フードコーディネーターとはどんな資格?勉強方法や魅力を多方面で活躍するフードコーディネーターにインタビュー!
インタビュー #PROMOTION この記事をあとで読む
フードコーディネーターとは?
フードコーディネーターは、食の「開発」「演出」「運営」を理論と実践の両面から学ぶことのできる資格です。
試験は1~3級の3段階で行われ、3級試験では食の「文化」「科学」「デザイン・アート」「経済・経営」に関する知識が幅広く問われます。
3級試験はテキストを中心に出題され、初学者はもちろん、食に関する仕事に携わる人にとっても必須となる重要な基礎知識を習得することを目的としています。
2級1次試験では「レストランプロデュース」「商品開発」「フードプロモーション」などの専門知識が試され、2級2次資格認定講座では、フードビジネスに役立つ企画書の基礎を学習し、1級試験では企画書の作成や面接、プレゼンテーションを行います。
上位級になるほど専門性・実用性が高く、フードコーディネーターの仕事に直結する試験内容となっています。
▼フードコーディネーター資格認定者の活躍場面の例
お話を聞いたのはこの方
久保ゆりか さん
2006年度にフードコーディネーター3級、2008年度に2級、2018年度に1級を取得。
その他にも2011年に九州初、野菜ソムリエ上級プロの資格を取得。
日本料理や製パンに関する専門知識と技術を持ち、書籍やWEB等へ掲載する料理撮影、フードコーディネート、各種メディアへの出演のほか、飲食店のメニュー監修、執筆、商品開発など、多方面で活動中。
美容や健康、カラダの中からキレイになるレシピを得意とする。
⇒久保さんのInstagramはこちら(yurikakubo24)
フードコーディネーターを目指したきっかけ
フードコーディネーターを目指すまで
食に関するもので、なおかつ性別や年齢に関係なく輝ける仕事に就きたいと思ったことがフードコーディネーターを目指したきっかけです。
フードコーディネーターを目指す前は、ホテルの和食部門で働いていましたが、当時ホテルの厨房は男性中心の職場でした。その中で性別や年齢、これまでのキャリアにとらわれず、スキルやセンスを活かせる食の仕事はないかと考えていたときに、フードコーディネーターという仕事に辿りつきました。
その後、現役で活躍するフードコーディネーターのアシスタントとして修業を積み、メニュー開発・試作・撮影や料理教室、商品開発のサポートなどに携わらせていただくことになりました。そして現在、フードコーディネーターとして独立しています。
▲久保さん作「ブルーベリーロールケーキ」
資格取得のきっかけ
はじめてフードコーディネーターの資格を取得したのはアシスタント時代です。いつかは独立したいと考えていたため、これまでの経験の証として、まず3級の取得を目指しました。
当時、食の文化や栄養面以外にテーブルコーディネート、フードスタイリングといった「食の見せ方」を学ぶことができる資格は珍しく、アシスタントとして培った見せ方のスキルを証明できる点も、フードコーディネーターの資格にチャレンジした理由の1つです。
フードコーディネーター合格に向けた勉強方法
3級の勉強方法
3級は主にテキストから出題されるので、しっかりとテキストを読み込み、知らなかった用語の意味を調べて暗記するなどの対策で合格することができました。
独学でチャレンジしたため、仕事と並行してテキストの内容をノートにまとめ、移動時間でそのノートを見返すなど、スキマ時間の使い方も工夫していました。
3級のテキストでは、食文化や調理の基礎、食の見せ方、食のビジネスなど幅広い範囲が網羅されていますが、それぞれ分かりやすくコンパクトにまとめられているので、食に関心があれば初心者の方でも2~3カ月で合格を目指せる内容だと思います。
私自身、3級のテキストの8割が仕事上で学んできた内容だった一方、これまであまり触れたことのなかった損益分岐点売上高の計算など、ビジネス要素が強い内容も解説が分かりやすかったのを覚えています。
3級の内容はフードコーディネーターへの入り口となっているものの、とても実践に即しているので、これまで食に携わってきた方もキャリアの復習をしながらビジネス面の知識を身に付けることができるはずです。
▲久保さん作「アリゴ」
2級1次試験の勉強方法
2級の1次試験はマークシート試験※でしたので、3級と同様にテキストを熟読し、日本フードコーディネーター協会が実施している2級試験対策講座を受講しました。
※2021年度以降はCBT(コンピューター試験)へと移行しました。
また、テキストでの勉強以外にも日本経済新聞を読んだり、『エル・グルメ(ELLE gourmet)』や『料理王国』といった料理雑誌、食の情報サイトをチェックしたりと、自分の知識やセンスのアップデートも並行して行うように習慣づけました。
2級2次試験、1級の勉強方法
私が行った対策としては、企画書作成に関する本を1冊購入し、実際に何本も企画書を作ってみるというもので、企画書の書き方に慣れるという意味では有効だったと思っています。
また、協会の1級試験対策講座に参加したことも効果的でした。
講座内では企画の組み立て方や企画書の基本的な作り方を分かりやすく学ぶことができます。私も、独学では対策が難しい「クライアントに企画を効果的に伝えるにはどうしたらよいか」や「他人が企画書を読んでどう評価するか」という視点を得られました。
フリーランスのフードコーディネーターとして活動する際には、企画書を作成・提案して仕事を獲得する場合が多く、合格に向けて学んだことが今の活動を支えてくれているといっても過言ではありません。
勉強していて印象に残っていること
級が上がるにつれて実践的に
3級から勉強を始めて、2級、1級と級を重ねて取得するほど、実践に近い内容が問われているのが印象的でした。
3級は基礎的な内容が中心で、食に関する仕事をする上で必須の知識がまとめられているのですが、2級・1級は食に関するビジネスの即戦力となれるよう、専門的・応用的な考え方が求められます。
実際に仕事をする中で、フードコーディネーターの勉強で得た知識をもとに説得力のある提案ができるほか、名刺に資格名を記載できることでお客様からの信頼度も増したと思います。
自分の夢を見つけるための試験
私にとって、フードコーディネーターの試験は自分の夢を見つけるきっかけでもあったと感じています。
3級テキストの最終章ではフードコーディネーターの仕事例にも触れられていて、将来的なビジョンを描くことができましたし、学びを進めるにつれて「食が好き」という漠然とした感覚が「食の分野でこんなことをしたい!」という思いに具体化されていきました。
最終的には「自分で商品を作ってみたい」という夢に辿りつき、専門分野を選択して受験する2級2次試験・1級では「商品開発」の分野を選択しています。
後に大手企業の商品開発企画にも携わることができ、フードコーディネーターの試験を通して夢を見つけ、それを叶えることができたと思っています。
フードコーディネーターを目指す方にメッセージ
中でも、フードコーディネーターへの入り口となる3級は食の世界の広さを感じられ、初心者の方も楽しく学ぶことができる内容です。私のように、3級で「楽しい」「やってみたい」と思えることを見つければ、それが仕事に結びつく可能性も大いにあります。
私のように「食べることが好き」「料理が好き」など、食への関心・熱意や探求心をお持ちの方は、フードコーディネーターの資格を取得する第一歩をぜひ踏み出してみてください。