“伸びる子ども”の共通点とは? 元サッカー日本代表・森脇良太がアドバイス
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元サッカー日本代表として長年プロの世界で活躍し、現在は社会人チームの指導者として若手育成に携わる森脇 良太さん。
イベントなどで子どもにサッカーを教える機会も多いそうだが、指導現場での気付きや、子どもの意欲や才能を伸ばす関わり方について教えてもらった。
伸びる子どもには特徴があった!
これは一概には言えないんですが、僕が今まで子どもに指導する中で感じるのは、「聞くチカラ」を持つ子どもが伸びていく印象です。
そうです。何かアドバイスをもらったときに、その内容をしっかり捉え、素直に実践する。そういった姿勢は、成長する上で非常に大切。
自分が頑張れば頑張るほど、アドバイスを素直に受け取れないこともあるかもしれないですけれど、心の持ちようだと思うので、「聞くチカラ」は、いつからでも身に付けられると思います。
これは、小中高生だけでなく、社会人チームの選手に対しても同じことが言えますね。
サッカーの場合は個々のスキルの高さも大切ですが、同じくらいチームワークが勝ち負けを左右します。
チームワークを良くするための要素はたくさんあると思うのですが、やはりチームの皆が「練習できて楽しい」「今日はいろいろなことを学ぼう!」という意識を持つことが、試合に勝つためのキーポイントになる。
だからこそ、ポジティブなエネルギーを意識して、前向きな発言を心掛けています。
例えば、何かをアドバイスしたり、注意したりするときには、指摘事項以上に褒めるんです。
絶対にありますよ!
褒める内容は、練習に対する姿勢や、声の大きさなど、さまざまですが、しっかり見ていればどの子どもにも、必ず褒めポイントがあるんです。
「今の発言、良かったよ!」などと、些細なことでもポジティブに伝えるようにすると 、チーム全体の雰囲気までどんどん良くなります。
ポジティブな空気より、ネガティブな空気のほうが伝播しやすい。だからこそ、注意よりも褒めることを重要視する必要があるかと。
これは、職場でも家庭でも同じかと思うんです。
そう思います。子どもが何かできたときには、オーバーリアクションなくらいで褒めてあげるほうが、絶対伸びていく。
そして、親御さんには「お父さん、お母さんが一番の味方だよ」「応援しているよ」ということを子どもにダイレクトに伝えてあげてほしいですね。
「変なプライド」は不要!
サッカーチームも企業も、組織としてまとまっていないと、いい結果は出せませんよね。
後輩たちがやりやすい環境をつくり、成長できるきっかけになるように、前述のポジティブな声掛けを意識するといいと思います。
一方で、必要な指摘やアドバイスはしっかりとしていく。そのバランスが大切ですね。
僕自身、38歳まで現役を続けてきましたが、18歳の選手から学ぶこともたくさんありました。
彼らは物心ついたときからインターネットやSNSに触れているので、僕ら世代とは違う視点をもっています。
例えば、試合の映像分析に最新の機能を取り入れていたり、SNSで世界のトレンドをいち早くキャッチしたり。そうした柔軟な発想や情報収集の速さは、僕にとってすごく刺激的でした。
だからこそ、年齢や立場に関係なく、「聞くチカラ」を意識することが大切だと思っています。
森脇さんの話には、親御さんや指導者だけでなく、すべての人が人間関係を築く上で役立つヒントが詰まっていた。
「聞くチカラ」を持ち、相手の長所を見つけてポジティブな言葉をかける。そうした関わり方が、自分自身だけでなく、周りの人たちの可能性も広げることにも繋がるようだ。
お話を伺ったのは……

森脇 良太氏
元プロサッカー選手。サンフレッチェ広島や浦和レッズなどで活躍し、日本代表としてもプレー。現役引退後は、指導者やタレント、サッカーの解説者としてマルチに活動。好きな言葉は「太陽」「笑顔」。先日は「熱波師検定B」にも合格!
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撮影=河野 優太
文=SUGARBOY