マーケティング系、商業系の資格試験で良く出るLTVというキーワード
皆さんこんにちは。通販エキスパート協会事務局です。
当協会は文字通り「通販のエキスパート」を目指す方々に向けた資格「通販エキスパート検定」を実施しています。
今回はマーケティングやCRMの世界でよく使われる用語で有りながら実はその意味や計算方法が話者によってマチマチな「LTV」についてお話したいと思います。LTVはLife Time Valueという英語の頭文字をとったもので、生涯価値、顧客生涯価値と訳されます。このLTVという用語がよく使われるようになったのは、1回限りの取り引きではなく、顧客との継続的な取り引きから利益を得ようという考え方が浸透してきたからです。
こういった新たなLTV発想の新ビジネスがデジタルマーケティングやDXなどの進展でどんどん増えているのですが、書籍やサイトでLTVを解説しているものを読むと、LTVの定義や計算方法がマチマチなことに気づきます。
・書籍A
「LTVとは一人の顧客から得られる売上の合計のこと」
・書籍B
「ある顧客が企業と顧客関係を継続している期間中にもたらしてくれる利益の現時点での正味現在価値のこと」
・サイトC
「顧客生涯価値とは、顧客1人あるいは1社の顧客ライフサイクル全期間で、その顧客が企業にもたらした価値の総計のこと。顧客を獲得維持するためのコストと、顧客の購買額との差額が価値となる。」
いかがでしょうか?
顧客との長くお付き合いすることで収益を高めていく、という部分は共通していそうですが、もし実際にLTVを計算したとして上記3つの方法だと全部計算結果が違ってきますよね。
◯違いが生じる理由その1:生涯価値の価値とは売上か利益か?
→利益で計算するのが原則。
商品には原価があり、マーケティングにはコストがかかっている。
同じ売上でも、会社にもたらされる利益は顧客によって異なる。
◯違いが生じる理由その2:価値とは利益なら、売上から引くコストは?
→商品原価、マーケティングコスト(獲得コストと維持コスト)、
データベースなど情報システムコストなど。
このコストの範囲に関しては更に議論がある。
◯違いが生じる理由その3:正味現在価値という考え方をするか?
→今年入って来る1万円と、来年入ってくると予想している1万円、
さらに再来年入ってくると予想している1万円は同じ1万円として
計算すべきではない。未来になればなるほどその金額の評価は下げる
べき。という考え方。経営管理の世界では普通の考え方だが、マーケ
ティングの世界では無視されがち。
LTVはよく使われる割にはアバウトな使われ方をしているのがお分かりになったと思います。また近日中に続きを書きます。
一般社団法人通販エキスパート協会です。
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最近は、通販会社に限らず、多くの企業が「デジタル通販」とも言うべきオンラインでの販売、サービス提供(EC、サブスクリプション、D2Cなど)を行っています。
今後、通販の手法はますます一般化して行きます。すでに通販会社で働く方はもちろん、どのような会社で働こうか考え中の方にもオススメの資格です。
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事務、経理、人事