Vol.3 美術検定 2016.09.16

インタビュー
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この企画では、読者のみなさまに代わって日本の資格・検定編集部が資格・検定試験の運営団体にインタビューを行い、その魅力をお伝えしていきます!
Vol.3では、「美術検定」を主催する株式会社美術出版社を取材しました。

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※応募期間は終了しました。
最大5時間待ち。これって何の行列だか、
ご存知でしょうか。

某テーマパークの人気アトラクション、今流行りのパンケーキ屋さん...ではないんです。
実は、東京都美術館で2016年4月22日から5月24日まで開催されていた若冲展を観覧するための行列だったのです。他にも、フェルメール、レンブラント、ルノワール、モネ....有名な芸術家の作品を見るために数時間待ち、という光景もめずらしくありません。美術館の来館者数は年々増加しています。

このように、とても関心が高まっている美術ですが、みなさんはどのように美術鑑賞していますか。なんとなく作品をみて、雰囲気を楽しんでいた人が少なくないのでは?
もちろんそれも美術の楽しみ方の一つではありますが、美術の歴史や作品の背景を知ることでその奥深さを感じることができ、何倍も作品を楽しむことができるのです。

とはいうものの、美術の知識ってどうやって学べばよいのか...この問題を解決してくれるのが「美術検定」です。

美術検定とはどんな検定なのか、その魅力や美術への熱い想いを、美術検定を主催している株式会社美術出版社の高橋紀子さんにインタビュー行いました!
Q1 美術検定ってどんな検定ですか?
Q2 美術は敷居が高いそう...なんて感じている人も多いと思いますが、実際のところは?
Q3 どんなきっかけで美術検定を受験している人が多いですか?
Q4 はじめて受験する場合、どの級がおススメですか?
Q5 おススメの学習方法を教えてください。
Q6 美術検定の普及のためにどんな活動をしていますか?

Q1 美術検定ってどんな検定ですか?

美術検定は、歴史や名作、美術鑑賞など、美術に関する幅広い知識や情報を通じて「鑑賞力」を育むことを目的とした検定試験です。よく、作品を制作してその技術力を測るものだと勘違いされがちですが、「つくる」のではなく、美術の知識を活かした「鑑賞力」に重点をおいている検定です。幅広いジャンルから問題が出題されますので、まんべんなく美術に関する知識を学ぶことができるでしょう。

Q2 美術は敷居が高いそう...なんて感じている人も多いと思いますが、実際のところは?

美術作品を制作するのは特別な才能を持った芸術家ですが、作品の価値を決めるのは作品を鑑賞する人です。美術作品の評価は、もちろん作者の才能によるところも大きいですが、制作された時代の画法・技術や生活・社会背景が色濃く反映され、その評価は鑑賞者たちの価値観によって決まるのです。

例えば、モネやルノワールといった印象派の画家は、日本でも人気がありますよね。その印象派の特長の一つである柔らかな色合いが生まれたのは、持ち運びのできるチューブの絵の具が普及しはじめ、風景など描く対象を目の前に、自然の光を肌で感じながら戸外で制作できるようになったからです。チューブの絵具は19世紀に発明されたもので、それまでの絵具は外に持ち出せず、画家は外で簡単にスケッチだけして、屋内で絵画を制作していました。印象派の、みえたまま表現するという方法は、当時としては大変めずらしいものだったのです。そのため、彼らが生きていた時代での印象派の画家の評価は、現在ほど高くありませんでした。
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美術の世界では、生きている間は無名でも、死後に評価された芸術家が多くいます。若冲展で話題となった伊藤若冲も、ほんの十数年前まではこれほどの人気ではありませんでした。

このように、美術の評価は、作者ではなく鑑賞する人の価値観で決まるところがあります。いまはまだ奇抜だと感じてしまう現代アートや、もしかするとマンガやアニメも、将来は立派な美術になっているかもしれません。

だからこそ、私たち鑑賞者が、時代背景を読み解き、そして作者の意思を感じ取る「鑑賞力」を身につけて、美術に価値を生み出し育んでいくということも、後世の人々に美術を伝えていく上で重要だと思っています。

美術検定を通じて、美術の情報という引き出しを多く持ち、作品への洞察力を深め、そして美術から得た感動を多くの人に伝えていく「成熟した美術鑑賞者」を一人でも多く増やしていけたらと思います。

Q3 どんなきっかけで美術検定を受験している人が多いですか?

10代~シニア世代まで幅広い方が受験していますが、もともと美術を好きな人が、さらに知識をふかめるために受験されるケースや、生涯学習の一環として受験されることが多いです。美術検定の受験をきっかけに、美術館やアートイベントでのボランティア活動をはじめ、美術に関する活動を積極的に始める方もいらっしゃいますよ。

もちろん、学芸員など美術関連のお仕事を目指している方やされている方も、スキルアッブやキャリアアッブのために受験されています。

美術教育の一環として美術検定を取り入れている学校もあります。学校で美術の授業をいうと、やはり制作活動がメインとなることが多いので、美術に関する知識や歴史を学習するツールとして検定が利用されています。

就活でも有効で、履歴書に美術検定取得と書くことで、面接で話題が広がり、自身の教養をアビールできた、という声も伺っています。

もちろんビジネスや社交の場でも、美術検定を通じて得た知識や情報は、会話の引き出しの一つとなり、より相手との距離を縮めることができるようです。

Q4 はじめて受験する場合、どの級がおススメですか?

美術鑑賞はたまにするけれど、美術の本を読んだりと今まで美術を体系的に勉強したことのない方には4級を、西洋・日本美術の代表的な作品やその時代背景がすぐに思い浮かぶ、という方には3級をおススメします。

頻繁に美術鑑賞をされる方や、美術の勉強をしたことがある方は2級にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

美術検定公式HP(http://www.bijutsukentei.jp/trial.html)に各級の模擬問題を掲載しているので、そちらも参考にしてみてください。

Q5 おススメの学習方法を教えてください。

美術初心者の方は、HP(http://www.bijutsukentei.jp/book.html)でご紹介している公式テキストで、作品や美術史などを学習し、問題集でしっかり演習をしましょう。公式テキスト・問題集以外にも、副読本や美術史などを扱う関連書籍もありますので、さらに深く美術を学びたいという方におススメです。

Q6 美術検定の普及のためにどんな活動をしていますか?

美術検定の取得者に、美術館で割引などが受けられる特典も提供しています。また、昨年株式会社美術出版社がカルチュア・コンビニエンス・クラブの傘下に入ったこともあり、蔦屋書店とコラボして美術検定に関するイベントを開催したりしています。公式HPや、ブログ、twitterにイベント情報を掲載していますので、興味のある方は、ぜひチェックしてくださいね!
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『TSUTAYA CLUB MAGAZINE vol.244』掲載の広告
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左 蔦屋書店内の美術検定コーナー
右 2016年9月7日に開催された美術検定イベント アートークライブ「ザ・美術検定」の様子

いかがでしたでしょうか。

美術鑑賞というと、既に人気が高く評価された作品を見ていた、という人がほとんどだと思います。

後世に受け継がれていく芸術を、今を生きる私たちが評価し育くんでいく、というと大それた感じもしますが、特別な才能をもっていない人でも芸術文化への貢献ができる手段が美術鑑賞なのではないでしょうか。

鑑賞するためには、もちろん個人の感性も大切ですが、作品を公平に評価するためには美術の基礎知識が欠かせません。美術検定を受験して、今年こそワンランク上の美術鑑賞を始めてみませんか?

公式サイト:http://www.bijutsukentei.jp/

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