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新・国家資格の賃貸不動産経営管理士はどう活かせる?メリットや今後のニーズについて有名企業を直撃!

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新・国家資格の賃貸不動産経営管理士はどう活かせる?メリットや今後のニーズについて有名企業を直撃!

賃貸不動産経営管理士の資格を社内で推奨している積村ビル管理株式会社(以下、積村ビル管理)から2名の方に、実際の勉強方法や賃貸不動産経営管理士の資格を取得するメリット、業務で役立っている点などについてお話を伺いました。

賃貸不動産経営管理士とは?

賃貸不動産経営管理士は、オーナーから受託した不動産の管理・運営を行う「賃貸不動産管理を専門とする唯一の国家資格」です。

主に不動産オーナーに対して、入居者募集の提案や入居してからの対応、退去時の原状回復、敷金の返還、賃貸住宅経営における改善の提案や長期修繕計画の策定実施など、オーナーの財産である賃貸不動産の価値を維持・向上する役割を担います。

2021年の賃貸住宅管理業法の施行に際して、国土交通大臣の登録を受けた賃貸住宅管理業者にはその事務所ごとに1名以上の「業務管理者」の設置が義務付けられており、賃貸不動産経営管理士は「業務管理者」となるための要件の1つに定められました。

管理受託契約締結前の重要事項説明など、賃貸不動産経営管理士によって行われることが推奨されている業務もあり、不動産業界でニーズが高まっています。

お話を伺った方のプロフィール

関原 大介さん
積村ビル管理株式会社
第1賃貸管理事業部 部長代理

二村 周一郎さん
積村ビル管理株式会社
第1賃貸管理事業部 次長


Q.積村ビル管理はどのような企業ですか?


積村ビル管理は1985年に愛知県名古屋市で創業した企業です。「快適な空間作りを通して人を育て、街に活気を生み出す」という想いのもと、創業当時から不動産管理業を中心として、現在ではリノベーション事業や高齢者向け賃貸事業、建物の清掃事業まで幅広いサービスを提供しています。

創業当時、世間ではまだ「不動産管理」という業種への認知度や理解度が低く、不動産はオーナー様ご自身が管理・運用することが一般的でした。

積村ビル管理では、そういった状況の中でオーナー様のサポートを行う「不動産の管理・運用を行う専門家」の必要性を感じ、いち早く不動産管理業に着手したという歴史があります。

現在、管理・運用を行っている不動産は、賃貸アパート・マンションに加え分譲マンションやテナントビル、商業施設など、規模の大小を問いません。それぞれの不動産はオーナー様の大切な資産であり、きめ細かいサービスを通してそれらを守ること、そして価値を高めていくことが私たちの重要なミッションです。


Q.不動産管理業とは具体的にどのような業務ですか?


不動産管理業とは、オーナー様に代わって不動産の管理・運用を行う業務です。

具体的には、建物の状態の分析や修繕・付加価値向上に向けた計画の立案、入居者様の募集や入居後の家賃管理、トラブル対応、退去時の管理など、現場で求められるさまざまな業務を不動産管理業者が担います。

さらに積村ビル管理では、日ごろからこまめな設備点検を行うことで不測の事態から不動産やオーナー様・入居者様を守っているほか、万が一の設備故障にも電気工事士やビル設備管理技能士などの資格を持つ社員と連携して速やかに対応しています。また、不動産の状況によってはリフォーム・リノベーションの専門部署と協力して不動産の資産価値向上を図るなど、オーナー様の多様なニーズに応えています。

Q.賃貸不動産経営管理士を取得したきっかけを教えてください。


私は賃貸不動産経営管理士の前身資格が創設されてすぐに資格を取得しました。

資格の創設当初から社内で取得が推奨されていたこともあって、私を含めて20名近くの社員が資格を取得しました。今となってはそこで得た知識が業務にあたる上での頑丈な基礎となっていたのだと思っています。

その後、徐々に不動産管理業の認知やニーズが広がりはじめ、2021年には賃貸不動産経営管理士が国家資格になったということで、当時資格を取得した仲間内でも大変喜ばしく感じました。


私は国家資格になる前に賃貸不動産経営管理士の資格を取得しました。

他社では賃貸住宅管理業法施行の際に義務化された業務管理者の設置要件※に対して、業務管理者の人数が足りていないという声も聞かれていますが、弊社では80名近い賃貸不動産経営管理士が在籍しています。
※国土交通大臣の登録を受けた賃貸住宅管理業者は、その事務所ごとに1名以上の業務管理者の設置が義務付けられています

法律の施行による賃貸不動産経営管理士のニーズの高まりを感じると共に、社員の学ぶ姿勢や資格取得に積極的な弊社の社風を誇らしく思いました。


Q.賃貸不動産経営管理士試験に向けてどのような勉強をしましたか?


私が賃貸不動産経営管理士試験を受験したときには、賃貸不動産経営管理士協議会発行の書籍を読み込んだり、これまでの業務経験や経験した事例と書籍の内容を比較したりして勉強に取り組みました。

当時はまだ賃貸不動産経営管理士試験に対応した教材が少なく、民法の分野だったら不動産に関する民法を宅建士の参考書で勉強したり、社会情勢へのアンテナを張ったりと、書籍にプラスアルファで勉強を進めたことで理解度を高められたように思います。


Q.賃貸不動産経営管理士と宅建士の違いはどこにありますか?


賃貸不動産経営管理士と宅建士では、そもそもの業務範囲や携わることができる業務などが異なりますが、私たちとしては「宅建士=点」、「賃貸不動産経営管理士=線」だと考えています。

▼賃貸不動産経営管理士と宅建士の違い(クリックで拡大)

※1 設置が義務付けられている「業務管理者」の要件の1つとして賃貸不動産経営管理士が定められています
※2 業務管理者についての詳細はこちら


宅建士は不動産の売買や賃貸アパート・マンションへの入居までの対応など、オーナー様や入居者様と一時的な「点」の関わりとなることがほとんどですが、賃貸不動産経営管理士はオーナー様と長期的なパートナーとして「線」の関係を築く必要があります。

現在の不動産業界では、宅建士の業務が重要視される傾向にありますが、フロービジネスからストックビジネスに転換している昨今の状況を鑑みると、「今ある不動産をどのように活かすか」「不動産の資産価値を高めるためにどうするべきか」をオーナー様と寄り添いながら提案する賃貸不動産経営管理士のニーズが広がりを見せていくのではないかと考えています。

COLUMN:賃貸不動産経営管理士の難易度は?

賃貸住宅管理業法が可決成立した2020年以降、賃貸不動産経営管理士の合格率は30%前後となっています。

▼賃貸不動産経営管理士試験 合格率の変遷

不動産系の国家資格や不動産管理・建設・設備に関する国家資格の多くが合格率10~20%と高難易度なことを鑑みると、合格率30%の賃貸不動産経営管理士は比較的取得しやすい難易度の資格といえるでしょう。

▼2021年度 不動産や不動産管理、建設・設備に関する国家資格の合格率(クリックで拡大)


Q.賃貸不動産経営管理士の資格はどのような点で役立っていますか?


賃貸不動産経営管理士の試験範囲では不動産管理業務で求められる知識が網羅されており、学んだ知識が業務を行う際の土台になっています。

時代によって不動産管理業を巡る情勢が変化しても、賃貸不動産経営管理士の資格取得を通して基本的な部分を学んでいるので新しい知識や変化を吸収しやすいように思います。

また、不動産管理においては1つの事例でも対処方法が多様に存在し、不動産のオーナー様、入居者様、不動産管理会社、修繕業者など、さまざまな視点や事情が複雑に絡み合っていることも多くあります。

そういった際、賃貸不動産経営管理士で学んだことを思い返し、基本に立ち返って対処の方針を決定できる点で資格が役立っています。


資産形成や不動産管理への意識が高いオーナー様では、ご自身が賃貸不動産経営管理士の資格を取得したという例をはじめ、近年ではオーナー様が意欲的に不動産管理の知識を身に付ける方が多いように感じています。

そんな中、オーナー様に対して根拠を持って提案・説明ができるのは、賃貸不動産経営管理士の資格取得を通して習得した知識のおかげです。

また、人材育成の面でも、知識豊富なオーナー様と同じ目線でかつ共通認識を持った上で対話できる専門家を育てるには、実際の業務で経験を積みつつ、賃貸不動産経営管理士の取得を目指すのが最も近道なのではないでしょうか。


Q.国家資格化でオーナー様の反応や業務に変化はありましたか?


賃貸不動産経営管理士が国家資格となって、徐々にオーナー様から「賃貸不動産経営管理士=不動産管理の専門家」として認識されるようになったと感じます。私たち資格取得者もより自信と責任感が湧き、背筋が伸びるような思いです。

特に「不動産管理業」は「不動産仲介業」や「不動産売買業」よりも認知度が低く、業界内でもこれまでルールや規則が明文化されていなかったこともあって、一部では悪質な企業が存在したり、管理の質にばらつきがあったりといった課題が存在しました。

賃貸住宅管理業法の施行で業務管理者の設置義務が定められたことにより、質の悪い企業が淘汰され、不動産管理業界全体が活性化されていくのではないかと予想しています。積村ビル管理はそのような中でも、多くのオーナー様に選ばれる企業であるよう邁進していく所存です。


Q.賃貸不動産経営管理士を受験するメリットを教えてください。


不動産管理業は、これから時代が移り変わっても無くなることのない業務だと思います。そこでプロとして従事するために、今や賃貸不動産経営管理士は必須の資格です。

これから、何か資格を活かして活躍したいと考える方や不動産業界で活躍したいと考える方にとって、賃貸不動産経営管理士のニーズの高さや抜群の安定感は大きなメリットではないでしょうか。


賃貸不動産経営管理士の資格を取得する最大のメリットは、オーナー様が安心してご自身の不動産を託すことができる点だと思います。

不動産の管理・運用はオーナー様の資産を預かる業務である上、動く金額も決して小さくはありません。そのため、「その問題を改善するためにどんな改修をしたらいいのか」「法律を基に、入居者への対応でできること・できないことは何か」など、しっかりと根拠のある提案をしてご納得いただく必要があり、それがオーナー様の安心感にもつながります。

前述したとおり、不動産管理は長期的にオーナー様のサポートを行う業務であって、信頼関係を築くことが何よりも大切です。

賃貸不動産経営管理士の資格取得で「不動産管理の専門家」として確立された知識を持っていること、そして国家資格という形でその知識を証明できることは大きな強みですし、資格取得のメリットだと思います。ぜひ、より多くの方に賃貸不動産経営管理士を志してもらいたいです。

(取材日:2022年7月21日)

賃貸不動産経営管理士 試験情報

2023年度 試験日程

試験日:2023年11月19日(日)
申込期間:2023年8月1日(火)~9月28日(木)

受験料

12,000円

受験資格

どなたでも受験できます。
※試験合格後、資格登録を行うには別途登録要件が必要です。

試験方法

筆記試験(四肢択一)

受験者数

資格取得者のニーズ向上や賃貸住宅管理業法が可決成立したことで、2020年以降は受験者数が増加しています。

▼賃貸不動産経営管理士試験 受験者数の変遷


⇒賃貸不動産経営管理士の公式サイトはこちら

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