「Tシャツは700枚から5枚へ」整理収納で人生を変えたプロが語る“片付け上手になれる資格”とは?
「集中して勉強や仕事に取り組みたいのに、目の前の散らかりが気になってしまう」「整理整頓したいと思うけれど、片付けが苦手でモノが捨てられない」そんな悩みを抱えていないだろうか?
整理収納アドバイザーの安藤 秀通さん(以下、ひでまるさん)も、かつては700枚のTシャツに50足のスニーカーを保持する、いわゆる“モノに溢れた生活”を送っていた1人だ。
そんなひでまるさんだが、いまでは整理収納アドバイザーやルームスタイリストとして活動し、片付けのプロとして教える側へ転身。そのきっかけこそが「整理収納アドバイザー」資格の取得だったそう。
この資格の学びを通じて変化した経緯と、誰もが片付け上手になれる資格について、話を聞いた。
膨大な量のモノと暮らしていたひでまるさんの現在のクローゼットは信じられない程にスッキリ。なんと、バッグは1つ、アウターは1枚、Tシャツは5枚だけ。しかも、これが季節を問わず、ひでまるさんのすべての小物や衣類だというから驚きだ!
「片付けられない自分」を変えた衝撃の出合い
ーーかつてTシャツ700枚&スニーカー50足を所持されていたというエピソードに驚きました。この数字は本当ですか?
そうなんです。もともとアパレルや雑貨が大好きで、以前は商品開発やディスプレイの仕事をしていたのですが、職業柄、モノを収集するクセがありまして。Tシャツやスニーカーの他にも、バッグは80個程、調理器具も山のようにありました。
ーーまさにモノに囲まれた生活ですね。そこからどのように片付けに目覚めたのでしょうか?
きっかけはコロナ禍でした。仕事がすべてストップし在宅ワークになったことで、「まずは家を片付けよう」と思い立ったんです。しかし、当時は整理の仕方が分かっておらず、モノを右から左へ移動させるだけで終わってしまう。
そんな片付け迷子になっていたときに、たまたま「整理収納アドバイザー」2級の講座をに出合い、片付けにはルールがあるということを知りました。
ーーなるほど。資格がキッカケとなったのですね。具体的にはどのような学びがあったのですか?
「モノの選び方」の講義を受けたとき、雷に打たれたような衝撃を受けまして。「使えるモノ」はすべて残すべきだと思い込んでいたんですが、まずは「使いたいモノ」を選ぶことが大切だと学んだんです。この気付きが、私を突き動かしました。そこから、「使いたいモノ」を選ぶ日々がスタート。
片付けの末に「涙が止まらなくなった理由」とは
ーー「使いたいモノ」を選ぶことを通してどのような変化が?
「使えるモノ」はすべて残すというこれまでの考えから、講座で学んだ「使いたいか」「好きか」という視点に切り替えると、私には「使いたい」モノが驚くほど少ないことに気付いたんです。
モノの量が膨大だったため、整理には2カ月かかりましたが、最終日の夜、下駄箱を片付けながら、急に涙が止まらなくなってしまって。
ーー何か込み上げるものがあったのでしょうか?
モノがスッキリした爽快感はもちろんありましたが、それ以上に、モノを整理する過程で「過去の自分」と向き合っていたんだと気が付きました。
それまでの私は、知らず知らずのうちに職場や家族に本音を言えない他人軸の人生を送ってきてしまったように思います。でも、モノを「使いたいか」「好きか」でを選べるようになったことで、その基準を仕事や人生の選択にも当てはめられるようになったんです。結果、その1週間後には当時勤めていた会社に辞表を出していました。
プロが本気で推す「はじめの一歩」に相応しい資格2選
ーーひでまるさんの劇的な片付け体験のきっかけとなった「整理収納アドバイザー」2級ですが、どんなことを学ぶのですか?
2級は、職業にすることを目的とした1級とは違い、「自分の家をととのえる」ための資格といえるでしょう。具体的には、モノの選び方や正しい収納場所の決め方など、整理収納の基礎を体系的に学べます。
コツを掴んでどんどん家が片付く人もいれば、私のように、人生観が変わる人もいる。人によって効果の実感はさまざまだと思いますが、その人の悩みに応じて効くような、まさに「万能薬」のような資格ですね。「整理収納アドバイザー」2級は、日本国民全員が受けた方がいいと本気で思っています。
ーー国民全員におススメとは! 難易度は?
1日で行われる6時間程の講座終了後に、〇×問題の試験がありますが、合格率はほぼ100%。会場で行われる対面講座の他に、オンライン講座もあり、どちらも費用はテキスト代と試験&認定料込みで24,700円になります。
ーーおススメ資格は他にもありますか?
私も取得しているんですが、「ルームスタイリスト」2級ですね。
この資格は、住空間を自分好みにコーディネートする知識やスキルを身に付けるためのもの。
最大の特長は、自分の内面にある「好き」を発見するワークを通して、心地良い部屋とは何かを学んでいく点にあります。このプロセスによって、単に部屋を飾るだけでなく、自分の価値観や理想のライフスタイルが明確になるのです。
「ルームスタイリスト」2級の試験も「整理収納アドバイザー」2級と同様、1日6時間程の対面講座とオンライン講座が用意され、講座終了後に認定という流れ。コチラもほぼ100%に近い合格率で、認定テキスト代と試験&認定料込みで23,100円です。
ーー片付けの「仕組みづくり」を学ぶ「整理収納アドバイザー」2級と、空間の心地良さやコーディネートについての知識を深める「ルームスタイリスト」2級。目的に合わせて資格選びをすれば良いですか?
それでも良いのですが、もし「心地良く集中できる空間をつくりたい」のなら、2つの資格をセットで取得することを強くおススメします。
片付けで「集中できる土台」をととのえた後に、ルームスタイリングで「自分好みの心地良さ」をプラスすることで、より満足度の高い空間が生まれるからです。
「片付けは、単に部屋をきれいにする作業ではなく、自分自身の価値観と向き合い、人生をより豊かにする手段」ということを教えてくれたひでまるさん。2つの資格の学びは、心地良く集中できる空間づくりのヒントになりそうだ。
お話を伺ったのは……

安藤 秀通さん
アパレルや雑貨の商品開発、ミュージアムショップのディスプレイ担当を経て、コロナ禍を機に片付けに開眼。2020年に「整理収納アドバイザー」の資格を取得後、2021年に起業。現在は整理収納アドバイザー、ルームスタイリストとして、個人宅のコンサルティングやセミナー、執筆など幅広く活動中。「hidemaroom」代表。東日本大震災の経験から、防災備蓄の啓発にも力を入れている。
【暮らしと学びをアップデートする、プロ直伝の整理収納術】
片付けや収納の知識を活かした「勉強がはかどる部屋づくり」のコツを、プロが優しくガイド。環境を味方につけて、試験合格と心地よい暮らしをどっちも手に入れよ!
この記事の連載
◆小さな家でもできる防災グッズ3箇条!
◆整理収納で人生を変えたプロが語る“片付け上手になれる資格”とは?……今回はコチラ
◆「上手くいってる人」の部屋
◆勉強&仕事が捗る部屋づくりのコツ
◆「絶対やってはいけない収納」3つの罠
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撮影=新澤 遥
文=SUGARBOY







