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色彩検定とは?どんな人が受験してる?例題やおススメの勉強方法も

資格・検定特集

色彩検定とは?どんな人が受験してる?例題やおススメの勉強方法も
★この企画では、読者のみなさまに代わって日本の資格・検定編集部が資格・検定試験の運営団体にインタビューを行い、その魅力をお伝えしていきます!
今回は、「色彩検定 」を主催する公益社団法人色彩検定協会を取材しました。

「春らしい」「落ち着いた感じの」「カジュアルな」
これらの形容詞、あなたならどんな色で表現しますか?

色の感じ方は人それぞれ、個々の好みの影響が大きいんじゃないか、と考えている人が多いかと思いますが、実はそれは大きな誤解です。

みなさんは国語の授業で、単語や品詞、直喩・隠喩、体言止めといった表現技法などの様々な文法を学んだことありますよね。普段無意識で感覚的に使っている日本語について、論理的にその構造を学ぶことで、一般的に相手に意図が伝わりやすい文章を誰でも作ることができるようになります。

それと同じで「色」にも論理的に裏付けられた規則性・法則があります。
ファッションや芸術などの個性が表現しやすい分野が目に浮かびやすいせいかもしれませんが、多様な表現技法を駆使した文学作品と同じように、一定以上世の中の支持を集めているデザイン・製品には共通する「色」の法則が用いられています。

視覚情報の大部分を担っている「色」を効果的に活用することで、誰でも共感・信頼を得られる+αの「提案力」、「センスの良さ」を手に入れることができるのです。+αの「提案力」は、アパレル・美容業界の方はもちろん、自身の服装、営業の場面、プレゼン資料・商品企画・販促物制作等、幅広いシーンで効果を発揮します。

さて、これからご紹介する色彩検定では、「色」の仕組みや、役割・効果、その利用・応用方法について基本的な事柄をしっかりと習得することができ、効率的に「提案力」「センスの良さ」を身に付けることができます。今回は、色彩がもたらす付加価値と色彩検定の魅力について、主催する公益社団法人色彩検定協会の山中理事に伺ってきました!

Q1 色彩に関する知識で得ることができる「付加価値」とは?

色彩に関する知識で得ることができる一つの知識として「色の共通言語」があります。いきなり「色の共通言語」といっても想像しがたいと思いますので、具体的にお話しましょう。

例えば一言に「黄色」といってもいろいろなトーンがありますよね。「さわやかな」「春らしい」「和風の」「派手な」…それぞれのトーンによって色のイメージは大きく変わります。

このような色彩の感覚は、個人でそれぞれとらえ方が違う、と思われている方が多いかと思います。しかし実際には「色彩心理」を学習し、「色」が人に与えるイメージや効果を理解することで、一定の共通認識を受け取り与えることができます。そして、この「色の共通言語」は、ビジネスの様々な場面で役に立つのです。

アパレル・美容関連では、お客様から上記のように「○○○な」という形容詞を用いてアドバイスを求められることが多いと思いますが、理論的な「色の共通言語」を習得していると、相手が思い浮かべるイメージに近い色や商品を提案することができます。しっかりとした色彩の理論に裏付けられたアドバイスを行うことで、販売員はリピーターの獲得、そしてブランドイメージの向上が期待できます。

もちろん、アパレル・美容関連以外でも、営業職、広報や企画をご担当されている方にとっても「色の共通言語」が非常に有効です。提案資料や新しい企画・商品を考える場合、顧客やチーム内・上長との間でイメージに相違があり、思うようにプロジェクトが進まない経験はありませんか。相手が思い描くイメージを「色の共通言語」を利用し具現化した提案をすることで、「これじゃないんだよね」と言われ頭を抱える事態も回避できるでしょう。

色彩の知識・技能を高め「色の共通言語」を習得することは、提案を効率的に行うことができ、ビジネスにおける生産性の向上につながります。専門的な色彩の知識は、仕事に必ずしも必要なものではない場合もありますが、利用シーンの制限がなく、また、相手が想像する一歩先を行く提案につながる「付加価値」という立ち位置にあるのではないでしょうか。

Q2 色彩検定はどんな検定ですか?

1990年に開催された第1回「ファッションカラーコーディネーター検定試験」が色彩検定の始まりです。当時は一般の主婦の受験者が多かったのですが、日本における色彩の文化の底上げのため、また生涯学習にもつながる点が評価され、1995年度に文部科学省認定、2006年度から同省後援となり、現在「文部科学省後援色彩検定」として実施されています。

すでに30年を超える実績を誇り、志願者数は150万人を超えました。従来から「感性」だけによるものと見られがちであった「色に関する知識や技能」を、理論的、系統的に学ぶことによって誰もが「理論的に裏付けられた色彩の実践的活用能力」を身に付けることができる検定として、「色彩検定」は多くの方から支持されています。

Q3 実際にどんな人が受験していますか?

10代・20代を中心に、幅広い年齢層の方が受験しています。職種としてはアパレルの販売員やネイリストなどの美容系の方の受験が最も多いですが、IT系やメーカー勤務の方も数多く受験されています。

色彩検定の一つの大きな特徴として、仕事に活かすために受験されている方が増えているということが挙げられます。それぞれ魅力的な色・コーディネートの提案から、商品開発・パッケージデザインまで、色彩の知識の使い方・活かし方をそれぞれ見つけてくださっています。

合格者のみなさんが発信する色彩の効果が広まり浸透してきており、色彩検定は、受験者のみなさんと一緒に成長している検定といえるでしょう。

Q4 色彩検定ではどんな問題が出ますか?

色彩検定では、1級・2級・3級とUC(色のユニバーサルデザイン)級があり、人間の脳の光の感じ方の仕組みから、色の種類と属性、色彩心理、色彩調和、色彩効果、ファッション、インテリア、デザイン等、特定の分野に偏らない色彩に関する知識が、公式テキストの内容に準拠して出題されます。

試験の程度と内容は以下の通りです。

初心者向けの3級の問題では、例としてこのような問題が出題されます。

Q5 おススメの学習方法を教えてください。

学習方法として、大きく(1)独学、(2)スクール、(3)通信教育の3つがあります。(2)(3)については学校によってカリキュラムや費用が違うようですので、しっかりと調べて自分に合った学習方法を見つけてください。

また、協会が監修している各級の「公式テキスト」は、色彩を楽しく学習できるようにまとめられていますし、「過去問題集」は過去の試験問題がていねいな解説付きで載っていますので、大いに活用してください。


いかがでしたでしょうか。

「センスが良い」とは無縁だと思い込んでいた方、チャンスです。感性の良し悪しだと考えていた「色のセンス」は色彩検定に取り組むことで身に付けることができるんですよ!

「傾聴力」「論理的思考力」「表現力」「訴求力」
これらはすべてのビジネスシーンにおける提案の基本ですが、さらに、理論に基づいた色彩の付加価値を手に入れることで、チームメンバーや顧客からさらなる共感・信頼を得ることができます。

光があれば、色がある。色彩の可能性は無限大です。色彩検定でライバルに差をつける+αの提案力、手に入れませんか?

★色彩検定の公式HPはこちらからどうぞ。

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