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「防災グッズを置くスペースがない」小さな家でもできる“備える防災”の秘訣を収納のプロが伝授!

インタビュー

「防災グッズを置くスペースがない」小さな家でもできる“備える防災”の秘訣を収納のプロが伝授!

【暮らしと学びをアップデートする、プロ直伝の整理収納術】
片付けや収納の知識を活かした「勉強がはかどる部屋づくり」のコツを、プロが優しくガイド。環境を味方につけて、試験合格と心地よい暮らしをどっちも手に入れよ!

地震や噴火など自然災害への意識が高まる昨今。防災に関する資格も数多く存在し、学びの機会も増えている。

これまでにも、学びのメディア『日本の資格・検定』では防災にまつわる資格情報を発信してきた。知識を得ることはもちろん大切だが、実際に身の回りの防災グッズは準備できているだろうか。

整理収納アドバイザー・安藤 秀通さん(以下、ひでまるさん)の自宅には、2週間分の水や食料だけでなく、携帯トイレや発電機まで揃っている。

住まいは47平米のマンション。大人2人で暮らすには決して広いとはいえないが、小さな家だからこその工夫で“無理なく続けられる備え”を実践している。その秘訣を伺った。

防災意識は東日本大震災での被災経験から

ーーひでまるさんが防災への意識を強く持つようになったきっかけは、どのようなことだったのでしょうか?

2011年の東日本大震災での被災経験が大きく影響しています。

当時、僕は千葉県の旭市にいまして、津波の直接的な被害は免れたものの、自分の住む町が壊滅状態になった光景を目の当たりにしました。町は汚泥の匂いに包まれ、トラックや船が逆さまになって散乱している。その衝撃は計り知れないものでした。

ーーそれは大変な経験でしたね。そのとき、防災備蓄はされていましたか?

正直なところ、全くしていなかったんです。このときの経験から、「もしものときに備えること」の重要性を痛感し、整理収納のアドバイスをさせていただく際にも、防災備蓄の大切さを積極的に伝えています。

ひでまるさん宅は1LDK(47平米)という限られたスペースながら、リビングには100鉢もの観葉植物がセンス良くあしらわれている。

特に、私自身が限られた住空間での防災備蓄に取り組んでいるので、賃貸暮らしの若い世代や狭い家にファミリーで暮らす方々にも参考にしていただけたらと!

防災備蓄に絶対に欠かせないアイテムとは?

ーーひでまるさんのご自宅では、どのようなアイテムを備蓄していますか?

我が家で特に力を入れているのは「水」と「携帯トイレ」です。

水があれば人間は1週間は生きられるといわれているので、常に80Lを家に常備。これは大人1人が1日に必要とされる3L、我が家の場合は大人2人なので6Lを約2週間賄える量です。

ーー水は本当に重要ですよね。絶対欠かせないもののもう1つに「携帯トイレ」が挙がったのは意外でした!

震災などの大きな災害時には、水道が使えなくなることが予想されます。トイレがないと衛生環境が悪化し、精神的な負担も大きなものに。

ですので、トイレは1日5回と仮定し、2人で10日間使用できる100回分の携帯トイレを備蓄

安いものであれば5,000円程度で100回分を購入できますし、使い方も簡単なので、ぜひ備えてほしいアイテムですね

ーー10日間を目安に備蓄すれば良いのですね。

はい。あとは、すぐ避難できるように、防災リュックを4つ常備しています。

なぜ4つかというと、整理収納アドバイザーという職業柄もあって、多くの方が自宅に見学に来られます。生徒さんが被災された場合に備えて、通常よりも多めのリュックを準備しているんです。

1つ15,000円程でAmazonで購入した防災リュックには災害時に必要なアイテムが最初から詰め込まれているので、1つひとつアイテムを揃えるのが面倒な方や時間のない方におススメ。

ーー防災リュックには具体的にどんなものが入っているんですか?

「水」や「携帯トイレ」のほか、缶パン、避難所で使えるアルミ製のタオルケット、ラジオなど約30種類のアイテムが入っています。

狭い部屋でも実践できる収納術とは?

ーー防災グッズは収納に困るという声も聞きますが、ひでまるさんのご自宅ではどのような工夫を?

収納の仕方次第で、狭い家でも無理なく置き場を確保できます!

例えば、先ほどお話した防災リュックは、植物を置くテーブルの下に収納。色を黒に揃えているため、インテリアを邪魔しません

ーーこれ、防災リュックだったのですね!

そうなんです。色を統一して、テーブルの下に置くことで、部屋に馴染むようにしています。防災グッズだからといって、隠す必要はないんです。

セレクトショップの「BEAMS」と防災ブランド「SAIBOU PARK」による「飾れる防災ヘルメット」。

2人分のヘルメットとその他の防災アイテムをまとめた収納ボックスは、リビングの天井に棚を取り付け、そこに置いています。

天井近くのスペースも、有効活用できて良いですよ。

ーーヘルメットは見た目が可愛いので、インテリアのアクセントにもなっていますね。ちなみに食糧はどうしていますか?

我が家では、ローリングストックという備蓄方法を実践。これは、食材や加工品を消費しながら、使った分だけ買い足していく方法のこと。

「カゴ1つに入る分だけ」食料をストックするのが、ひでまる流。

災害時でも食べ慣れたものじゃないとストレスになります。また、賞味期限を確認する手間も減らせるので、小さな空間に住む方はもちろん、読者の皆さんにも実践してみてほしいですね。

防災グッズをこれから揃えようとしている人へのアドバイスは、一気に完璧を目指す必要はない、ということ。まずは前述のとおり、「水」や「携帯トイレ」など必要最低限のものを準備し、そこから少しずつととのえていくことから始めてみるのが良いと思います。


災害時の対応や防災備蓄の知識を体系的に学ぶことができる「防災士」や「防災備蓄収納プランナー」の資格取得にも挑戦したい、と話してくれたひでまるさん。

ひでまるさんの家には、限られたスペースでも無理なく実践できる防災のヒントが詰まっていた。身近なところから備えを始めてみてはいかがだろう。

お話を伺ったのは……

安藤 秀通さん
アパレルや雑貨の商品開発、ミュージアムショップのディスプレイ担当を経て、コロナ禍を機に片付けに開眼。2020年に「整理収納アドバイザー」の資格を取得後、2021年に起業。現在は整理収納アドバイザー、ルームスタイリストとして、個人宅のコンサルティングやセミナー、執筆など幅広く活動中。「hidemaroom」代表。東日本大震災の経験から、防災備蓄の啓発にも力を入れている。

撮影=新澤 遥
文=SUGARBOY

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