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図書、美術、博物が“まぜまぜ”に!「角川武蔵野ミュージアム」でイマジネーションを刺激する1日を

勉強するならこんなところ #きょうも図書館日和です。

図書、美術、博物が“まぜまぜ”に!「角川武蔵野ミュージアム」でイマジネーションを刺激する1日を

きょうも図書館日和です。
全国の足を運びたくなる図書館を巡る企画。第6回は、埼玉県・所沢市にある「角川武蔵野ミュージアム」をピックアップ。

東所沢駅から徒歩で約10分。
 
のどかなムード漂う街の中に現れる「角川武蔵野ミュージアム」は、図書館・美術館・博物館の3館が融合した文化複合施設だ。
 
地元の人たちはもちろん県外からの利用客や外国人観光客も訪れる、複合文化ミュージアムの魅力を紹介する。

文学からアート、博物まで。好奇心を満たす複合文化ミュージアム

建築家・隈研吾氏による、武蔵野台地から地殻が噴き出した姿を模したという建物。2万枚の花崗岩が使われており、光の反射で建物そのものが芸術品のよう。

「角川武蔵野ミュージアム」は、美術や文学などのハイカルチャーだけではなく、マンガやライトノベルといったサブカルチャーにも触れられる場所。
 
それらすべてが“まぜまぜ”になり、イマジネーションを連想させながらリアルとバーチャルを行き来する仕掛けが、5階建ての建物中に詰まっている。

独特な形状の本棚を手掛けたのも隈研吾氏。4階「ブックストリート」の凸凹した書棚は、シナプスが繋がっていく人間の脳をイメージしている。

本に出会うきっかけがたくさん。新しい連想が生まれる“本の街”へ

4階でエレベーターを降りると、目の前に広がる「エディットタウン」。約25,000冊の本が並ぶ50メートルの「ブックストリート」や、天井までの書棚が印象的な「本棚劇場」などを含む、新しい本に出会えるエリアだ。
 
本の息づかいや賑わいが感じられ、“本の街”とも言えるこの空間は、初代館長の松岡正剛氏の監修のもと、“世界を読み解くための9つの文脈”で構成されている。

世界を読み解くための9つの文脈がコチラ。

9つの大きなテーマで区分されたエリアごとに棚があり、関連した詳細なテーマに落とし込まれている。
 
例えば、エディット6「男と女のあいだ」では、進化/オスとメスといったものから、細胞とゲノム、生きものの世界、幼なごころ/思春期、欲望とエロスのようにテーマ分けされたさまざまな本が並ぶ。
 
気になるテーマの棚の前に立つだけで、どんどんイマジネーションを膨らんでくるから、不思議だ。

通常の図書館とは異なり、小説や絵本、辞書にマンガと、多ジャンルの本が同じ場所に並ぶのも特徴のひとつ。さらに、平置きや縦置きなど見せ方もさまざま。
 
そんな知的好奇心を刺激する書棚を前に、自然と新しい本と出会えるつくりに。また、椅子が配されているので、好きな本を手に座り、読書に没頭できる。

心をくすぐるコレクションがいっぱい!荒俣ワンダー秘宝館は子どもたちに人気

さまざまな生きものが“世界をどのように見ているか”を体験できる「いきものメガネ」。犬や猿、魚など全8種が体験でき、画面上には解説も表示される。

日本の博物学研究家・荒俣 宏氏が監修する「荒俣ワンダー秘宝館」は、知的好奇心を多角的に刺激するものであふれている。
 
ここで生きものに興味を持ったら、同じ4階のブックストリートで関連図書を読み、深掘りする、のように新しい興味や関心を広げられるのも魅力!

見せ方にこだわり、荒俣 宏氏自らがPOPの製作も手掛けている。

常設展示のほか、企画展も定期的に開催されているので、訪れるたびに新しい発見があるはず。子どもはもちろん、大人にとっても刺激的な体験が待っている。

 プロジェクションマッピングの上映も!圧巻の本棚劇場

KADOKAWA(角川書店)の創業者である角川 源義氏のほか、山本 健吉氏や竹内 理三氏、外間 守善氏といった、立ち上げの際に尽力した人物から寄贈された個人文庫が上段に保管されている。

天井まで続く、約8メートルの巨大本棚に囲まれた図書空間「本棚劇場」はぜひ訪れたい。

こちらに並ぶ本はKADOKAWAの出版物のみで、新刊も読めるのが嬉しい。ライブラリーエリアの各所に設置されている椅子で存分に楽しもう。

プロジェクションマッピングの上映は20分毎、1回5分程度。

「本と遊び、本と交わる」がコンセプトの、プロジェクションマッピングも見逃せない。本の内容が表紙の外に飛び出してくるような、音と映像への没入体験が味わえる。

19世紀の書物から近作まで、日本ではここにしかない本も。

「本棚劇場」の裏にある屋根裏的階段空間「アティックステップ」は、まるで秘密基地に入り込んだようなワクワク感がいっぱい!
 
荒俣 宏氏の蔵書から約3,000冊を厳選して配架しており、荒俣 宏氏の頭の中を覗き込んだような体験ができる。

サブカルチャーに触れる、日本唯一のマンガ・ラノベ図書館

1階はマンガエリア、中2階がラノベエリアとなっている。

1階からアクセスできる「マンガ・ラノベ図書館」には、KADOKAWAから出版されている約8,000冊のマンガや児童書、さまざまな出版社のライトノベル約32,000冊が所蔵されている。
 
分かりやすく五十音順で並んでいる他、新刊やアニメ映画の公開に合わせて原作を集めるなど特集棚の設置も。大人から子どもまで誰もが楽しめる娯楽の世界で、日本が誇るエンターテインメントコンテンツの豊かさを体験しよう。

全面窓の自然光あふれる室内に配されたソファや椅子のほか、屋外デッキでも読書を楽しめる。気持ちのいい季節は、風にあたりながら過ごしても。

併設のカフェやレストランでひと休み

5階「SACULA DINER」では、本格シェフが作るひと味違うメニューを堪能できる。

「角川武蔵野ミュージアム」には、休憩スポットもたくさん!
 
美術館とリンクし、本棚劇場・企画展を観賞した気持ちの延長線にあるミュージアムレストラン「SACULA DINER」では、体感型クラフトパスタのコースが楽しめる。美しい水盤に面した2階の「KadoCafe」で、スイーツやドリンクをお供に、鑑賞後の高まる気持ちを味わうのもまた一興。
 
「角川武蔵野ミュージアム」に行くなら、ゆったりと休憩を取りながら、1日中満喫するのがおススメだ。


図書・美術・博物が“まぜまぜ”になった「角川武蔵野ミュージアム」。休日に訪れ、イマジネーションを刺激する1日を過ごしてみては。

DATA
角川武蔵野ミュージアム
埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
開館時間:10:00~18:00(最終入館は17:30まで)
休館日:毎週火曜(火曜が祝日の場合は開館)
利用料金:あり(公式サイトを参照)
https://kadcul.com/

文=鈴木 希

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