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まるで海外。佐賀県・御船山の麓にはコーヒーの香り漂う図書館があった

勉強するならこんなところ

まるで海外。佐賀県・御船山の麓にはコーヒーの香り漂う図書館があった

きょうも図書館日和です。
全国の勉強が捗りそうな図書館を巡る企画。第1回は佐賀県・武雄市にある武雄市図書館・歴史資料館(以下、武雄市図書館)を訪れました。


自然豊かな御船山の麓。突然現れるモダンな入口を一歩入ると、そこはまるで海外の書店のよう。広い吹き抜けに、柔らかくカーブする壁にはぎっしりと本が並びます。しかし、「映え」だけで留まらないのが武雄市図書館のスゴいところ。

目指したのは、市民が集まり憩いの場になる図書館

図書館の後ろにそびえるのは御船山。季節ごとに様変わりする様子が美しい。


武雄市図書館は2000年にオープン。2013年にはTSUTAYA書店を経営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が指定管理者としてリニューアルし、今年で11年目を迎えました。

「公共施設はワクワク感がないと行かない。いろんな人に利用してもらいたくて休館日も無くし、年中無休に。その他にも楽しんでもらえる工夫を凝らしています。本の貸し出しや読書以外にも足を運んでもらえる“地域のコミュニティの場”にしたかったんです」そう話すのは館長の溝上正勝さん。


図書館全般でいうと週1~2日の休館日や月に1回の館内整理日、年末年始休暇、所蔵する書物や設備の点検を行う特別整理期間など、意外にも休館が多いものですが、武雄市図書館はなんと、365日年中無休。開館時間も9〜21時と遅くまで利用できます。

「夜までオープンしていると、仕事や家事を終えてから図書館でゆっくりと過ごしたい、という方が多く来館されるんです。もちろん勉強をしている方も多くいます。夜の武雄市図書館は広い窓から暖かい光が漏れて、昼間の様子とはまた違った表情を見せてくれますよ」(溝上さん。以下同)。

館内にはカフェや飲食できるスペースも。談話ができる場所も設けられ、これまでの図書館よりも幅広いニーズに対応しています。

「静かで読書に集中できる空間は守りつつ、『図書館では静かにしないといけない』という固定観念を外すために、館内の前面ではBGMを流しています。

書籍の販売以外に雑貨類も取り揃え、数カ月ごとに入れ替えているんです。これを楽しみに来館する方も多いですね」。

解放的な館内前面には武雄図書館のオリジナルグッズやセレクトされた雑貨が並べられています。文具も充実しているので、うっかり手ぶらで来てしまった、なんてときも安心です。

その日の気分で選べる勉強スペース。電源完備は120席も。

広々としたシェアルームは、資格・検定の合格を目指す仲間との勉強会にも。


いよいよ勉強や仕事を始めるぞ、と思っても席が見つからなければモチベーションは急降下。しかし、そこは来館者のことを考え抜いた武雄市図書館。学習スペースがとにかく豊富に揃っています。

1階のカフェスペースや奥の図書コーナー、2階の吹き抜けに並ぶデスクに加えて2017年に改修されたシェアルームなど、そのバラエティも豊富。毎日訪れても新鮮な気持ちで勉強できそうです。


「一人で勉強に集中したい方のためのコーナーはもちろん、学生さん達がグループで勉強できる場がほしいというニーズがあって。夕方からはシェアルームを第2学習室としてグループワークできるスペースとしました。他の時間帯は講座やワークショップを開催する多目的スペースとしても活用しています」。

館内にはWi-Fiはもちろん、全席の1/3に電源が用意されているため、動画やPCを使って勉強する人でも安心です。


「私はこの2階の机が並ぶスペースが好きで、よくここで仕事をしています」。

溝上館長がそう言って案内してくれたのは2階吹き抜け部分のスペース。見下ろせば1階の様子や外の緑が見える特等席で、吹き抜けの解放感も味わえます。カフェで淹れているコーヒーの香りがふんわり漂って、ただの勉強も映画の1シーンのよう。

体験の場、暮らしを充実させるライフスタイルを提案

子ども向けの「おはなし会」は採光が魅力的な別館「武雄市こども図書館」で。


いろいろな人に足を運んでもらいたい、と力を入れているのが講座やワークショップなどの体験イベント。

「資格取得を含めて、新しい学びや刺激に触れることがやりがいや生きがいの充実に繋がると思うんです。武雄市図書館はそのためのきっかけ作りにいろんな体験や講座を企画しています。去年も1000回はイベントをやりましたね。

地方では文化イベントや最新のカルチャーに触れる機会が少ないので、図書館という枠組みを超えて少しでもそこを補填できる場所を目指しています」。

これまで行ってきたイベントは、ヨガ教室や料理教室、著名人の講演、語学講座、また市民に役立つ年金相談、スマホ勉強会など多岐にわたるのだとか。中でも子どもたちへのおはなし会は毎日行って大変好評です。


「これまでは子育て世代の人の図書館利用が少なかったんです。ニーズに応えて武雄市図書館の隣に武雄市こども図書館を作って、あそび場も設けました。若い女性や子育て世代の利用がぐんと増えましたね」。

武雄市こども図書館の前には、芝生を敷いた広場も。勉強中にここでひと息入れれば、あと2時間は頑張れること間違いなし!


まさに老若男女が利用できる地域のハブ的存在になりつつある武雄市図書館。2022年秋に長崎と武雄温泉を結ぶ西九州新幹線も開業したことから観光地としての人気も急上昇しています。

実際に利用してみると、どのスペースも勉強に集中しやすい環境が整っている上、勉強の合間にカフェでひと休みしたり雑誌を眺めたり、外の広場に出るなど、気分転換のバリエーションも充実。

近くに住む方はもちろん、普段の生活から離れてスタディケーションを楽しむのもおススメです。

取材・文=池田裕美
写真=Nacasa & Partners


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