ワインエキスパート受験レポ。気になる料金からスクール選びまで【連載はやしかく】
最も有名な民間資格かもしれない、そう思っているのが『ソムリエ』です。私自身、ワインは大好きなのですが、さすがに『ソムリエ』は難しすぎるだろうと思って敬遠してきました。
ただ、最近は資格についてお話する機会も増え「資格ソムリエ®」という商標を登録していることもあり、いよいよ『ソムリエ』がとても気になる存在に。
そしてついに! 約半年勉強し、今年『ワインエキスパート』を受験しました。とここで、『ソムリエ』じゃないの?と思った方、ちょっとお待ち下さい。これには何かと事情がありまして・・・。
『ワインエキスパート』と『ソムリエ』の違い
大変有名な資格の『ソムリエ』ですが、まず国家資格ではなくて民間資格です。
そして、少しわかりにくいのが、『ソムリエ』は協会が2つに分かれていること。メジャーなのが「日本ソムリエ協会(JSA)」、マイナー感はあるものの飲食店管理の知識も学べるのが「全日本ソムリエ連盟(ANSA)」です。
「日本ソムリエ協会」の場合、飲食業従事者でないと『ソムリエ』は受験できません。そのため、私の場合は自動的に『ワインエキスパート』の受験となりました。
なお、『ソムリエ』も、『ワインエキスパート』も、ワインに関するエキスパートという点では同じです。
「全日本ソムリエ連盟」の場合、資格名は『ソムリエ』または『ワインコーディネーター』のいずれかを自分で選択できます。実務に従事していなくても『ソムリエ』資格が取れるのはこちらということになります。
取得のきっかけは、かの有名バッジ!?
資格取得のきっかけはやはり、資格としての知名度が大きなところ。様々な資格を取っている中で、超有名どころである『ソムリエ』については、ずっと気になっていました。また、誰もがあのブドウのバッジには憧れるのではないでしょうか(私だけ!?)。
内容のワインについても、お酒全般を嗜むのでもちろん大好物でした。なお、お酒についてはワイン検定、日本酒検定、ビール検定、ウイスキー検定、カクテル検定に合格済みです。ココまで来たら、やはり『ソムリエ』をおさえたくなっても仕方ないですよね(笑)。
試験の形式ですが、「日本ソムリエ協会」の『ソムリエ』と『ワインエキスパート』は、1次試験が共通のCBT<Computer Based Testing(コンピュータ ベースド テスティング)>となっています。
出題範囲は、「日本ソムリエ協会」の公式の教本全体から。ただ、コレが電話帳のような、ちょっとした鈍器と呼べるくらいのボリューム感がある本ですので、全体を把握するのは困難を極めます。
出題範囲が明確なので独学も不可能ではないものの、効率よく学習し合格するには専門のスクールに通ったほうが確実でしょう。
忙しい人にこそスクールがおすすめな理由
私の場合は、ちょうど知人が前年にワインエキスパートを取得し、そのスクールが良かったと聞いたので、小規模なスクールに通いました。
「日本ソムリエ協会」の『ソムリエ』や『ワインエキスパート』対策講座は、著名なワインスクールから小規模スクールまで、様々なスクールで行われています。
一方、「全日本ソムリエ連盟」の対策講座は、2日間の講習や自宅学習など複数のスタイルから自分に合う形式で受講することが可能です。
いずれにしても試験に出やすい部分などを効率よく伝えてくれるので、独学よりは効率よく進められるでしょう。
なお、大規模なスクールの場合は受講生同士で仲間を増やしやすい、出題された問題などの情報が手に入りやすい、といったメリットも。
小規模なスクールの場合には、個別に手厚くフォローしてもらいやすいので、特に2次試験の実技対策には強みがあります。
私が通ったスクールでは毎回個別にテイスティング結果の添削と気をつける点のアドバイスがありましたが、大手スクールに通う方から聞いた話ではこういった対応は無いということでした。
気になったスクールには、体験や問い合わせでしっかり確認してから入るのがオススメです。
試験対策のコツは「コツコツ」にアリ!
スクールの利用有無を問わず、学科試験対策として様々な国やワインのことを覚えるのは自分自身での作業になります。
私自身、250以上の資格を取得してきて、記憶することは苦手ではないと思っていますが、それでも非常に苦労しました。
何しろ、国の名前だけではなく地方の名前と特徴を無数に覚えていくのは、繋がりがない「単純な暗記」に近いものがあり、単調なことからポイントを掴んで効率良く進めるといったことが難しいのです。
コツコツ、しっかり時間を取って全範囲まんべんなく覚える。非常に地味ですがそれが一番の近道といいますか、それしか無い気がします。
また、二次試験のテイスティングは、自分の感覚だけで答えるのではなく、自分の感覚を協会のテイスティングの基準に合わせていく事が重要です。
例えば酸味の評価では「シャープな」「溌剌とした」といった選択肢がありますが、感覚的なもので答えればいいのではありません。
レベル感が強めなものが「シャープ」、次が「溌剌とした」、その次はコレといったセオリーがあるので、それを知り自分の感覚とのズレを調整する必要があります。
これは独学では難しいので、スクールを活用するか知人に取得者がいれば教えてもらう必要があるでしょう。
実際にかかった費用&学習期間
スクールの利用も受験も、さらには合格後の年会費も含めると、それなりの費用が掛かります。
私の場合は、以下が実際にかかった費用と学習期間です。
趣味というだけで受けるのにはハードルが高いかもしれませんが、それなりのこだわりをしっかり形に残したい、飲食店に勤めているなど、これだけ費用と時間を掛けても取る意味があるのかは人によって差が大きいところですね。
ちょっと気になったので受ける、というライトな内容および金額ではないのが『ワインエキスパート』『ソムリエ』の資格でした。だからこそ、一定の価値があると言えるのかもしれません。
万人におすすめできるものではないのかもしれませんが、ワインが好きな方には、その世界を広げ&深めてくれること間違いなしです。
実際、ワインを購入するときや飲食店でソムリエの方とやりとりする際も、しっかり希望を伝えることができ、深い話をしてもらえたりするので、私自身は受けてとても良かったなと思っています。
さてさて、私の合否結果ですが、2次試験(テイスティング)で不合格となってしまいました・・・(泣)。1次試験に合格すれば、2次試験は5年以内に最大3回まで受験のチャンスがあるので、来年またリベンジします!
「はやしかく」とは?
250以上の資格を持つ「資格ソムリエ」こと、はやし先生(林 雄次さん)が、資格・検定にまつわる役立つ情報を独自の視点でお届けします。
林 雄次さん
大手企業にてITエンジニア職を経験後、IT活用&DX推進に注力する新世代の社労士・行政書士として独立。企業の働き方改革や業務改善、IT導入などを支援する「デジタル士業」として活躍。また、その他の士業を含む250以上の資格を持ち、「資格ソムリエ」としてさまざまなメディアに出演中。
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