東急エージェンシーが導入を開始!マーケティング検定の魅力とは?
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今回は、公益社団法人 日本マーケティング協会(以下、日本マーケティング協会)主催のマーケティング検定(内閣府認定試験)を新入社員教育に導入している株式会社東急エージェンシー(以下、東急エージェンシー)で人材開発を担当する仲野大輔さんにお話を伺いました。
マーケティング検定とは
マーケティング検定は、学生や社会人などを対象にマーケティングの知識を測定できる内閣府認定試験です。マーケティングはビジネスを成功させるために必須のツールであり、試験を通してマーケティングの概念を学習することで、業種・業界を超えて通用するビジネススキルを習得できます。
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導入の目的
・知識量が異なる新入社員のマーケティング知識を底上げし、将来的な活躍のための基礎を作る
実際の効果
・新入社員に体系的で広範なマーケティングの知識が身に付いた
・検定という形で習熟度合いの可視化につながった
・社員教育の効果と課題が明らかになった
東急エージェンシーの事業内容について教えてください
東急エージェンシーとは
当社は、1961年に東急グループの広告会社として設立されました。
広告コミュニケーションの企画・開発やメディアの広告の取り扱いをはじめ、交通・屋外広告や展示会などのイベント、販促支援といったプロモーション領域を特長とし、近年ではデジタル広告の取り扱いも増加しています。BtoC企業やBtoB企業以外にも、官公庁や自治体、そして東急グループと、幅広いお客様との取引があります。
「生活者に密着」する東急グループの一員として
東急グループは、交通、不動産、生活サービス、ホテル・リゾートなど、長年にわたって、人々の生活に密着したさまざまな分野で事業を進めています。
当社は東急グループの企業である強みを活かし、一般的な広告事業のほかにも、媒体社として東急線沿線のOOHメディア※を活用した広告展開も行っています。
※OOHとは、電車・バスなどの中づりや車両ラッピング広告といった交通広告のほか、ビル壁面や道路沿いに設置した看板・液晶など自宅の外で接触するメディアのこと。OOHはOut Of Homeの略。
また、駅などの商空間開発のほか、渋谷や二子玉川、南町田といった大規模な再開発プロジェクトにも参加するなど、事業領域の広さは当社の特徴の1つです。
当社の売上構成比としては、メディア広告が約40%、クリエイティブおよびマーケティング/プロモーションが約30%、OOHが約15%、デジタルやその他の分野が約15%となっており、幅広いメニューでお客様の事業課題を解決しています。
マーケティング検定を導入した決め手を教えてください
マーケティング検定を導入する決め手となったのは、当社の広範な事業内容と検定内容との親和性が高かった点です。
当社では、時代の変化に合わせて拡大するお客様の事業課題を包括的に解決することを目指しています。
これまでは、商品やサービスの広告コミュニケーションを考え、提案し、実施することを主に求められていましたが、現在では商品コンセプトの開発からブランディング、チャネル開発まで幅広く携わるようになりました。また、デジタルマーケティングの発展と手段の多様化に伴い、お客様のマーケティング戦略そのものをお客様と併走して考える必要性も生まれています。
そこで、社員ひとりひとりが視野を広げ、お客様に対してさらに付加価値の高いサービスを提供するために、体系的かつ広範なマーケティングの共通知識を得る機会が必要だと改めて考えていたのです。
その点、マーケティング検定は、私たちが求めていた「体系的かつ広範」であるという条件を満たしていたほか、単なる研修や書籍による学習と異なり、検定の合格という目に見える形で習熟度合いを測ることができる点も魅力的に感じました。
マーケティング検定を導入するまでの流れを教えてください
マーケティング検定を主催している日本マーケティング協会から検定についての案内を受けたのが2019年の秋で、最初の試験実施は2020年5月上旬と、検定の導入はスムーズに進んだように思います。
もともと日本マーケティング協会とは別の研修で関わりがあった上、検定の監修は著名な研究者や大学教授が担当されているので、検定内容に期待が持てました。社内へも検定の内容面・信頼性ともに自信をもって提案することができました。
マーケティング検定をどのように活用したのでしょうか?
現段階では中長期的な効果を期待して、これからの活躍を期待する新入社員を対象に、内定者研修と新入社員研修の一環でマーケティング検定を実施しています。
当社ではマーケティングの知識量を新卒採用の基準として考えていないため、例年、大学などでマーケティングを専攻していた新入社員とそれ以外の新入社員の知識量の差をなくし、一定レベルまで底上げするべく、全員に3級の受験を課しています。
2020年と2021年に行った2回の試験では、10月の内定時に受験を告知し、入社後の5月上旬までに試験実施という流れを基本的なスケジュールとしました。2020年入社社員の受験時はコロナ禍の影響でオンライン試験となりましたが、2021年の試験は社内会場で試験を行いました。
実際に受験した社員からの反応はいかがでしたか?
受験したのが入社したばかりの新入社員ということで、「マーケティング検定で得た知識を、これから業務に活かしていきたい」という前向きな感想がほとんどでした。
具体的な感想としては、「マーケティングの基礎知識を幅広く得たことでOJTの中で先輩社員の話す内容が理解しやすかった」「マーケティングに関する書籍や記事が読みやすくなった」などの報告があったほか、「研修中のグループワークで早速マーケティング検定で得た知識を活かした」という社員もいました。
また、合格した社員からは「問題集だけでなく、テキストもしっかり読み込むことで、試験の解答もしやすく、業務にも活かせている」「次は2級にチャレンジしてみたい」という声が挙がっています。
人事担当者の目線から感じたことを教えてください
マーケティング検定導入の効果
マーケティング検定を導入した最大の効果は、やはり新入社員がマーケティングの基礎知識を幅広く得たことです。さらに、将来的にはマーケティング知識を持った社員が増えていくことで当社の課題解決能力を底上げしていくと考えています。
また、今回、新入社員がマーケティングの概略を知ったことで、その視野の広さを今後の業務に活かすことができるはずですし、マーケティングの知識や戦略がよりビジネスへの影響力を強めても、ひとりひとりがそれに順応し、新たな活路を開いていけるのではないでしょうか。
マーケティング検定導入で分かった課題
マーケティング検定を導入して見えた課題として、まず1つは、受験までの学習期間で理解度の個人差をどのように埋めるかということです。これについては、学生時代までマーケティングを学ぶことがなかった内定者を中心に内容の解説や検定対策のための研修機会などを作り、学習をサポートできたらと考えています。
また、ある社員は「消費者行動」は高得点だが「チャネル戦略」や「サービスマーケティング」はスコアが伸び悩んだといったように、個々人で得意なジャンルと不得意なジャンルが明確になりました。こういったデータを今後蓄積していくことで、会社として人材育成の注力すべき領域やテーマが明確になるのではないかと期待しています。
そして、これまでは中長期的な効果を期待して、新入社員向けに試験を行いましたが、いずれは社内公募などで部門や年次にかかわりなく受験者を募り、社内全体に幅広いマーケティング知識を浸透させることが次の課題です。
その際には新設されたマーケティング検定2級の活用も視野に入れたいと思っています。
最後に、記事の読者へのメッセージをお願いします
マーケティング検定の受験を考えている方へ
社会人になってからの学習は時間の面でも制約が大きいですが、その点、マーケティング検定は、幅広いマーケティングの知識が体系的にまとまっており、学習効率の良さが何よりの魅力でしょう。
学んだことを一過性の知識にするのではなく、しっかりと吸収して自身の業務レベル向上に役立てられると思います。
マーケティング検定導入を考える人事担当者の方へ
人事担当者の方には、マーケティングの知識の浸透だけではなく、モチベーション向上の面でもマーケティング検定の導入をおススメできます。
新入社員への2回の試験実施から、合格という到達点を作って知識をインプットする機会が社員のモチベーションにつながると実感しました。加えて、当社ではマーケティング検定の合格を名刺に記載できるため、社内外で会話のきっかけや習熟度合いの可視化となる点も検定試験ならではと感じています。
私たちも、引き続きマーケティング検定を新入社員の教育に活用しつつ、さらに社内全般のマーケティング知識向上のための活用方法を検討していけたらと考えています。
社名
株式会社東急エージェンシー
代表者
代表取締役 社長執行役員 澁谷 尚幸
従業員数
1,041名(2021年3月31日時点)
事業概要
・各種広告の代理業務
・広告宣伝に関する企画、立案ならびに制作
・情報の収集、計算、統計、分析および市場調査、広告効果の測定ならびに情報機器によるプログラムの開発、運営の受託
・出版、印刷、写真、映画の企画、立案ならびに制作
・展(博)覧会、見本市および各種催事、興行等の企画、立案、実施
・地域開発、都市開発および一般建設の企画、設計ならびに施工
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