Vol.29 TAC×日本の資格・検定 第4弾【国家資格】電験三種(第三種電気主任技術者試験)編 2019.07.25

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★Vol.29では、資格の学校TACと日本の資格・検定のコラボ企画第4弾として、「電験三種(第三種電気主任技術者試験)」をご紹介します。ぜひご覧ください。

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みなさんは「電験三種」という資格を耳にしたことがありますか?

電験三種とは「第三種電気主任技術者試験」の略称で、施設の電気設備の保安・監督をするために必要な資格です。電気系の試験というと専門性や難易度が高いというイメージを持たれがちですが、受験資格もなく、科目合格制度※が利用できるため、3年間で4科目に合格すれば資格取得に漕ぎつけることができます。そして何より、この電験三種は就職・転職・再就職やスキルアップに強く、知る人ぞ知るおススメ資格なのです!
※科目合格制度:電験三種の場合、1科目合格した時点から2年後の試験まで有効
そこで今回の特集記事では、資格の学校TACとのコラボレーション記事第4弾として、「電験三種(第三種電気主任技術者試験)」をご紹介します。

電験三種が就職・転職に強いといわれる理由やその業務、試験情報に加えて、記事後半では実際に電験三種に合格されたTAC講師の石田聖人氏に、学習する際の注意点や合格までの道のりなどを伺いました。

Q1 電験三種とはどんな資格ですか?

「電験三種」は正式には「第三種電気主任技術者試験」といい、電気事業法で定められた国家資格です。発電所や変電所、工場、ビルなどに設置されている電気設備の保守・監督を行う、電気のスペシャリストであることを証明できます。このような電気設備の管理は、電験取得者でなければ行うことができない「独占業務」となっています。
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電気主任技術者試験は、扱う電圧の規模に応じて第一種~第三種の3つに分類され、その登竜門ともいえる「電験三種」では電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物※(出力5千キロワット以上の発電所を除く)を扱うことができます。電圧5万ボルト未満といっても、日本の電気設備のほとんどはこれに当てはまります。
※電気工作物:電気を使用するために設置する工作物

Q2 電験三種を取得するメリットは何ですか?

電験取得者は電気業界のみならず、鉄道や建設業界、ビル管理業界などで活躍できる場面がたくさんあり、近年大きな注目を集めています。また電気事業法では、事業用電気工作物を設置している事業主に対して、工事・保守や運用など保安の監督者として電気主任技術者を選任しなければならないと定められていますが、現状では資格取得者が少ないため、求人数が多いというのも魅力といえるでしょう。

Q3 電験三種の試験概要を教えてください

電験三種の試験は年1回、毎年9月上旬の日曜日に、全国47都道府県で実施されます。受験資格は特に無く、誰でも受験することができるのも特徴です。試験科目は4つあり、それぞれ次のような内容となっています。
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出題の形式は、五肢択一のマークシート形式であり、試験時間は法規のみ65分で、残りの3科目は90分で行われ、丸1日かけて実施されます。
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「第三種電気主任技術者試験」
平成29年度試験「電力」問1、問5
平成21年度試験「電力」問5 より
※本問題の著作権は、一般財団法人 電気技術者試験センターに帰属します。また、本問題の無断転載、無断営利利用を厳禁します。本問題の内容や解答等に関するお問い合わせは、受け付けておりませんので、ご了承ください。
※本問題を含む第三種電気主任技術者試験の過去問題はこちら

Q4 合格率、受験データから見て、難易度はどのくらいですか?

試験の合否は科目別に判定され、4科目すべてに合格すると試験合格となります。一部の科目にのみ合格した場合には科目合格となり、以降2年間は申請により、当該科目の受験が免除されます。

なお、平成30年度の試験における試験の実施状況は以下の通りです。
<平成30年度の実施状況>
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この合格率を見て、電験三種は難易度が高いと感じたかもしれませんが、先ほど説明したように、電験三種には科目別合格という制度があります。つまり3年間かけて4つの科目に合格すれば電験三種を取得できるのです。これを踏まえて、科目合格の状況を見てみましょう。
<平成30年度の科目別の実施状況>
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科目合格した人の割合は例年30%前後で安定しています。これを「3人に1人が受かる試験を、3年連続で合格すればいい」と考えると、イメージが少し変わるのではないでしょうか? 決して易しい試験ではありませんが、科目合格があり受験しやすく、努力が報われる試験だといえるはずです。

合格した方に特別インタビュー!

自身も電験三種の資格を取得し、現在TACの電験三種講座にて講師をされている石田聖人氏に受験理由や合格までの道のり、学習のポイントなどを伺いました。
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石田 聖人 (いしだ まさと)
電験三種合格・TAC電験三種講座 講師

試験にめっぽう強い電験のスペシャリスト。
TAC出版「みんなが欲しかった!電験三種」シリーズの執筆集団のメンバー。 自身は、電気の知識ゼロから独学で勉強を始め、2年で三種に合格。同時に、三種の勉強のみで二種の一次試験『電力・機械・法規』に合格。 勉強中に苦労した経験から『初学者目線でわかりやすく』がモットー。

過去の試験問題を徹底的に分析し、効率よく試験に合格するための『本物の試験対策』をお教えします。

なぜ電験三種を取得しようと思ったのですか?

もともとは友人に勧められて学習を始めたのがきっかけです。私自身、理系の高等専門学校出身でしたが、電気のことに関しては全く知識がありませんでした。乾電池の出っ張っているほうから電気が流れるということも学習を始めてから知りましたし、中学生で習うような電圧と電流や、直列と並列といった単語もはじめのうちは頭の中で混ざってしまうような状態だったのです(笑)。
しかし、電験三種の資格が就職に強いことや、これからも私たちの生活から電気が無くなることはないと思ったことから受験を決めました。
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電気主任技術者ではなく、スクール講師を目指そうと思った理由は何ですか?

正直にお話してしまうと、私が学習を進めたときの参考書や教科書は初学者に優しくないと感じることがありました。そこで、初学者に対してもっと易しく効率よく学習できる道を提案したいと思うようになったというのが講師を目指した理由です。

電験三種の学習は途中で諦めてしまう方が多く、そんな状況を改善したいという思いで書籍の執筆に参加したり、講座の内容を企画したりしています。

電気主任技術者の業務を教えてください。

施設で使用している電気を管理・監督して安全を保つことが主な業務です。電気設備に何か問題が起きればすぐに駆け付けますが、配線を触ったり、工事をしたりという業務は行いません。現場の状況を確認し、適切な対応を判断して専門の業者や電気工事士資格を持つ方などに依頼します。
勤務パターンとしては、施設に常駐する働き方と、施設に定期的に出向いて点検・メンテナンスをする働き方があり、病院や消防署、警察署、商業施設、ホテルなどの大きな施設では電気主任技術者が施設の機械室などに常駐している場合がほとんどです。マンションやビルなど小・中規模の施設では決まった日時に赴いて電圧などを点検します。

どんな方に向いていますか?

現在、電気主任技術者の割合は男性の方が圧倒的に多いです。しかし、肉体的な労働が少なく、管理・監督がメイン業務となるため性別などは関係なく従事できるのではないでしょうか。
近年では女性専用のホテルやスポーツジムなども増え、施設管理における女性の需要が増加しているようです。「求人情報も正社員やアルバイトなど雇用形態がさまざまなので家事や育児との両立がしやすい」、「日本全国に求人情報があって家族の転勤や転居などにも対応できる」という声も挙がっています。

受験当時の石田さんの学習方法を教えてください。

私は基本的に独学で学習をしました。ただ、分からない部分があってもその調べ方すら分からなかったり、テキストの最初の内容でつまずいてもそのまま読み進めてしまったことでどんどん内容が頭に入ってこなくなったりと何十時間も無駄な時間を使ってしまいました。
石田さんの学習スケジュール(当時)
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合格までの1年10カ月の勉強時間としては、11月から翌年の9月(1年目の試験)までは週に数時間という程度の学習時間で、ほとんど学習は進められていなかったように思います。この年の試験で「理論」のみ科目合格となりました。
1年目の試験が終わり、2年目からはそれまでの反省を生かして日に何時間も学習時間を確保しました。平日は別の仕事をしていたのでハードではありましたが、その年の試験で残りの「機械」「電力」「法規」の3科目に合格することができました。
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学習にあたっての注意点はありますか?

電験三種の学習は、出題範囲を何周も繰り返して知識を積み重ねるのがセオリーです。1周目は全体を理解して、2周目からは苦手な部分を重点的に対策していきます。

そこで最も注意していただきたいのが、学習の順番です。「理論→機械→電力→法規」という流れで進めていくと理解しやすいでしょう。特に理論の科目は全体の基礎となる部分なので、この科目を1周目の時点でしっかりと抑えることが大切です。その上で他の科目に臨んでください。
また、資格の学習における注意点をいえば、得意分野の学習時間はほどほどに、ということでしょうか。得意分野をどんなに伸ばしても出題される配点は決まっているので、その時間を苦手分野の克服に回しましょう!
また、スクールや講座を受講するか、独学をするかで迷う方が多いようですが、初学者の方なら1周目の学習ではスクールや講座を活用して知識の土台を作り、2周目以降は必要な部分だけスクールを利用する進め方が最も効率的だと思います。正直に言うと、独学はかなりきつかったのでおススメしません。知識のある人に質問できる学習環境の方が早く合格できると思います。

電験三種は理系資格ですが、文系でも合格できますか?

「理系の資格=ハードルが高い」というイメージを持つ方も多いですが、2~3年あれば合格が可能かと思います。例題でもあげたように、電験三種では文章問題もかなり出題されています。また、計算問題においても「計算が得意なら問題が解ける」ということはありません。 「電気を知る」というところから始める初学者の方であれば、文系も理系もあまり関係ないかもしれません。
私の講座には、もともと電気系の業界で活躍していた方も、文系で電気のことは一から学ぶという方もどちらもいます。数学が苦手ということであっても、電験三種に使われる数学はパターンを覚えれば点数に繋がるものが多く、反復練習をすれば苦手意識も解消されると思いますよ!
1年目の試験に向けては、「理論」の科目で基礎を習得してから「電力」「法規」という順で取り組み、多くの方が苦手意識を持ちやすい「機械」は次の年に集中的に対策する、というのも一つの手です。
また、宣伝ではないのですが、数式や図で解説している理系の方向けのテキストと比べてTACのテキストは文系の方向けかもしれません。イラストや丁寧な解説が差し込まれているので好評を頂いています。

電験三種の魅力を教えてください。

電験三種の魅力はやはり圧倒的な安定感です!

基本的に電気主任技術者は施設必置※の職業なので、時期や場所を問わず求人募集が多く、引く手あまたの状態なのが特徴です。電気系や工業系の業界では電験三種の知名度は抜群で、周囲からも一目置かれているような印象を受けます(笑)。
※施設必置:ある事業をする際、各企業や施設、事業所に資格保持者を最低一人は必ず置かなければならないと法律で定められていること
独立・開業も可能ですが、一定の実務経験や経済産業大臣の認可が求められるため、基本的に企業に所属して業務にあたる場合の方が多いでしょう。特殊な業界ではありますが、各施設に必置の存在なためリストラや解雇などもあまり耳にしません。安定した収入を求める方にはおススメの職業です。
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ユーザーのみなさんにメッセージをお願いします!

電験三種に限った話ではなく、貴重な時間を資格の勉強に充てようと頑張ることは、それだけでも素晴らしいことだと思います!そういった方には、ぜひ今の意欲を大切にして、合格までたどり着いてほしいです。
資格や検定は合格したら人生やビジネスにおいてプラスになりますが、たとえ不合格でも決してマイナスにはなりません!逆に、途中で学習を諦めてしまうのは本当にもったいないことなので、あまり自分にプレッシャーをかけすぎずに日々の学習や試験に臨んでください。

いかがでしたか。

電験三種は将来性が抜群の国家資格です。近年ではオール電化住宅が普及したり、ソーラーなど再生可能エネルギーの発電設備がさまざまな地域で増加したり、また、インターネットにおける情報通信量増加に伴ってデータセンターが増設されたりと、電気主任技術者の活躍する場所はますます増えています。
しかし一方で、電気主任技術者の資格を持つ方は全国的に不足しており、この資格を持っていれば、就活・転職には引く手あまたといえるでしょう。
電気は豊かな日本の暮らしやこれからの発展に欠かせないものです。電気主任技術者は、その知識と技術を駆使して安全に電気設備を使用できるよう環境を整えることで、それぞれの企業だけでなく、社会全体をも支える重要な役割を担っています。
就職や転職、再雇用を考える方をはじめ、新しいことにチャレンジしたいという方はぜひ電験三種にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
◇TACの講座はこちらからどうぞ
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