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都内に現れた本と緑のオアシス。知的好奇心をくすぐられる「本の森ちゅうおう」に行ってみた

勉強するならこんなところ

都内に現れた本と緑のオアシス。知的好奇心をくすぐられる「本の森ちゅうおう」に行ってみた

きょうも図書館日和です。
全国の足を運びたくなる図書館を巡る企画。第2回は東京都・中央区にある中央区立京橋図書館・中央区立郷土資料館(以下、「本の森ちゅうおう」)をピックアップ。

八丁堀駅より徒歩1分、ガラス張りの窓と凹凸のある外観が目を引くスタイリッシュな建物が現れる。2022年12月にオープンした「本の森ちゅうおう」だ。

ここは京橋図書館と郷土資料館が併設され、イベントが開催される多目的ホールやカフェも備わる複合施設。みんなが通いたくなる、その魅力をご紹介。

まるで森で過ごしているよう。書籍との新たな出会いにあふれる、明るく開放的な空間

館内に足を踏み入れると、大きな窓から光が差し込む心地いい空間が出迎えてくれる。

窓から見える緑以外にも随所に「森」らしさが散りばめられており、天井の照明ラインは葉脈をはじめ自然界に多く存在する幾何学「ボロノイ図形」をモチーフにデザインされたのだとか。

2階はこどもコーナー&くらしコーナーと地域資料室、3階は文学およびTeensコーナー、4階は調べるフロア、5階は働く大人のためのフロアとなっている。

また、フロアごとに階段の位置が異なる場所にあるのも「本の森ちゅうおう」の特長。

階を移動する際は必ず書架の中を通る回遊空間になっているため、さまざまな本と出会うことができる。

階段展示コーナー。身近なテーマが取り上げられていて、つい手に取ってしまう。ちなみに、階段に敷かれたカーペットはコケをイメージしたデザイン。こんなところにも「森」らしさが。


約40万冊の蔵書の中から、スタッフおススメの書籍をピックアップして展示するコーナーがフロアに11カ所、階段に5カ所設けられていて、つい興味をそそられる。ピックアップする書籍のテーマは毎月変わるのだそう。

本を借りたいときは、3階メインカウンターのほか、各階に設置されている自動貸出機を利用しよう。本を置くだけで、機械が一瞬で情報を読み取って処理。つい借りたい本が増えてしまっても大丈夫。一度に10冊分も読み取れるのだとか。

1階エレベーターホールの先に現れるのが中央区立郷土資料館。

1階が常設展示、2階が企画展示室となっていて、1階の展示パネルは触ると情報やクイズが映像で表示され、中央区の歴史や文化を楽しく学べる。まさに最新の施設だ。

郷土資料館の1階床面には、昔の中央区の地図が。タッチで閲覧できる資料。美しい装丁や美術品が並ぶ様子は圧巻。ついすべてタッチしたくなってしまう。

また、2階の企画展示室では、地域の歴史の詳細展示や、区内外の美術館・博物館などと連携した貴重資料の展示など、テーマを決めて展示が行われる。

2階にある中央区立京橋図書館地域資料室には、中央区や東京都にまつわる歴史、文化、地域に関する資料を6万8000冊所蔵。

戦前の貴重な資料も2万6000冊あり、これだけの所蔵数をほこるのは京橋図書館ならでは。調べものにもぴったり。

窓際のテーブルや予約制の学習室まで。気分で選べる多彩な席が全495席

座席はソファやテーブル席、一般学習室など館内全体で495席あり、その日の気分や目的に合わせて選べるのがポイント。

3・4・5階窓際の電源付き閲覧席では、明るい陽光のもと、調べものや読書に気持ちよく没頭できそう。取材チームが訪れた日も、開館時間の朝9時から利用者の姿が見られた。

3・4階にある一般学習室は電源付きで予約制。

館内の端末で予約して、1回1時間から最大4時間の利用ができる。席同士がパーティションで区切られているので、集中したいときに最適だ。

窓際は差し込む光が明るく、日向ぼっこしながら読書を楽しめる。各階には開放的なテラスも。多くの席に電源が備え付けられている。


そのほか、ソファ席や窓際の明るいテーブル席など、リラックスして読書に集中できるスポットも。これだけ席の種類が豊富なら、お気に入りの場所が見つかるはず。

ラウンジやカフェ、つどいの森、屋上庭園etc.ほっとひと息つける休憩スペースがたっぷり

「ampere 本の森ちゅうおう」にはテラス席も。レジ横のガラスケースには美味しそうなスイーツが。


休憩スペースがたくさんあるのもうれしい。

1階エントランスを入るとすぐ右側にある「ampere 本の森ちゅうおう」は、自家製サンドイッチとコーヒーが楽しめるカフェで、モーニングやランチ、焼き菓子、ケーキなども提供する。

図書館の本を持ち込むこともでき、蓋付きならドリンクを購入して、地域資料室と郷土資料館以外の館内で飲むことも。

ブラジル産・グアテマラ産のコーヒー豆を使用した自社オリジナルブレンドコーヒー(450円)と、しっとりとした食感が絶品のキャロットケーキ(650円)、2つの人気メニューを堪能。サンドイッチに使われているパンやアイス、焼き菓子なども自社製だそう。

図書館にしてはめずらしく、5階のラウンジは飲食可でおしゃべりもOK。向かって右側はテーブル席で、左側の窓際は電源付きのひとり席となっている。

緑が生い茂る庭は散策するだけで植物のパワーを感じる。取材時はまだ蕾だったが、梅雨になるとアジサイが見事に咲くのだそう。


2階の庭園「つどいの森」は、ここが中央区であることを忘れるほど自然が豊か。

この日は雨上がりだったこともあり、深呼吸をすると、湿った土と植物の香りが気持ちいい。青空の下、四季の移ろいを感じながらひと息つくのも◎。

1階多目的ホールで土日を中心に開催されるさまざまなイベントに参加してみるのもおススメ。

子ども向けには、子ども読書の日記念おはなし会、夏休み子ども会、クリスマス子ども会、工作会、大人向けには、著名人の講演会や、中央区の歴史・文化に関するトークショー、ワークショップ、朗読会など、毎週のようにイベントが実施されている。

6階の屋上庭園では天体望遠鏡を使って眺める星空観望会が行われることも。

事前予約、抽選、当日先着順など、イベントによって募集方法はさまざまなので、詳細は公式サイトでチェックしよう。


開館から1年半を迎えた「本の森ちゅうおう」。

今では、子どもから大人まで幅広い年代が集い、歴史・文化を未来に伝える生涯学習拠点となっている。

今週末は、知的好奇心を満たしに「本の森ちゅうおう」へ足を運んでみては?

DATA
中央区立京橋図書館・中央区立郷土資料館(本の森ちゅうおう)
東京都中央区新富1-13-14
開館時間:9:00~21:00(月~土)、9:00~17:00(日、休日)
休館日:第3木曜日、年末年始 ※特別整理・施設保守点検のための、臨時休館あり
https://www.library.city.chuo.tokyo.jp/contents?2&pid=11

取材・文=鈴木希

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