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家電製品資格とは?エンジニア、アドバイザー、スマートマスターのどれを受ける?

資格・検定特集

家電製品資格とは?エンジニア、アドバイザー、スマートマスターのどれを受ける?
★この企画では、読者のみなさまに代わって日本の資格・検定編集部が資格・検定試験の運営団体にインタビューを行い、その魅力をお伝えしていきます!
今回は、「家電製品資格」を主催する一般財団法人 家電製品協会 認定センターを取材しました。

「家電製品資格」と聞くと、最近流行りの家電好きのための資格?と勘違いするかもしれませんが、実は、「家電のプロ」として消費者をしっかりとサポートできる人材であることを認定する由緒ある資格なのです。

今回は「家電製品資格」について、主催する一般財団法人家電製品協会 認定センターの森拓生センター長にお話を伺ってきました!

Q1 IoTと家電が創り出す新しいライフスタイルとは?

近年頻繁に取り上げられるIoT(インターネット・オブ・シングス)。
俗に「モノのインターネット」と呼ばれ、コンピュータなどの情報通信機器だけでなく、あらゆるものがインターネットを介してつながることをいいます。

しかし、一言にIoTといっても、曖昧でつかみどころがない技術、と感じる方も多いかと思いますので、実際に家電製品とIoTの関係について具体的な製品を例に説明してみましょう。

例えば、エアコンとブラインド、換気扇がIoTによって連携すると、どうなるでしょうか?
ある晴れた冬の日、外光を察知しブラインドが自動で調整され日光を取り込むことで室内の気温は上がります。すると、エアコンの温度も自動的に下がり、換気扇が空気の対流を調整することで、家の空間環境全体をマネジメントすることができます。

他には、冷蔵庫と電子レンジなどの調理家電が連携すると、冷蔵庫にある食材の種類やその賞味期限が分析され、調理機器が最適なメニューを提案し、そのレシピをダウンロードして自動的に調理までしてくれる、といったことが可能になるのです。

このように、以前までは単体でそれぞれの家電の役割を果たしていましたが、IoTによってそれぞれがつながって連携することで、家電の機能は「1+1」が2ではなく、3にも4にも増大するということです。

さらに、そこへ自家発電や蓄電によるエネルギーの効率的な管理が加わることで「スマートハウス」へと発展していきます。
そして「スマートハウス」の普及は、街づくりを変え、自動運転車といった移動手段もとりいれながら、いまとは違う全く新しいライフスタイルを創りあげていくことが想定されています。

このような話は、まだ少し未来のことに聞こえますが、既に「スマートハウス」の導入は始まっており、自動運転技術も検証段階に入っています。

我々は、社会そしてライフスタイルが大きな転換期を迎えようとしている現実にきちんと向き合い、また消費者を適正に導くことができるスペシャリストを育てていかなければなりません。

Q2 家電製品資格とは、どんな資格試験ですか?

家電製品資格は、現在、家電製品エンジニア、家電製品アドバイザー並びにスマートマスターの3つの資格制度があります。

・家電製品エンジニア

家電製品エンジニアは、戦後、家電製品の修理技術者の厳格化を目的に国家資格として誕生しました。現在は、家電の設置、セットアップ、トラブル対応のプロフェッショナルとして、お客様の家電ライフをエンジニアの立場から支援する方々のための資格となっています。
今後IoTが進みリモートメンテナンスなどが普及することも予想されますが、IoTのためのHANS(Home Area Network System)の構築やメンテナンス、あるいはスマートハウスの付加価値を構成する創エネ・蓄エネ機器、エアコンなどの高付加価値家電機器の設置や保守など「高度な知識と経験を保有する人材だからできる仕事」の担い手として、重要な役割を果たしていかなければなりません。

・家電製品アドバイザー

家電製品アドバイザーは、アナログからデジタルへの転換、そして家電リサイクル法の施行に伴う循環型社会への移行の際に、消費者をリードする人材を育てることを目的に誕生しました。消費者に対して、商品選択・使用方法・不具合対応・廃棄等について的確にリードする家電の販売・営業に携わる方々にとって不可欠の資格となっています。

・スマートマスター

スマートマスターはスマートハウスのプロフェッショナルとして、家の構造・性能に関する知識、家電製品から住宅設備、さらにはエネルギーマネジメントまで、消費者個々のニーズに合ったスマートハウスの構築を支援する資格です。
そもそもスマートハウスとは、HEMS(ヘムス/ホーム・エネルギー・マネージメント・システム)を活用することで「創エネ・蓄エネ・省エネによりエネルギー効率を追求する家」であると同時に、IoTやAI、ロボットなどの先進技術を駆使して「インテリジェント化された住まい」を指します。

スマートハウスはハイブリッドな事業ドメインとなっているため、全体像を横断的に見てビジネスを進めることができるよう、異業種間をつなぐ共通言語を学び、各業界のベーシックな知識が身につく資格となっています。

上記3つの資格制度に共通して言えることは、技術的進歩が早く、製品やサービスも日々新しいものが創出されているということです。変化のスピードが早いことから、資格(認定)要件は毎年書き換えられ、公式テキストの内容も毎年、大幅に改訂されています。

結果として、試験問題は毎回、新たな問題が出題されますので、過去問題だけの学習では資格取得は難しく、最新のテキストを学習しておく必要があります。
また、5年ごとの資格更新制度もあり、家電製品資格を維持するためには常に最新の情報に耳を傾けておかなければいけません。

Q3 家電製品資格の取得者の強みは何ですか?

家電製品資格は「実務に直結した資格」であり、資格を取得することで知識の幅と深さを実質的にアップすることができると同時に、お客様との間で「プロとしての販売員」であることを、自信をもって証明することができます。

たとえば、LED照明の販売をするような場合、省エネで長寿命などの特徴は今や多くのお客様が知るところであり、その程度の知識では、お客様から信頼を得るレベルには至りません。感動がないからです。
そのとき、「LEDは太陽光発電と逆の原理(電気を光に変換する半導体)を利用していること」や「機器が熱で熱くならないのは電気の多くが光に変換されているから」といった身近な事例まで説明できれば、お客様に安心感と信頼感を生み出すことになると思います。

Q4 家電製品資格の取得者はどうやったら見分けられますか?

家電製品資格の有資格者には、資格取得時に「認定証(プラスチックカード)」が交付されます。また、資格保有者であれば、任意で購入できる「認定証書(賞状形式)」、「認定ステッカー(店舗に掲示)」などを活用して、お客様に家電製品資格の有資格者が店舗にいること、または有資格者であることをアピールしています。

また、2016年度から導入されたスマートマスターについては、資格保有者が現在8,500人おります。“スマート化する住まいと暮らしのスペシャリスト『スマートマスター』”を消費者の皆さまにもっと知っていただくために、お客様に対して「スマートマスターのいる店・オフィス」をホームページ上に公開しています。
対象の店舗等では、のぼりを揚げるなどしてPRにも努めていますので、ぜひ注目してみてください。


いかがでしたでしょうか。

電気からエレクトロニクス、アナログからデジタル、そしてIoT、人工知能、ロボティクス。30年前には夢の世界の道具であったものが、科学技術の発展に伴い次々と実現していきます。

ありとあらゆるモノがつながる時代。つながらないと、はじまらない時代。
今までの私たちの生活からは簡単には想像しづらい世界がすぐそこまで迫っています。

楽しみな反面、不安もある社会の転換期ですが、頼れるパートナー「家電製品アドバイザー/家電製品エンジニア」そして「新制度・スマートマスター」と共に乗り越えて、新しいライフスタイルを満喫してみたいですね!

★家電製品資格の公式HPはこちらからどうぞ。


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