日本の資格・検定|学びのメディア

読みもの

俳優・山時聡真が中学時代から実践する効率的学習術。初主演を支えた独自の暗記メソッド

インタビュー #気になるあの人を深堀り

俳優・山時聡真が中学時代から実践する効率的学習術。初主演を支えた独自の暗記メソッド

「セリフも単語も、映像で覚える」と語るのは、俳優の山時 聡真さん。岡山県倉敷市を舞台にした映画『蔵のある街』では、初主演を果たした。

今回の作品で、これまでで最も多いセリフ量に挑戦した山時さんには、学生時代から培った独自の学習メソッドがある。それは「映像と一緒に記憶する」視覚的な暗記法なのだとか。

現在、テレビドラマ『ちはやふるーめぐりー』(日本テレビ系)にも出演する注目の若手俳優である山時さんに、セリフや試験勉強時の暗記方法について聞いた。

お話を伺ったのは……

山時 聡真さん
2005年6月6日生まれ。東京都出身。5歳から芸能活動をスタート。2016年、映画『ゆずの葉ゆれて』で俳優デビュー。2023年、宮崎駿監督のアニメ映画『君たちはどう生きるか』では主人公・眞人の声を担当。近年の出演作は『ラーゲリより愛を込めて』(2022年)、『あのコはだぁれ?』(2024)『アンダーニンジャ』(2025)など。テレビドラマ『ちはやふるーめぐりー』(日本テレビ系)に出演中。

「映像」と一緒に記憶する視覚的暗記法

山時さんの記憶法の最大の特徴は、場面や位置などの「映像」と一緒に記憶する視覚的なアプローチだ。

「何かを思い出すときは、周りの情景のようなものも一緒に頭に浮かぶんです」(山時さん、以下同)。

勉強の場合は、教科書のページのどの位置に、何の単語の次にその単語があったかといった視覚情報と一緒に覚えてしまうのだとか。単語を単体で覚えるのではなく、周囲の情報と関連付けて記憶するのだ。

セリフの場合も同様で、場面を思い浮かべながらセリフを覚える。映像とセリフが一体となって記憶されているため、シーンを思い浮かべるだけで自然にセリフが出てくるという。

情報を単独で覚えるのではなく、周辺情報とともに暗記する。この方法は、視覚的な記憶が得意な人には効果的かもしれない。

記憶定着のために「寝る前」に「何度も声に出して読む」

暗記をするとき、紙に書くという人も多いだろう。しかし山時さんは「書くよりも、声に出して読む方が頭に入ってくる」と言う。

「漢字やスペルなどでない限り、書いて覚えることはあまりないです。1回書く時間があれば、3回読めると思うので、口に出して何度も読んだ方が覚えられます」。

学生時代も赤シートを活用。「隠して、口に出して、覚えていなかったら再度音読する」という反復学習を実践していた。

「覚えるのは、夜寝る前が狙い目。これまでの経験から、寝る前に記憶する方が確実に覚えられるんです。睡眠が記憶を定着させると本でも読んだことがありました」。

暗記作業は必ず就寝前に行い、翌朝に復習で定着度を確認する。このサイクルが、山時さんの学習法の核となっている。

学生時代から続く「直前暗記法」

山時さんには、もうひとつユニークな特徴がある。それが「直前暗記法」だ。

学生時代のテスト勉強でも同じ方法を使い、文系にも関わらず化学で1位を取ったこともあるというから驚く。

「テスト1週間前には『できない……』と弱音を吐いていた化学で、学年1位を取ったことがあって。テストの返却日、ちょうど仕事で学校に行けなかったんです。そうしたら友人から『できないって言ってたのに、できてるじゃないか!』と、ちょっと怒りのメッセージが届きました(笑)」。

セリフ覚えでも同様のアプローチを取る。脚本をもらった時点で全体を把握し、撮影の2日前に該当シーンの雰囲気や流れを再確認、前日に集中的に暗記するという方法だ。

「こうすることで、決めすぎていないお芝居ができるというか、相手に合わせた対応ができたりするので」。

早めに覚えすぎると演技が固定化してしまうが、直前に覚えることで相手役や現場の雰囲気に合わせた自然な演技ができるのだそう。

初主演を支えた学習メソッド

今回の『蔵のある街』では、主演というプレッシャーに加え、これまでで一番多いセリフ量に挑戦した。

「今までになかったセリフ量だったので、ちゃんと覚えられるのかなと不安もありました。でも、やはり今までと同じように、大筋の流れを把握して、細かい言い回しなどの暗記は2日前からにしました。試験や勉強の暗記だと、これでは対応しきれないかもしれませんが、お芝居は1人でするものでもないですし、柔軟性のあるこの暗記法は性に合っている気がしています」。


重要なのは、自分に合った学習スタイルを見つけ、それを信じて継続すること。そんな姿勢が、初主演という大きな挑戦を成功に導いたのかもしれない。

映画『蔵のある街』

2025年8月22日(金)より、ピカデリー新宿ほか全国ロードショー。

監督・脚本:平松恵美子

出演:山時聡真、中島瑠菜、堀家一希、櫻井健人、高橋大輔、MEGUMI、前野朋哉、林家正蔵、橋爪功、田中壮太郎、陽月華、長尾卓磨、ミズモトカナコ、北山雅康

撮影時衣装
ブルゾン90,200円、パンツ38,500円/ともにsaby(evolve 03-6823-5074)
シャツ26,400円/texnh(canall 03-6661-6190)
その他スタイリスト私物

撮影=佐野 美樹
スタイリスト=西村 咲喜
ヘアメイク=AZUMA(M-rep by MONDO artist-group)
文=kaori saito

人気記事ランキング

関連記事