受験の極意=スポーツの極意 ~当たり前のこと(基本)をコツコツと頭と体で理解する
皆さんこんにちは。TAC専任講師の笠松と申します。
今、このコラムをご覧の皆さんは、なんらかの資格を取得すること(宅建なら嬉しいですが…笑)に興味をお持ちなのでしょう。
そんな皆さんに、私が日々教室で受講生に伝えている言葉を送ります。
それは「資格試験とスポーツは同じ」というものです。
実は、3月にここ数年で一番ショックな出来事がありました。
それは、イチロー選手が、ついに引退をしてしまったことです。
彼が日本球団のオリックス・ブルーウェーブ(現・オリックス・バファローズ)でデビューした頃からのファンで、球場にも何度も足を運んでいたので、引退の一報を携帯のニュースで見たときには3秒ほど(ん、短い?)呆然としてしまいました。
日本での試合も見に行きたかったのですが、ちょうど講義とバッティング(野球だけに)していたので断念した経緯もあり、二重にショックでした。
私は伝説の名選手といわれる王選手や長嶋選手の現役時代を知らないため、イチロー選手をリアルタイムで見られたことは本当に幸運だったと思います。
さて、なぜここで唐突にイチロー選手の話をしたかというと、彼が残した数々の名言が、そのまま受験生必見の「試験合格の極意」に通じるからです。
私もスポーツをちょっぴりかじっていたので、体験からも言えることですが、「当たり前のことをこつこつ積み重ねることが、すごい所に行くための唯一の方法」という彼の言葉は言い得て妙で、個人的には一番ヒットしました(…野球だけに)。
当たり前のこと(=基本)、すごい所(=合格)、と置き換えればまさにこれは試験そのものですよね。
特に難易度の高い試験になればなるほど、難しい問題ができなければ合格できない、という考えに陥りがちですが、これは間違いです。
いわゆる応用問題も、各試験ごとに基本とされる知識をしっかり押さえていれば、正解できる問題がほとんどです。逆に本当に難しい問題は他の受験生もできませんから、合否に影響しないため無理に理解する必要はありません。
また、これもスポーツと資格の勉強との共通点ですが、「まず身体(=頭)を動かしてみること」もとても重要です。例えばスポーツのコーチの話を聞くと、なんとなくその場ではわかったような気になりますが、あくまでも「ような」だけです。実際に自分で身体を動かしてみることで、初めてコーチの言ったことがそれこそ「身体で理解」できます。
同じように、資格の勉強も、まず自分で頭を使って解いてみることで、講師の話やテキストの内容が腑に落ちてきますし、理解も早まってくるものです。
そして最後にもう1つ、イチロー氏珠玉の名言を贈ります。彼は引退会見で「つらいこと、しんどいことから逃げたいと思うのは当然だけど、エネルギーのあるうちにそこに立ち向かっていくことは、人としてとても重要なこと」と語っています。
資格の勉強も、確かに楽なことばかりではありません。
ですが、そこに立ち向かっていくことで得られる経験は、試験の合格不合格を問わず、その後の仕事や生活において大きな財産となることでしょう。
当コラムが、来季以降(宅建を含めた)資格試験にチャレンジされる皆さんの参考となれば幸いです。
講師プロフィール
笠松 信之(かさまつ のぶゆき)氏
TAC宅地建物取引士講座専任講師
学生時代より、小学校~高校生への受験指導および資格学校での宅建受験指導に携わる。「相手に与える満足感は自分の満足感に繋がる」というモットーが、様々な年代の方に対する指導の経験から、「誰にでもわかりやすい講義」への果てのない努力となり、「熱意あふれる講師」として、受講生から大きな信頼を得ている。
TAC宅地建物取引士講座でも多くのコース・クラスを担当しているが、2015年から始まったWeb専用コースの「スマートWeb本科生」は、通信だからこそ「無駄なく効率的に学習」することを目指して、カリキュラム・教材の開発から携わった。
現在は、宅地建物取引士講座だけでなく、不動産鑑定士講座、マンション管理士・管理業務主任者講座、賃貸不動産経営管理士講座などの講義も担当する「不動産」資格講座の人気講師である。