税理士の需要は大きい!~税理士の将来性~ 2019.09.09

TAC
TAC講師コラム
みなさんこんにちは。TAC税理士講座で消費税法の講義を担当している、税理士の二宮良之と申します。

私の実家は自営業を営んでいます。四人兄弟の長男でもある私は、商売の跡継ぎを期待されそうなものなのですが、税理士となりました。そのきっかけとなったのは、父の言葉と、叔父の姿に影響を受けたからです。
もともと父親は私に、跡継ぎを強制するようなことはありませんでした。そのかわりというわけではないのでしょうが、小さい頃から言われ続けていたことがあります。それは「資格を取れ! 資格を取れ!」という言葉でした。

そんななか、家業の顧問税理士や公認会計士をしていた叔父の姿を見て「税理士ってそれなりに稼げて、お客様からも感謝されるなんて、いい商売だなぁ」と思いましてね。その後、大学生に入学してから、ダブルスクールで税理士の学習を始めたわけです。

そんな税理士のお仕事について、みなさんはどの程度ご存知でしょうか? 税理士は主に個人や企業の「税金」に関する様々なサポートをする職業です。ご承知の通り、国民には所得税や法人税、相続税といった様々な税金を納める義務があります。ところが、それら税金に関して定めた法律は非常に複雑です。そこで税理士が「税金のプロフェッショナル」として、個人や企業が各種の税金を円滑に納められるようサポートしていくというわけです。


■税理士の仕事(1):個人のサポート
税理士が特に活躍することになるのが、毎年2月~3月に行われる個人の確定申告です。
確定申告とは、個人で事業を営んでいる人や年金生活者の方が、一年間の収入や経費を計算して税務署に申告することをいいます。これにより納付すべき税金の額が確定しますので、たいへん重要な作業です。

ところが、こうした税務書類の作成や申告には、会計や税金についての専門知識が必要となってきます。それだけに、個人事業主の方などが自ら単独で税務書類の作成や申告を行うのは、とても難しいんですね。そこで私たちのような税理士が代わりとなって、税務書類の作成や申告を行っているというわけです。

また確定申告以外にも、相続が生じたときや、後継者へ事業を承継する際など、様々なシチュエーションで、そのニーズに応じて個人の納税をサポートしているんです。


■税理士の仕事(2):企業のサポート
また私たち税理士は個人だけでなく、企業のサポートも行います。たとえば企業と顧問契約を結ぶなどして、月に1回程度顧問先の企業を訪問し、会計や税務の処理や経営に関するアドバイスを行っています。

具体的には、企業の売上や経費が記された帳簿をチェックするとともに、会計上や税務上の問題点や無駄な経費に関する指摘、節税対策等についてアドバイスしていきます。これにより、企業の財政基盤を安定させ、さらなる成長へと繋げていくのです。
企業経営者にとって自社の懐具合を知り尽くしている税理士は、なくてはならない重要なパートナーといえます。

また、企業を直接支援し、その成長を間近で見ることができるというのは、私たち税理士にとってのやりがいにも繋がっていますね。何事にも代えられないやりがいといえるかもしれません。

いうまでもなく、税金とは国の重要な財源です。また、国民の納税義務がなくなることはありません。ですから、税理士業務の需要がなくなることはありません。税理士の行う業務の多くは、景気に左右されにくい仕事といえます。むしろ景気動向に伴い税制改正が行われると、税理士業務の需要は高まるといえます。

そういえば、近時のニュースなどで、「AIの進歩により、税理士業務のうち税務書類の作成といった単純作業の部分は、AIに取って代わられる」などと報じられていますね。気にしている方もおられるかもしれませんが、これは「AIが税理士業務の効率化をもたらす」ということを意味しているだけで、税理士の業務が不要になるという意味ではありません。

このため今後の税理士業務の中心は、AIでは対応できない顧客の事情やニーズに寄り添ったコンサルティングなど、より付加価値の高い業務へシフトしていくことでしょう。これはつまり、税理士のニーズがさらに高まるということを意味しています。
経営者の右腕として、経営コンサルティングの領域で力を発揮できる税理士は、いつの時代でも必要とされています。自身の経験やコミュニケーション能力を大いに活かすことができるので、これから税理士を目指されるという方は、こういった業務の専門性を高めていくことを考えるのもよいでしょう。

そうそう、私が税理士を目指した理由について、もう一つ付け加えるならば、「税理士という国家資格が、次のステップ(税理士以外の生き方)にもつながるように感じた」という部分もあったかと思います。税理士を目指す人たちを指導するということも、非常にやりがいのある仕事だと思っています。

税理士業界は今、求職者有利の売り手市場が続いています。このコラムをお読みになって、興味をお持ちになられたのであれば、ぜひ税理士試験にチャレンジしていただければと思います。なんといっても、税理士は「それなりに稼げて、お客様からも感謝されるいい商売」ですから。 
税理士の需要は大きい!~税理士の将来性~

二宮 良之(にのみや よしゆき) 氏 【プロフィール】
TAC税理士講座 講師
税理士

二宮良之 税理士事務所所長
TAC税理士講座 消費税法 講師
TAC税法実務講座 消費税法 講師

【略歴】
法政大学経営学部卒業
平成11年9月 TAC株式会社 入社(税理士講座消費税法科講師)
平成21年4月 税理士登録

現在まで引き続き、資格の学校TACにて消費税法科の講師、教材作成を担当。
主に上級者向けの講義を担当。また、税理士事務所での勤務を経て、東京都品川区にて独立開業

【執筆実績等】
消費税転嫁対策特別措置法セミナー、軽減税率制度セミナー、税率に関する経過措置セミナーなどのセミナー・研修など精力的に活動している。
「消費税課否判定要覧」共著(TAC出版)

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