Vol.10 IT業界で活かせる資格とは!?~株式会社NTTデータ編~ 2020.11.05

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この企画では、日本の資格・検定編集部が社内の教育制度に資格・検定を活用している企業・団体に導入のきっかけやその目的をインタビュー。

今回は、IT業界最大手であり、就活生の人気企業ランキングでも毎年上位にランクインしている株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)で人財の開発を担当する長谷川智亮さん、橋本卓哉さん、田井かさねさんにお話を伺いました。

さらに記事後半では、「IT業界で必須の資格は?」「IT業界の資格トレンドは?」など、TAC株式会社の法人事業部で社員教育を提案・営業している増田航弥さんにお話していただきました。

ぜひ最後までご覧ください。 
NTTデータにインタビュー!
■NTTデータの事業内容について教えてください。
■社内の人財育成の方針について教えてください。
■実際にはどのような人財育成制度が用意されていますか?
■年次によってどのように資格・検定を活用しているか教えてください。
■DX銘柄2020に選定されている企業から見て、今注目している資格・検定や歓迎しているスキルはありますか?
■IT業界を志望している学生やIT系の資格取得を目指す方に一言メッセージをお願いします! 

資格のプロが語る!IT業界と資格の今!
■基本情報技術者試験は必須!?令和時代におけるIT業界と資格
■変革の激しいIT業界。近年のトレンド資格は?
■日進月歩のIT業界では自分を高め続ける意識が大切! 

NTTデータにインタビュー!

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長谷川 智亮 さん
株式会社NTTデータ 人事本部 人事統括部
人財開発担当 課長 
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橋本 卓哉 さん
株式会社NTTデータ 人事本部 人事統括部
人財開発担当 課長代理 
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田井 かさね さん
株式会社NTTデータ 人事本部 人事統括部
人財開発担当 主任 

NTTデータの事業内容について教えてください。

長谷川さん NTTデータは1988年(昭和63年)に現在のNTT株式会社から分社化し、誕生した企業です。『NTTデータグループは、情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する。』を企業理念とし、幅広い分野に向けたソフトウェアの開発を中心に業務を行っています。

具体的には、日本最大のカード決済システムであるCAFISをはじめとして、官公庁への技術提供、金融機関のシステム開発など、日本の基盤となるシステムの構築を行ってきました。 
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また、近年ではシステムの構築のみならず、デジタル技術を活用した社会課題の解決や、お客様のビジネスモデル変革をサポートすることに注力しています。

例えば、withコロナにおけるさまざまな社会課題に対し、デジタル技術を活用した医療業務支援として、AI画像診断技術がインドの新型コロナウイルス感染拡大対策の現場でも活用され、医師の診断をAIでサポートするとともに、診察・治療の優先順位決めといった管理業務の効率化に役立てられています。
※参照:AIを搭載した画像診断支援ソリューションがCOVID-19の診断支援に貢献/NTTデータニュースリリース

社内の人財育成の方針について教えてください。

長谷川さん IT業界はビジネスの変革が激しいことはもちろん、求められるスキルや知識の移り変わりも激しい業界です。

そのため、弊社では「人財=競争力の源泉」という考え方のもと、事業戦略の1つとしても人財の育成を挙げており、「ジェネラリティ(総合能力)とスペシャリティ(専門能力)を高いレベルで兼ね備えた人財」 をあるべき人物像として人財育成施策や制度改善を実施しています。 
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特にデジタル分野への専門能力の面では専門性が深い順に「デジタルコア人財」、「デジタル専門人財」、「デジタル活用人財」の3分類に分け、社員全員がデジタル分野のスキル・知識を活かして活躍することを掲げています。
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実際にはどのような人財育成制度が用意されていますか?

橋本さん 弊社では、キャリアの発達に応じて社員それぞれの成長をサポートしています。

新卒入社の場合、入社2年目の終わりまでにシステム・アプリの開発やデジタル技術全般について計8つの研修を行いつつ、業務の基礎を学びます(CDP※ベーシック)。

それ以降は徐々に自らの専門性を高めて12の人財タイプのいずれかでレベルアップを目指していく(プロフェッショナルCDP)というのが一般的な流れです。
※キャリアデベロップメントプログラムの略。個々の社員を中長期的な視点で支援していくためのしくみ。
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これに沿って社員それぞれが経験と努力を積むだけではなく、自らの知識を可視化することで周囲に認められ、業務経験を積むことができる…というサイクルを人財育成の理想としています。ここで言う知識の可視化をするための最たるツールが資格・検定というわけです。

年次によってどのように資格・検定を活用しているか教えてください。

田井さん 弊社では主にデジタル分野での専門能力の育成・可視化に資格・検定を活用しています。

まず、内定が決定した学生には10月に行われる内定式から、4月の基本情報技術者試験に向けて学習を始めてもらいます。

基本的にはテキストとeラーニング、随時チャレンジできるWebトレーニング(問題演習)を提供しており、内定者は各自のペースで学習することができます。

一通りの学習を終えた後、入社直後の春期試験を受験することになりますが、仮にこの試験で不合格だったとしても、文系出身者・理系出身者共にほとんどの新入社員が入社2年目までのCDPベーシック終了までに基本情報技術者試験に合格しています。

また少数ではありますが、既に基本情報技術者試験に合格している場合には応用情報技術者試験、こちらも合格している場合は情報処理技術者試験の高度試験へのチャレンジとなる場合もあります。 
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橋本さん 入社3年目以降は、各自が目指す人財タイプに向けて経験を積みつつ資格・検定の取得を目指します。

配属や担当によってそれぞれ求められるスキルが違うため、人事統括部ではIT系の資格・検定を中心に幅広く推奨していますが、社内で常に最新の知識・スキルを共有できるよう、その推奨資格は半年に一度見直すようにしています。 
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DX銘柄2020※に選定されている企業から見て、今注目している資格・検定や歓迎しているスキルはありますか?

※東京証券取引所に上場している企業の中から同取引所と経済産業省が共同で選定する企業。企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れていることなどが選定条件。
参照:「DX銘柄2020」「DX注目企業2020」を選定しました/経済産業省
長谷川さん DX※が急速に進んだことで、弊社でもデータサイエンティストの活躍がますます目立つようになりました。
※DX:デジタル化によってビジネスモデル自体を変え、企業や組織、文化、制度の変革とともに、人々の生活も大きく変化するという概念。「デジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略。経済産業省のDXレポートによればデジタル導入期の古いシステムが企業内で使い続けられることで、2025年以降には年間最大12兆円の経済損失が予想されるため、現在DXが急がれている。
参照:DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~/経済産業省


特に、データ分析でよく使用されるプログラム言語のPython(パイソン)については、新入社員が受験する基本情報技術者試験の選択問題の言語で追加されたことや、機械学習などの最新技術に使用されていることからも、今後より重要視される知識・スキルだと考えています。

また、クラウド技術の進化もスピードを増す中、ベンダー※側もこまめに自社製品にまつわる資格試験を見直しています。この流れも注視しつつ社内への受験喚起を行っています。
※販売業者のこと。ここでは特にコンピュータ、ソフトウェア、ネットワーク機器などのIT関連製品の販売業者を指す。 
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IT業界を志望している学生やIT系の資格取得を目指す方に一言メッセージをお願いします!

橋本さん 業務経験を積み重ねることで、知識・スキルの専門性を高めることはできますが、それを周囲へ客観的に認知してもらうためには資格・検定の取得が最も有効でしょう。

資格・検定の取得は自分の知識・スキルの証明でもありアピールにもなります。新たなチャンスを得るためにもぜひ資格・検定の取得にチャレンジしてはいかがでしょうか。  
田井さん 弊社は、役職や年次に関係なく意見を交換できる社風です。

若手社員が自分の意見を発信し、それを受け止めてくれる先輩方がいる環境であることは言うまでもないですが、そもそも若手社員たちが自分の意見を持てる・発信できる知識の土台と自信がある点は、弊社の大きな強みだと思っています。

資格や検定は知識を得ることだけではなく、自らの意見を持ち、発信するための自信にもつながるのではないでしょうか。特に若い世代の方には資格・検定の取得に取り組み、自信をもって新しい意見や新しい価値を広めてもらいたいです。  
長谷川さん コロナ禍をきっかけにビジネスの在り方も大きく変化しました。

デジタル技術を活用して新しいビジネスや新しい生活様式に対応したサービスなど、ニューノーマルの実現が急がれる中、今後はデジタル技術への知識・スキルにプラスして「個性」としての専門性を高めていくこともスキルアップの重要な切り口の1つになるのではないでしょうか。

例えば農業や医療、流通など、デジタル技術の知識・スキルと各分野への専門性を併せ持って注力することで、さらなる進化を見込めるビジネス・サービスは数多くあります。

大学での専攻や研究と同様に、資格・検定は各分野を体系的に学べる上、そこで得た専門性が一人ひとりの「個性」につながるのです。

これからDXがさまざまな分野に広がりを見せるにつれて、IT業界では「さらに深いデジタル技術の知識・スキル」と「個性」の両立が求められるはずです。ぜひIT系資格はもちろん、ご自身の「個性」を資格・検定で深めてください。  

資格のプロが語る!IT業界と資格の今!

お話してくれたのはこの方
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増田 航弥 さん
TAC株式会社
法人営業2部 

基本情報技術者試験は必須!?令和時代におけるIT業界と資格

IT業界では「この資格を持っていなければ、仕事はできません」といったものはありませんが(各企業・団体において商品やサービスを取り扱うために必要な民間資格などは除く)、資格を持っているということは「どの程度の知識があるのか」という共通認識を示すものであり、自身の知識レベルを客観的に証明することにつながります。

特にIT業界は専門的な用語や技術が多い業界でもあり、こういった共通認識を持っていること、そしてそれを証明できるということはとても大切です。

その上で、IT業界では情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験が非常に有用とされています。これらの試験では、ITスキル標準(ITSS)※に基づく知識レベルが明確に定義づけされているので、業務体系の構築がスムーズになるといえます。
※IT関連サービスの提供に必要な実務能力を明確化・体系化した指標

中でも基本情報技術者試験は、ITスキルのベースとなる知識を証明する資格であり、IT業界では、もはや必須の資格になっているといっても過言ではありません。

実際にここ数年、基本情報技術者試験の応募者数は増加傾向にあります。
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NTTデータ様をはじめとしたIT関連企業の多くでは、この基本情報技術者試験を入社後2年目~3年目までに合格できるようにする制度を設けています。

実際に基本情報技術者試験の受験者の実務経験年数を見てみると、実務経験4年未満までの方がボリュームゾーンとなっていることからも、この傾向が読み取れるでしょう。 
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出典:独立行政法人 情報処理推進機構発表の統計資料
※受験申込時のアンケートにて経験年数について無記入だった方を除く

さらにIT関連企業の中には、各種資格の取得を昇給や昇格の要件にするといったことで、さまざまな資格取得を積極的に推進し、人材強化につなげているケースも多くみられます。

変革の激しいIT業界。近年のトレンド資格は?

自身のキャリアアップ・スキルアップといった意味から、基本情報技術者試験だけでなく、積極的に応用情報技術者試験や高度区分の情報処理技術者試験の合格を目指す方、さらにその知識を広げるために民間資格(ベンダー資格※)の取得を目指す方も増えています。
※自社で開発した製品についてそのユーザーが適切な操作技術や管理技術を満たしていることを認証することを目的とした民間資格制度のこと。

これら以外にも、ベンダーニュートラルな資格であるCompTIAや、ディープラーニングG検定などが注目を集めています。TACでも個人向け受験指導や研修事業を行っていますが、多くのお引き合いをいただいています。

また、NTTデータ様のお話にもありましたように、DXが急速に進む中、新たなデジタル技術や知識に加えて、IT分野以外での知識の深さも求められています。

実際に携わる業務やシステム開発によっては、会計や税務、法務といった専門性の高い知識が求められることから、そういった資格や検定試験を受験する方や、中には企業経営に関する全般的な知識を習得するために、中小企業診断士企業経営アドバイザーといった資格の習得を目指す方もいらっしゃいます。

こうした動きを、企業側も推奨・支援する動きが活発化しており、今後トレンドになっていくものと思われます。

日進月歩のIT業界では自分を高め続ける意識が大切!

NTTデータ様をはじめとして、IT業界の会社の多くが社員の自己啓発をサポートするべく、eラーニングの実施や報奨金制度の導入など資格取得を促すさまざまな支援制度を整えています。

デジタル庁の設置に向けた動きがみられるなど、今後、政府や地方の行政IT化やDX対応が一気に進んでいくことでしょう。それゆえIT業界では、日々新しい技術に関する知識や技術のキャッチアップが必要であり、さらには業界知識だけでなく金融、会計、法律、税務から企業経営までとさまざまな分野の幅広い知識が必要とされます。

IT業界で働くことを目指される方は、その第一歩として、基本情報技術者試験や他分野の専門性の高い資格の取得を目指されてはいかがでしょうか。
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社名
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
代表者
代表取締役社長 本間 洋
設立
1988年(昭和63年)5月23日
従業員数
11,515名(単独/2020年3月末現在)
133,196名(グループ全体/2020年3月末現在) 
事業概要
システムインテグレーション事業
ネットワークシステムサービス事業
その他これらに関する一切の事業
コーポレートサイト
※取材日:2020年8月5日

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