日常生活は数学にあふれている
こんにちは。鈴木伸介と申します。数学を仕事にしています。
「数学」という言葉を目にした途端にページを閉じようとした、そこのあなた!(笑)
そんなあなたに、今日はちょっとしたお話しをしたいと思います。
(もちろん、数学という言葉に「おおっ!来たか!」と思った方も大歓迎です)
ほとんどの方は、数学ってもう過去のことだと思っているのではないでしょうか?
あるいは、積極的に遠ざかっているという方も中にはいるかもしれません。
そんな方に悲しいお知らせです。我々は、数学の中で生活しています。
ただ、安心してください。無意識的ではあるにせよ、我々は日常ですでに数学を使っています。
たとえば、スーパーで買い物をする時、欲しいものを買い物カゴの中に入れながら、レジでだいたいいくらぐらい払うことになるのか、概算しているはずです。価格が税抜き表示だったら、そこに10%上乗せすれば、だいたいいくらになるのか、それは想定している食費の予算内で収まるかどうかを気にしながら、買い物をしているはずです。
家族でディ○○ーランドに行くとき、途中どの交通機関を使って、どのくらいの所要時間があるか概算します。乗り換えの時間も当然考慮しないといけないですし、想定外のことが起こったときのために少し余裕を持って行動するかもしれません。そこから、家を何時に出るかを決めています。さらには、朝準備にどれくらい時間がかかるから、何時に起きるか、そして、睡眠時間はどれぐらい欲しいから前の日は何時に寝るか、まで考えるでしょう。
あなたは、料理は好きですか。料理の場合は、時間的な段取りの他に、出来上がりの料理をビジュアルとしてイメージしながら目の前の調理を進めていきます。順序を考え、時間を確認しながら、完成のイメージに合うように実際の作業を行う。料理とは、これらを一度にやるという高度な行為といえるでしょう。
社内会議のために資料を作成するとき、予算と実績を比較し、何%達成したとか、あと何万円足らないので、今後どのような施策が必要か、日割りすると、一日あたり必要な売上はいくらか、チームで営業していれば、それぞれのメンバーに割り当てる予算をどう配分するか。
皆さんの生活や仕事の現場を思い返してください。このようなことはしょっちゅうではないでしょうか?
これらは全部、数学です。
かなり飛躍したように聞こえるかもしれません。ただこれらの行動は、数学でやることと本質的には同じです。そういった意味で、日常的な生活を送っている間、我々は数学をしているのです。
数学とは、「与えられた条件とすでに知られていることを論理的に組み合わせることで、設定された結論を導くための思考の行為」です。
ですので、数学と聞いて真っ先にイメージするような数字や計算といったものは、数学のほんの一部に過ぎません。極端な話、すべて言葉で書かれた数学もあるのです。
数学と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、そんなに堅苦しく考える必要はありません。もっと気楽に考えて構わないのです。だって、こんなに身近にあるのですから。
数学ともっと自然に係わることができれば、生活がより豊かなものになる気がしませんか?
そんなお手伝いをさせていただいています。
実は資格の学校TACで、新規に開講となった統計検定®(統計調査士)とビジネス数学検定の講師をさせていただいているのです(そのほか、実は中小企業診断士講座の講師でもあります)。このコラムをご覧になって、あらためて数学が気になりだしたあなた!ぜひ一度、その内容を見てみてください。きっと数学の面白さに一気に引き込まれるはずですよ。
講師プロフィール
鈴木 伸介(すずき しんすけ)氏
早稲田大学理工学部卒業。ハーモニービジョン株式会社代表取締役
医学部受験数学マンツーマン指導Focus代表講師。おとな数学オンラインサロン主宰。
中小企業診断士。統計調査士。
数学が苦手で2浪した大学受験生時代に自ら学ぶことの喜びを知り、教育の世界に進む。日常学習から難関大学受験指導まで、マンツーマンで数学を指導した生徒数はこれまで400人を超える。
現在、数学の成績が伸びない医学部受験生に独自のメソッドにより合格まで導く一方、社会人を対象に数学的思考を学ぶ活動も精力的に行う。各種メディア・SNS・イベント等を通して、数学に苦手意識を持つ人から数学ファンまで、多くのビジネスパーソンに幅広く数学の面白さや価値を伝えている。
自身初の著書『もう一度解いてみる入試数学』では、数学的思考とはどのようなものかを、実際の大学入試問題を題材に懇切丁寧に解説、「文系で数学を避けてきましたが、数学の面白さを初めて知りました!」といった感想が多数寄せられている。
TACの「ビジネス数学検定3級講座」「統計調査士講座」では立ち上げから中心的に携わり、教材作成から講義収録まで担当する。