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システム開発の現場でも!企業が太鼓判を押すマーケティング検定、受験のメリットは?

インタビュー

システム開発の現場でも!企業が太鼓判を押すマーケティング検定、受験のメリットは?
この企画では、日本の資格・検定編集部が社内の教育制度に資格・検定を活用している企業・団体に導入のきっかけや感想をインタビューします!

今回は、公益社団法人 日本マーケティング協会主催のマーケティング検定(内閣府認定試験)を社員教育に導入しているNECソリューションイノベータ株式会社(以下、NECソリューションイノベータ)のマーケティング推進本部にて社員教育を担当する大塚洋さんにお話を伺いました。

大塚洋さん
NECソリューションイノベータ株式会社
マーケティング推進本部
企画グループ
プロフェッショナル

マーケティング検定とは

マーケティング検定は、学生や社会人などを対象にマーケティングの知識を測定できる内閣府認定試験です。マーケティングはビジネスを成功させるために必須のツールであり、試験を通してマーケティングの概念を学習することで、業種・業界を超えて通用するビジネススキルを習得することができます。

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導入の目的

・担当者間で正しいマーケティングの共通認識を持ちたい
・マーケティングを活用して、地域に密着したシステムの開発事業に力を入れたい

実際の効果

・マーケティングの共通認識を持つことで議論が活発になり、企画が進行しやすくなった
・マーケティングの知識を活用してシステムの提案・開発ができるようになった

NECソリューションイノベータの事業内容について教えてください。

弊社は2014年にNECグループのソフトウェア会社7社が統合して発足し、クラウドやAI、IoTなど最先端のICT(情報通信技術)を活用したシステム開発を中心に手掛けている会社です。

現在NECグループでは、社会に必要不可欠なインフラに関わるシステムやサービスをICTによって高度化し、政府、官公庁、地方公共団体などと協力して人々の暮らしやすい生活をサポートする「社会ソリューション事業」に注力しています。弊社もシステム開発などを通してこの社会ソリューション事業の一端を担っています。

今後はこの幅広い事業領域を強みに、全国に支社がある弊社ならではの「地域に密着したシステム」を提供する事業に力を入れたいと考えています。

例えば北海道では日本酒製造における課題解決のために、IoTの活用の検討から共創活動を行い、実証実験を実施しました。そこで、温度やアルコールの成分などお酒造りに必要な情報を過去のデータとの比較・分析することや、スマートフォンなどで外出先から仕込みの経過を見ることができる「NEC 清酒もろみ分析クラウドサービス」を開発しました。

地域に根ざした需要や課題の調査をする上で、全国に拡がる拠点があることは、弊社の強みの1つでしょう。この利点を活かし、これからも地域密着型企業として社会とお客様に貢献していきたいです。

マーケティング検定を導入したきっかけを教えてください。

地域に密着した企業として社会に貢献していくためには市場の調査・開拓をさらに強化する必要があり、組織改革によって2018年4月にマーケティング推進本部が誕生しました。

これまで弊社では、システムの開発や改善などのために担当者が個別にマーケティングを実施していました。しかし、各自がマーケティングを独学で行っていたため、持っている知識に差があり、担当者同士で会議をしていても内容の認識に相違が見られることや、マーケティング用語を使っても理解してもらえないことが時折ありました。

マーケティング推進本部の誕生にあたって、「担当者の間で正しいマーケティング知識を身に付けて共通認識を持ちたい」と模索していたときに出会ったのがマーケティング検定でした。

はじめは、マーケティングの基礎知識を学ぶための検定だと思っていたのですが、実際に自分自身でも受験してみるとマーケティングを深く理解していないと答えられない問題も多く、想像以上に社員にとって勉強になることが分かり、とても魅力的に感じました。

また、土日に実施する研修や資格・検定も多い中、マーケティング検定は全国で随時受験ができるCBT方式※を採用しているため、全国各地の支社にいる社員が休日出勤せずに受験できることも導入を決めたポイントの1つです。

※ITによりネットワーク化された全国の会場にて、コンピューターで実施される試験方式のこと

社員教育にマーケティング検定を取り入れて今年で2年になりますが、「基礎知識が身に付いた」「間違って覚えていたことを正すことができた」と社内でも好評で、導入して良かったと感じています。

マーケティング検定を活用した社内の制度について教えてください。

弊社の人事制度には「高度専門職」という各分野に特化した知識を持つ社員を評価した役職があります。この高度専門職へのステップとして、半年に一度数名の社員が「強化領域人材」として選抜され、より専門的な知識を身に付けるべく研修が行われています。

高度専門職は分野ごとに分かれていて、マーケティングもその1つです。マーケティング検定はマーケティング分野の高度の研修として活用されていて、ビジネスキャリアの糧にしたい4~5年目の若手社員や、知識を学び直したい主任クラスの社員などが受験しています。

意欲的に勉強に取り組む社員が多く、合格率も高いので、社員教育を担当している立場としてはとても誇らしいです。

マーケティング検定の受験までの流れを教えてください。

強化領域人材にはマーケティング検定のテキストと問題集だけでなく、Eラーニング講座も提供しています。弊社では、紙のテキストや問題集で勉強した方が取り組みやすい社員と、スマホやタブレットで勉強した方が取り組みやすい社員の両方がいるので、各自に合ったスタイルで学習してほしいと考えています。

受験した社員からは「自分に合う勉強方法が選べて良かった」という声が上がっていますよ。

▲Eラーニング講座は出題範囲の全9章から構成(トップ画面)

▲章ごとの動画に合わせた確認テストで習熟度を測定できる

マーケティング検定を導入した効果について教えてください。

マーケティング検定を導入する際に掲げた「開発担当者の間で正しいマーケティング知識を身に付けて共通認識を持ってもらいたい」という目標は達成しつつあります。

ある社員は共通認識を持つことで会議中にマーケティングの専門用語を使って話すことが可能になったため、「言葉が持つニュアンスなどもお互いに理解できるようになった」と話していました。また、「マーケティング検定の合格で自信が付き、会議の場で発言することへの恥じらいやためらいがなくなったので、今まで以上に会議が活発になって企画が進行しやすくなった」とも聞いています。マーケティングの基礎知識を身に付けてほしいという思いで導入した検定ですが、想像していた以上の効果を得ることができました。

その他にも、マーケティングを企画書に応用しお客様に提案できる社員も現れ始めました。このような社員はまだ一部ですが、積極的に実務に活用することができる社員がもっと増えれば良いですね。

これからの展望について教えてください。

マーケティングの知識については担当者間で共通認識を持てるようになってきましたが、システムを導入しているお客様に対して新たに必要としていることやシステムの改善点を調査し、より良い提案・開発を行うには、まだまだマーケティングの経験が足りないと感じています。これからは知識を身に付けるだけでなく、実践で活かせるように経験を積み、お客様に対してきめ細かにサポートしていきたいですね。

また、マーケティングだけではお客様の課題を解決することはできません。日々の仕事を通して、システム開発やお客様と直接コミュニケーションをとる部署など他部署との連携・協力が重要だと感じています。マーケティング担当者が正確な知識を身に付けることで、他部署の社員にもマーケティングの意図が伝わりやすくなり、お客様の課題解決に向けて活躍してくれると嬉しいです。

社会や企業を取り巻く環境が激しく変化する時代だからこそ、正しいマーケティングの知識を最大限に活用して世の中の流れを読むことが現代のビジネスには重要なのかもしれません。今後もマーケティング検定の導入によって弊社が地域密着型企業としてさらに貢献できるよう、社員教育に取り組んでまいります。


社名
NECソリューションイノベータ株式会社
代表者
代表取締役 執行役員社長 杉山 清
従業員数
12,289名(2019年3月31日現在)
事業概要
システムインテグレーション事業
サービス事業
基盤ソフトウェア開発事業
機器販売

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