力的でしたね。簡単な英文なので覚えやすく、勉強した翌日の業務で使ってみる従業員もいたようです。

また、試験結果は合格・不合格ではなく、知識・理解・応答の3つの観点別に4段階のレベルで評価されるため、相手の言葉の意図を理解することが苦手なのか、会話に対する応答が苦手なのかといった分析も可能で、今後の英語学習にも活かせると感じました。 

導入にあたっては、まず従業員の時間を使ってしまうことが気掛かりでした。しかし、株式会社旺文社が提供しているeラーニング教材「ココマナ」のアプリを使用すればPC・スマートフォンなどマルチデバイスで場所や時間を選ばず手軽に勉強することができ、1日20分程度のスキマ時間で検定受験に備えられるのも評価できる点でしょう。

とても良い教材だと思い、その効果や感想も把握したかったので、一度全員に受講してもらうことにしました。当初は英語が苦手な社員からの反発も覚悟していましたが、ココマナはクイズのような出題形式と学習進捗の見える化によって、モチベーションを高めながら進めることができるので「英語は苦手だったが英語応対能力検定の勉強は楽しかった」という感想も聞くことができましたよ。 
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▲ココマナ使用時の勉強画面
受験する際も、リーディング・リスニングはもちろん、スピーキングもIBT試験※で行うため、会場に出向く必要がなく、従業員にかかる負担は最小限で済んだのではないでしょうか。
※インターネットに接続できればどこでも受験できる試験。英語応対能力検定ではパソコン、スマホ、タブレットのどれでも使用可能。

英語応対能力検定の受験までの流れについて教えてください。

受験のスケジュールは、先に22人の支配人・部長・課長などのマネジメント層全員がココマナを利用して3カ月間勉強をしてから検定を受験し、その後、一般社員・契約社員の中から39人がココマナを利用した勉強を開始しました。現在※は、従業員が検定を受験する期間にあたります。マネジメント層も受験したことで、部下に勉強のコツを教えたり試験の結果を競ったりと社員間のコミュニケーションが活性化したという思いがけない成果もありました。
※2020年3月
受験する業種については従業員によって担当する業務内容が異なるので、各自に任せました。傾向でいうと、フロント業務の担当者は「宿泊」、ホール業務や厨房の担当者は「飲食」、ホテル全体の管理業務担当者は「販売」など、各業務に近いと感じたものを選択して受験していたようです。全員がホテルをイメージする「宿泊」を選んだわけではないというのは、少し意外に感じた方もいるかもしれませんが、すぐに使える英語力を身に付けたいという気持ちの表れとも思えました。

全社員の教育をマネジメントする立場から見ると「ココマナ」は専用の管理画面で進捗確認ができるので、従業員がどのように勉強を進めているか、何の単元でつまずいているかが分かり、アドバイスする際の参考になった点も良かったです。管理画面に付いているお知らせ機能を利用して、進捗が遅い従業員には受講期間が終了する前にメールを送るなど丁寧にサポートした結果、受講完了率も高かったです。 

英語応対能力検定を導入した効果について教えてください。

先ほども話題になりましたが、インバウンドのお客様が増えて英語で対応する機会も増加しています。しかし、英語に苦手意識がある従業員は、英語が得意な従業員に対応を任せてしまっているという問題がありました。

以前から「正しい文法が分からないから話せない」「英語で話してみて伝わらなかったらどうしよう」というためらいが従業員の中にあるのは感じていましたが、実際に海外の方と会話すると正しい文法や難しい単語を使わなくてもジェスチャーなどで意味が通じることはたくさんありますよね。 
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英語応対能力検定が重視しているのは、正しい文法や単語を使うことだけではありません。知識はもちろん重要ですが、相手に伝えようとする姿勢も評価軸の1つです。真摯に対応しようした気持ちが得点に反映された結果、「英語で話すのは苦手ではないのかもしれない」と話す従業員もいました。社内での評判も良いので、今後は人事評価制度として本格的に導入することも考えていきたいです。

また、せっかく習得した英語力を発揮しなくてはもったいないからと、私生活で海外の方と仲良くなった従業員もいます。ぜひ、これからも英語でのコミュニケーションを楽しんでほしいです。

これからの展望について教えてください。

今、ホテル業界でもAI(人工知能)による自動化が進んでいます。少し前には人型ロボットが接客するホテルの登場がニュースになりましたよね。24時間ほぼ休まずに稼働することができるIT機器の存在は、ホテル業界が長年抱えていた人材不足を解消する大きな突破口となるかもしれません。

それでも、私たちは人間にしかできない「おもてなし」があると信じて働いています。

AIや音声翻訳機を利用すれば、誰でもインバウンドのお客様に対応することが可能ですし、ロボットなら複数の言語で質問を受けても返答できるでしょう。しかし、つたない英語でもジェスチャーを交えて笑顔で対応した従業員を評価してくれるお客様が大勢いるのもまた事実なのです。

ある程度の業務をIT機器やシステムに頼ることは従業員の負担の面から考えても大切ですが、英語応対能力検定で「おもてなしの英語力」を身に付けて最初の会話だけでも全ての従業員が英語で話せるようにしたいですね。

海外から日本に訪れてくださったお客様に、ホテルステイという非日常のエンターテインメントを存分に楽しんでいただけるよう、これからも従業員と共に努力してまいります。
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※取材日:2020年3月10日

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社名
株式会社東映ホテルチェーン
代表者
代表取締役社長 田中 誠一
従業員数
128名(2019年4月1日現在)
事業概要
ホテル事業
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