金メダリストはなぜ「二度寝」をスケジュールに入れるのか? 角田夏実流・罪悪感がわかない休み方
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「目標に向かって勉強を始めたけれど、ヤル気が続かない」「忙しくてついサボってしまい、自己嫌悪に陥る……」。 何かを継続しようとするとき、誰もがぶつかるこの壁。
柔道の世界選手権で3連覇を達成し、パリ五輪の頂点に立った角田 夏実さんでさえ、その悩みとは無縁ではない。
「継続って本当に難しいですよね」と苦笑いする彼女が、過酷なトレーニングや減量を乗り越え、努力を続けられた理由。それは、意外にも「完璧を目指さない」というマインドセットにあった。
【トップアスリートに学ぶ「強さ」の理由|柔道選手編】
現状を打破し、新たな道を選び取る「決断力」。異分野の技術を貪欲に取り入れ、自らをアップデートし続ける「探究心」。そして、不安を自信に変える徹底した「準備力」。日本柔道史上最年長となる31歳11カ月で五輪を制した角田 夏実の実践知は、年齢や環境を言い訳にせず成長を続けるための最強の教科書だ。彼女の思考プロセスから、その揺るぎない「強さの正体」を学ぶ。
1日練習できなくてもトータルで帳尻が合えばOK
アスリートといえば、雨の日も風の日も休まずトレーニングを続ける姿を想像するかもしれない。しかし、角田選手のアプローチはもっとしなやかだ。
「『毎日絶対にやる』と決めてしまうと、たった1日できないだけで心が折れてしまう。だから、最初からハードルは上げすぎないよう心掛けています。
『1週間でトータルこれだけできればOK』『1カ月で帳尻が合えばいい』。それくらい長いスパンで、柔軟に考えるようにしています」(角田 夏実さん。以下同)。
今日は身体が重い、ヤル気が出ない。そんなときも、無理に自分を奮い立たせるのではなく、潔く予定を変更するという。
「気持ちがのらないままやって怪我をするくらいなら、アプローチを変えます。練習は身体を動かすことだけではないので、動画を見て研究する『見取り稽古(※)』に切り替えてみる。そうやって違うアプローチで積み上げる日に変えていくんです」。
※人の技を見て学ぶ、武道の世界で古くから使われる言葉。
モチベーションは「ご褒美」で
長期的な目標に向かって走り続けるには、道中の「楽しみ」も欠かせない。角田選手にとって、それは試合後の温泉旅行だという。
「『試合が終わったら温泉に行く』と決めて、それをモチベーションに乗り切ります。直前に『絶対勝って行くぞ!』と気合を入れるために、あえて宿のグレードを上げることも(笑)」。
温泉旅行は心と身体を解きほぐす貴重な時間。
そんな『とびきりのご褒美』に加え、日々の長い道のりを走り抜けるために、彼女はもう1つの工夫を取り入れている。
単に自分にご褒美を与えるのではなく、ゲーム感覚で過程を楽しむのが大事だという。
「先を見すぎると、『1年後なんて遠すぎる……』と息切れしてしまいますよね。だから『今週頑張ったら日曜日はこれをご褒美にする』といったように、短いスパンで区切るんです。そうやってこまめに自分にご褒美を与え続けるのがコツですね」。
勉強に励んでいる皆さんなら、「この章が終わったら好きなケーキを買う」「模試を受けたら映画を見に行く」など、小さなゴールとご褒美をセットにするといいだろう。自分の機嫌を上手にとってあげることは、長く勉強を続けるための大切なコツなのかもしれない。
「何もしない時間」さえもスケジュールに組み込む
角田選手のタイムマネジメント術もじつにユニークだ。特に減量期や試合前の追い込み時期は、分刻みのスケジュールで動くという。
「朝起きてお風呂に入って、走って、練習して……と、隙間時間がないくらい予定を詰め込みます。忙しくしている方が余計なことを考えずに済むし、お腹が空いているのも忘れられるので(笑)」。
大好きな旅行の他にも、釣りやスキーなどいろんなアクティビティを楽しむ。
一方で、オフの日にはこんな一面も。
「『明日は昼まで布団から出ない』と決めたら、それもスケジュールとして組み入れます。目覚ましもかけずに寝て、起きても昼前なら、『まだ寝る時間だ』って二度寝する(笑)。
『ダラダラしてしまった』と後悔するのではなく、『ダラダラする予定を遂行した』と思えば、罪悪感もないですし、しっかりリフレッシュできます」。
「何もしない」をあえて予定に組み込むことで、心身をフルリセットする。このしなやかな切り替え術は、忙しい現代人にとっても大きなヒントになりそうだ。
完璧主義を手放し、適度な「ご褒美」と「休息」を味方につける。 この角田流メソッドこそが、長い道のりを乗り越え、合格を掴み取るための原動力になるはずだ。
【この記事の連載】
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文=SUGARBOY







