Vol.18 レザーソムリエ 2018.09.26

インタビュー
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★この企画では、読者のみなさんに代わって日本の資格・検定編集部が資格・検定試験の運営団体にインタビューを行い、その魅力をお伝えしていきます!
Vol.18 では、「レザーソムリエ」を主催する一般社団法人日本皮革産業連合会および日本革類卸売事業協同組合を取材しました。

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「カーフ」「キップ」「ステア」「カウ」「ブル」、これらの単語が何を示すかみなさんはご存じですか? 実はすべて革製品で用いられる牛皮の種類なのです!
レザー(皮革)は歴史をさかのぼって遥か昔から人類の生活に密着した素材でした。時代が流れるにつれ、世界中の各地域でレザーに関する文化が発展し、強度や美しさが追及されたことやファッション・インテリアなどの高級ブランドが質の良いレザーを求めたことがきっかけとなり、レザーは次第に「生活必需品」としてだけでなく「嗜むもの(たしなむもの)」としてもその地位を確立させていきました。
現在でもレザーは上質な手触りや経年変化を楽しめるとして、世界中で愛用されています。バッグや財布、革靴といったファッション雑貨のほか、ソファや車のシートなどさまざまなモノに用いられるようになり、私たちの生活の身近な存在と言えます。みなさんもご自宅や身の回りに多くの革製品をお持ちのはずです。
しかしながら、革製品を愛用している方は多くても、「レザー」そのものの本質や特徴まで理解できている方は少ないのではないでしょうか。レザーは非常にデリケートであり、「もっと革製品の素材について知っていれば、もっとお手入れの方法の知識があれば、お気に入りのバッグや革靴を⾧く使えたのに…」そんな後悔をしたことがある方も多いと思います。
今回ご紹介する「レザーソムリエ」は、そんな思いを持った方のための資格といっても過言ではありません。レザーおよび革製品の知識を正しく学ぶことで、レザーライフをより楽しめるようになるのです。
レザーソムリエとはどのような資格試験なのか、受験を通じて何を学べるのか、資格試験の特徴やその魅力を、主催団体である一般社団法人日本皮革産業連合会および日本革類卸売事業協同組合に伺いました。
Q1 レザーソムリエはどのような資格ですか?
Q2 レザーソムリエを学習する意義とは?
Q3 どのような人がレザーソムリエを受験していますか?
Q4 レザーソムリエではどんな問題が出題されますか?
Q5 おススメの学習方法を教えてください。
Q6 皮革講座ではどのようなことを学ぶのでしょうか?
Q7 レザーソムリエ合格者にはどのような特典があるのですか?

Q1 レザーソムリエとはどのような資格ですか?

レザーソムリエは皮革の業界団体である一般社団法人日本皮革産業連合会と日本革類卸売事業協同組合が主催する資格です。
皮革業界として皮革や革製品について正しい知識を有するレザーソムリエを育成することで、多くの方に愛着をもって革製品を使用し、より楽しんでいただけること、また仕事で革製品を扱う方には販売の現場で役立つ知識を身に付けていただくことを目的としており、2017年にこの資格試験制度を立ち上げました。いわばレザーファン、レザーのスペシャリストを増やす取り組みです。
レザー全体に関する幅広い知識を身に付けられるのはもちろん、「自分に合った革靴の選び方」「製品ごとのお手入れ方法」「トラブル対処法」など日々の生活で役立つ情報も併せて得ることができるのもこの資格の魅力です。
基礎知識から応用知識までをステップアップ形式で体系的に習得できるようになっており、現在は入門編のBasic(初級)のみですが、将来的にはProfessional(中級)、Master(上級)の設置を予定しています。

Q2 レザーを学習する意義とは?

レザーの世界は奥が深く、なめしの方法や加工方法も多岐に渡ります。
レザーについて学ぶと、お手持ちの革製品の特徴や完成するまでの背景を知ることにつながり、その知識がお手入れ方法を学ぶ基礎や、革製品選びのヒントにもなるため、一消費者としてこれまで以上に革製品を楽しめるようになるでしょう。

レザーの魅力が理解できれば革製品そのものに愛着を持つことができるため、レザーのある生活をより楽しんでいただけるはずです。また、レザーソムリエの学習はモノを大切にするということにも繫がっていくので、人生を豊かにできる資格だと考えています。
もちろん、お仕事などで革製品を取り扱う方にとっては、革製品を製造・販売していくうえでレザーの知識は必須となります。本来のレザーの良さを理解することで、より踏み込んだセールストークや商談ができるようになったり、店頭では接客時に的確な回答ができたりと、さまざまな場面でレザーの知識を生かすことができます。

Q3 どのような人がレザーソムリエを受験していますか?

全体の4割程度の方が皮革業界関係者以外の方で、インテリアや靴、バッグなど、⾧く大切にしたい革製品をお持ちの方や、ご自身でレザークラフトをされている方が多いです。また、新しい趣味としてレザーについて学びたいという方もいらっしゃいます。受験資格を制限していないこともあり、ビジネスパーソンのほか、主婦、学生、シニア世代など職業も年齢もさまざまです。
また、レザーに関わるお仕事をされている方の中には個人で出願されたケースだけでなく、人事部の方が新人~中堅社員の教育を目的として受験を推薦するケースもあり、大手鞄メーカーの社員の方にも団体で受験していただいています。
皮革団体の資格制度なので、革製品を扱う業種や業界への就職を希望している学生の方や転職活動中の社会人の方にはひとつの武器として、入社前に取得すると面接のときにアピールすることができるでしょう。小売業やアパレル業界、インテリア業界の中でレザーを扱う機会はとても多く、入社後にはレザーソムリエで学んだ知識をすぐに活用できると思いますので、事前の受験をおススメします。
2017年に開催された第1回のBasic(初級)試験では、すでに185名のレザーソムリエが誕生しており、 合格者からは「より深い知識を身に付けたいので早く中級コースをつくってほしい」というリクエストも多く挙がってきています。
まだ構想段階ではありますが、Professional(中級)コースの受験資格はレザーソムリエ Basic(初級)合格者か、皮革関連業界に3年以上在籍した実績がある方を対象とし、ワークショップ・スタイルでなめしの方法や仕上げ行程などをより深く学ぶ内容にしたいと考えています。

Q4 レザーソムリエではどんな問題が出題されますか?

レザーソムリエBasic(初級)では、レザーの入門編として基本的な知識を習得しているかが求められます。出題は皮革全般の分野が最も多く、次にケア(お手入れ)、靴、鞄、手袋・ベルト・衣料の分野が問われます。
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Q5 おススメの学習方法を教えてください。

レザーソムリエBasic(初級)では公式テキストをご用意しています。公式テキストから幅広く出題されるので、テキストの内容を把握し、しっかりと頭に入れていただければ合格レベルに達するでしょう。
合格した方にお話を聞くと、みなさん公式テキストを繰り返し読まれているようなので、資格試験の準備としては公式テキストを繰り返し読んで理解していただければと思います。
公式テキスト
また、公式テキスト以外では、座学と実習の両方で学ぶ「皮革講座」を開催しています。 受講料は無料で、2017年は東京と大阪で全3回、2018年は全5回を7月7日、8日、8月22日を東京で、9 月9日に大阪で開催し、10月14日には名古屋において開催する予定です。どの回も100 名ほどの定員が満員になることが多いです。これまで資格試験を11月に実施していますが、その直前のタイミングで開催しているので、こうした講座も学びの場としてぜひご活用ください。

Q6 皮革講座ではどのようなことを学ぶのでしょうか?

知識を習得する座学に加え、実際に革に触れていただく実習の機会を設けることで、よりレザーに親しんでもらえるようなプログラムをご用意しています。
座学では革の歴史やなめし方法、天然皮革と人工皮革の違い、革のお手入れ方法などの講義を行います。⾧年皮革産業の第一線で活躍している講師陣による生の声をお届けしているので、面白いと毎回好評です。
実習では実際に触りながら革の種類やなめし製法について学んでいただきます。100 名ほどの参加者を4つのグループに分けて、4つのテーブルをぐるぐると回りながら講師からレクチャーを受ける形式で行っており、講師は皮革卸会社の社⾧さんを中心に⾧く業界に携わっているプロフェッショナルたちが務めています。
レザーを“五感”で感じることができる他にはない講座ですので、初心者の方でもレザーの楽しさを発見しやすいと思いますよ。
講習会1
講習会2
参加者へのアンケート調査でも、「参考になった」という回答が多く得られており、評価の高い講座となっています。

【2017年皮革講座参加者へのアンケート結果】

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Q7 レザーソムリエの合格者にはどのような特典があるのですか?

レザーソムリエの合格者には、「認定証(プラスチックカード)」と「認定証書(賞状形式)」を交付しています。 また、任意で「認定バッジ」を購入できるので、販売員の方など店頭でも有資格者であることを示すことが可能です。
認定証
認定バッヂ
2018年には参加希望者に対し、栃木県にある栃木レザー㈱の工場見学や、ベストレザーニスト2018発表会の見学、兵庫県姫路市にある有力タンナー※の工場見学を実施しています。知識の向上と会員間の交流促進を目的として、今後も年間2回ほどイベントを実施する計画です。
※タンナー:製革業者または皮革製造に携わる人のこと。皮を鞣す(なめす)という英語のtanに由来する。
私たちとしては、レザーソムリエの資格試験実施や講習会をぜひレザーファンのみなさんの交流の場にしていただき、よりレザーライフを楽しんでいただくことが何よりも嬉しいことです。まずは、少しでもレザーの世界に興味を持っていただき、レザーソムリエへの一歩を踏み出していただけたらと思います。

【栃木レザー㈱工場見学】

栃木レザー1
栃木レザー2

いかがでしたか。

レザーと聞くと難しいイメージを持つ方も多いですが、どの時代にも文化や流行を作り続け、現代においても私たちの生活に溶け込む身近なアイテムです。レザーソムリエはその学習を通して、モノが豊かな現代で忘れがちな「いいモノを⾧く大切に使う」という基本的な精神を思い出させてくれる資格です。
レザーは種類や製造法、お手入れ方法など、知れば知るほど奥の深い世界となっています。また、使い込むほどに自分だけの味や個性が出るのもレザーならではの特徴です。知識としての学習だけでなく、一生の趣味としてもおススメです。
レザーアイテムが好きな方、レザーソムリエに少しでも関心を持たれた方はぜひ資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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