合格を引き寄せる”幸運のカップ”が話題。横浜の隠れ家カフェ「炭火焙煎珈琲 無」
勉強するならこんなところ この記事をあとで読む
神奈川県は横浜。東急東横線の元町・中華街駅は今日もごった返している。
アジアの空気を求める人々に逆行して進むと、古き良き石畳の通りに出るのをご存知だろうか。
レトロなケーキ店や老舗のテーラーが並ぶ通りにポツンと佇む無骨な「無」の一文字はどうしたって気になってしまう。
看板脇の細い階段を上がった先にあるのが、「炭火焙煎珈琲 無」。平日は店内での勉強や読書も可能ということで、試験前の身にはありがたい隠れ家を見つけてしまった。
SNSで11万いいねも。彫刻のような「氷珈琲」は店の看板メニュー
一番人気は「氷珈琲(900円)」。30年も前から「無」の定番メニューだったが、大迫力のビジュアルがSNSで11万いいねを獲得するなど、この数年で話題に。
「バットでコーヒーを凍らせるから、仕込みに1~2日かかるんだよ」と小学校の机ほど大きいバットを見せてくれたマスター。
氷自体がキリっと苦みのある濃いコーヒーだから、勉強している間に溶かしながらちびちび飲むのにぴったりだ。
「ブレンド」は一般的な豆の2倍の量を使用。新鮮さが命の一杯
氷珈琲と人気を二分するのが、マスターもイチ押しの「ブレンド(800円)」。
使用する豆は、マスターが「喫茶店を開くならどうしてもここの豆を使いたい」と交渉を重ねた神戸の老舗・萩原珈琲から取り寄せている。
一般的に飲まれているコーヒーの2倍の豆を使うから、荒挽きで手早く淹れても濃厚なのにさっぱりとした味わい。集中したいときのお供にぴったりの一杯だ。
合格祈願のおまじない。「幸運のカップ」を見つけよう
「無」のうれしいサービスといえば、壁一面に飾られたカップ&ソーサーから好みのものを選べること。
カウンター席に通されたときのみのサービスだけど、そのほとんどはマスターが1点1点買い付けたレアもの。さらに、不慮の事故で欠けてしまったものは金継が施され、元の姿からさらに味わいを増している。
「あるお客さんが、『このカップでコーヒーを飲んだあとは絶対に良いことが起こる』って言ってね、だから店では幸運のカップって呼んでいるよ」とマスターが出してきてくれたのは、渋くて複雑な色合いと金の点描がオリエンタルなカップ&ソーサー。
試験前の願掛けにこのカップでコーヒーを飲めば、なんだか上手くいくような気がしてしまう。
この他にも海外の人気陶器メーカーや国内作家の作品まで、眺めているだけで心が躍るレアなカップがたくさん。どうしても選べなかったら、マスターにおススメを聞いてみるのも良さそう。
DATA
炭火焙煎珈琲 無
温かくて粋だけど、どこか少年のようなマスターは13年間サラリーマンや公務員をした後「自分には向いていない!」とコーヒーの道へ。仙台や鎌倉、国立なども出店候補に挙がったものの、横浜の地に「無」をオープン。俳優の故・三國連太郎さんも常連だったそう。
横浜市中区元町1丁目1−21野中ビル2F
045-661-0292
営業時間:10:30~21:00
定休日:月曜
※平日のみ勉強利用可能。混雑時は要相談。
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撮影=新澤 遥