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ビールの世界がグッと広がる「ビア検」の試験内容や活用法を紐解く!

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ビールの世界がグッと広がる「ビア検」の試験内容や活用法を紐解く!

気象庁によると、今夏は2023年に引き続き、“暑くなる”との予想。

暑くなってくると飲みたくなるものといえば……そう、ビール! そんなビールの検定、「ビア検」なるものが世に存在しているのをご存知だろうか?

「ビア検」を取得すれば、Beerライフがもっと愉しくなるらしいとの噂。その魅力を主催団体である一般社団法人 日本ビール文化研究会に伺った。

お話を伺ったのは……

一般社団法人 日本ビール文化研究会 企画・編集主幹
山根 一洋さん

サッポロビール株式会社でヱビスビールのブランドマネージャーなど主にマーケティング部門を歴任。ラッキーヱビスの生みの親。現在は、一般社団法人 日本ビール文化研究会で、「ビア検」の企画・編集主幹、ビールセミナー講師を務める。


「ビア検」で何が学べる?

「日本ビール検定」の通称が「ビア検」。一般社団法人 日本ビール文化研究会が、日本のビール文化の発展・普及に貢献していくことを目的に、2012年から実施している検定です。

「ビア検」合格者に贈られる合格認定証。

日本国内だけでなく世界のビールを含めた、ビールの歴史や製法、原料、種類などの基礎的な知識から、美味しく飲むための方法や知って楽しい雑学までを幅広く扱っています

クラフトビール人気が高まる昨今。各地で開催されるビールイベントの盛況など、多種多様なビールに触れる機会が増えてきました。

ビール好きの方が、「ビア検」を通じて、世界各国のビール文化や150種以上もあるビアスタイルについての知識を得れば、ビールをより一層楽しめるようになり、Beerライフのクオリティが上がることは間違いありません

どんな人が受けている?

「ビア検」は趣味検定の色彩が強く、2023年の受検者の71%が「ビールをもっと楽しみたい」という一般消費者の方。残りの29%は、メーカーや飲食業等、酒類業界の方になります。酒類業界の方の受検比率は上昇傾向にあり、2023年は前年の24%から29%へとアップしました。

年に1ターム(2024年の2、3級の受験期間は9月1日[日] ~ 10月31日[木]/申し込み期間は7月1日[月] ~ 10月28日[月])の開催ですが、平均して毎年約3,000人弱の方が受検されています。

「取得された方からは、『ビアバーでのメニュー選びが以前より楽しくなった』、『ビールの奥深い世界を知り、上位級にも挑戦したい』などの声を頂いています」。

受検者の年代は、2023年のデータで、20代の構成比が最も多く30%、20〜30代では57%を占める程。男女比は63:37と男性が多いですが、20代に絞ると男女比は58:42と女性比率がアップし、年齢層が若い程男女差が縮まっています。

クラフトビールにハマったことがきっかけで取得を試みる方が増えている印象
です。

勉強する内容は? どんなことに活かせる?

「ビア検」では、公式テキストと公式問題集を用意しており、情報の移り変わりがあるので、どちらも2年毎に改訂版を出し、内容をアップデート。

公式テキストは、販売部数からすると、「ビア検」を受検しない方の購読が多く、検定試験の対策本である一方、ビールに関する読みものとして楽しんでいただけているのだと思います。


公式テキスト『知って広がる ビールの世界 日本ビール検定公式テキスト』(翔泳社/1,848円)は今年4月に発売。改訂版には、おもしろ豆知識や過去問題が盛り込まれ、読みものとしても充実の内容だ。なんと発売前からAmazonでベストセラーに! 

公式テキストには、ビールの基礎知識だけでなく、業務用のビールサーバーから適正飲酒の話まで、幅広く盛り込まれているのが特徴。コチラ1冊でビールにまつわる情報はだいたいカバーできるのではないでしょうか。

山根さんが、形状の違う3つのグラスにビールを注いでくれた。嬉々として喉を潤す取材チーム。「美味い!とにかく美味い! 同じビールなのに3つの味わいが愉しめるとは……♡」と、驚きの声が。

試験に向けての勉強方法は?

1日の勉強量にもよりますが、3級については、試験前のひと月を勉強期間に当てれば十分ではないかと。各級の違いは以下の通りですが、受検する方の大半は公式問題集を購入されています。

各級のレベル・合格率(初回試験からの累計)

【3級】選択式、合格ライン60点。公式テキストを通読すれば合格できるレベル。ビール好きにおススメで合格率は89%。
【2級】選択式、合格ライン70点。3級より深い理解が必要。職業としてビールに携わっている方におススメのレベル。公式テキストの反復学習をしてきちんと記憶を定着させる必要アリ。合格率は47%。
【1級】選択・記述式、合格ライン80点。難易度が高い問題が多いが、公式テキストの学習がベースに。選択問題だけでなく記述式も含まれるので、より正確な知識が試される。ビール愛好家の頂点。過去10回の試験で123名が取得。合格率は8%。

いずれの級も、まずは公式テキストを通読し、それから問題集で過去問を練習するのが良いでしょう。

ただ、2級、3級でも公式テキストには記載されていないこと、例えばビールに関するニュースや新商品についてなども出題されることがありますので、日頃からトレンドチェックも必要!

1級に関しては難易度が高く、数年がかりで何度かトライして取得する方が多いですね。

「ビア検」の役目とは?

「ビア検」が、ビール愛好家の輪を広げるきっかけになっていけたらなと思っています。

というのも、ビール愛好家の頂点である1級取得者は、現在全国に123名おりまして、毎年新年会なるものを開催しているんですが、今年も全国から多くの方が集いました。

初対面でも、「ビア検」という共通の話題があることで、とにかく大盛り上がり! ビールのつまみが「ビア検」の知識なのです。

そんな「ビア検」ネットワークを広げるような取り組みが、もっとできないかと考えています。

ビール愛好者同士を繋ぐツールになればとの思いから用意している、合格者有料特典の「ビア検」バッジ。コチラも合格者有料特典となる名刺。裏面は「ビア検」の例題が。名刺交換のトークのきっかけにも一役買いそう。


また、級にかかわらず100点満点の方にはビール1年分を贈呈する「満点賞」という特典も好評。最近では、満点取得者も増えていて、複数の場合は山分けでのお届けに。

このようなさまざまな取り組みが、ビール文化の盛り上がりに一役買うことを願っています。


「知って広がるビールの世界」のキャッチコピーの通り、Beerライフがさらに楽しくなりそうな「ビア検」。今後はビール愛好者が繋がるハブのような存在にもなるかもしれない。

次回は、今年秋の試験に挑むビール愛好者たちの「ビア検」チャレンジへの道のりをご紹介!

【ビール好きにおススメSPOT!!】

自分で注いで飲み比べも!
「体験型ビヤスタンド L LAB(エルラボ)」

今回、山根さんにお話しを伺った場所は、2023年、新橋にオープンした体験型のビヤスタンド。ヱビスビールや白穂乃香をはじめ、常時5種類のビールと不定期で入れ替わるゲストビールを提供している。形状違いの3種のグラスによる味の違いを堪能すべし!

DATA
体験型ビヤスタンド L LAB
東京都港区新橋1-15-5 ペルサ115 1F
URL:https://www.ginzalion.jp/shop/brand/llab/

取材・文=池田 裕美


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