日本の資格・検定

投稿記事

資格試験に関する発明

SikaX

その他の記事 #試験 #特許 #発明 #資格

資格試験に関係する「発明」にはどんなものあるでしょう。


そんな疑問から、特許庁データベースJ-PLATPATで過去の特許出願を検索してみました。


すると次のような特許出願(発明)が見つかりました。


出願番号 :特願2006-329969

出願日  :平成18年11月7日

発明の名称:過去に出題された各種の資格試験の択一式問題の理解度を向上させ、弱点を克服させるeラーニングの方法。

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2008-116892/DD00D051A2C65322991DD3D66549B08D0094675D968998BCAE9597E4DC9ED1DF/11/ja


出願人は個人の方です。

発明の内容を読んでみましょう。


発明の課題を引用します。

「従来のeラーニング方法では、問題の回答者は選択肢の内容を十分吟味しなくても、各選択肢の文章を比較検討することで、選択肢の中から正解を類推できる場合がある。」


ふむふむ。


「そのため、いくら過去の資格試験に出された択一問題そのものを繰り返し回答しても、回答者にとっては、正確な知識が十分に習得できず、また、どの分野の知識が乏しいかなどを、必ずしも適切に分析したり認識できず、弱点を克服できない欠点を有している。」


なるほど、試験合格のために多くの過去問を解くことはセオリーですが、過去問の枠組みの中で「解ける気」になってしまい、実際の試験会場で過去問とのギャップに愕然とした経験は確かに私にもあります。


この発明はそんな課題を解決するために、1.記憶媒体、2.解析装置、3.表示装置、4.入力装置、からなるシステムを利用するようです。

その具体的手段は・・


「パソコンやサーバー上に、過去の資格試験の択一式問題を構成する個々の選択肢の文章、その文章の正誤、誤った箇所と正しい文章、その解説文などを選択肢データベースとして電子的に集積し、」

「その選択肢データベースから、選択肢をアトランダムに選択し、その選択肢の文章の正誤を問う質問文として、順次、パソコンやサーバーの端末の表示装置に表示させ、各選択肢の文章の正誤を電子的に回答させるとともに、」

「回答の正誤、質問とした選択肢の文章の正誤、質問文の誤った箇所と正しい文章、その解説文などを表示するもので、」

「順次表示される質問に回答することで、択一式の資格試験の過去の問題の理解度を向上させ、弱点を克服させる」


・・ううん、わかったようなわからないような。。。

択一問題の選択肢をバラバラに分解し、個別の選択肢として出題し、正誤の判断と解説を結びつけるという事でしょうか・・?

課題はよく理解できるのですが、この学習方法で択一過去問学習の弱点を解決できるかなあ。。。


なお、発明は特許出願から3年以内に特許庁に審査を依頼する「出願審査請求」という手続きを行う必要があります。この発明は残念ながら出願審査請求を行っていないため、特許庁の審査を受けずに取下げとなっておりました。


仮に特許庁の審査を受けていたら、特許になっていたのでしょうか。

審査結果を見てみたかったところです。


ちなみにこの特許明細書では、参考文献として「徹底分析管理栄養士国家試験問題集」という書籍が引用されています。

ひょっとすると発明者は管理栄養士の勉強をされていた受験生だったのかもしれませんね。


弁理士です。
令和5年に資格60件目(複数級を除く)を更新しました。

職業:
専門職(法務)
保持資格:
弁理士 特定侵害訴訟代理付記 行政書士 知的財産管理技能士1級(特許) 知的財産管理技能士1級(ブランド) 知的財産管理技能士1級(コンテンツ) コンプライアンス検定上級 コンプライアンス・オフィサー 宅地建物取引士 賃貸不動産管理士 マンション管理士 管理業務主任者 貸金業務取扱主任者 競売不動産取扱主任者 ビジネス能力検定1級 全経簿記1級 農業簿記1級 建設業経理士1級 経理財務スキル検定Aレベル 等(未登録含む)
勉強中の資格:
税理士
取りたい資格:
税理士

フォローする