東急不動産リート・マネジメントも活用!漢検協会主催の試験でビジネスの文章力を高める
インタビュー この記事をあとで読む
今回は、公益財団法人 日本漢字能力検定協会主催の文章読解・作成能力テスト(文章力テスト)を2019年度から社員教育に導入した東急不動産リート・マネジメント株式会社(以下、東急不動産リート・マネジメント)で社内教育を担当する新美麗香さんにお話を伺いました。
文章読解・作成能力テスト(文章力テスト)とは
文章読解・作成能力テスト(以下、文章力テスト)は、文章読解・作成能力検定の企業・団体向けアセスメントツールです。文章でのコミュニケーション力や論理的思考力を高めることを目的としていて、資格認定はありませんが、任意の日程で実施できます。各級のレベルや出題形式は文章読解・作成能力検定と同様です。
文章読解・作成能力検定(文章検)とは
文章力テストと同様、文章でのコミュニケーション力や論理的思考力を高めることを目的とした資格認定を行う検定試験です。主に一般・学生を対象とした団体・個人向け一斉試験です。
文章読解・作成能力検定(文章検)の詳細はこちら
導入の目的
若手社員を対象にメールのみでのコミュニケーションでも「万人が理解できる文章」を書けるスキルを身に付ける
実際の効果
・分かりやすい文章を意識して書く社員が増えた
・文章を書くときや話すときに必要な相手に配慮した表現方法を学ぶことができた
東急不動産リート・マネジメントの事業内容について教えてください。
弊社は東急不動産ホールディングスの3つのREIT※ を運用する資産運用会社です。
グループ全体としては、不動産事業をメインとして都市開発や住宅事業、ホテル・リゾート施設の経営などを行い、人々のライフスタイルを創造・提案しています。
不動産事業というと、土地や建物といった不動産の開発、もしくは販売を思い浮かべる方が多いですね。しかし、弊社は2017年4月に3つの投資法人を運用する「資産運用会社」として新しくスタートいたしました。
東急不動産ホールディングスが培ってきたノウハウや人材を最大限に活用しながら、不動産マネジメントにおけるプロフェッショナル集団として、クオリティの高い不動産投資運用サービスを提供しています。投資主価値の最大化を図るとともに、全てのステークホルダーから信任を得るために全力を尽くしております。
文章力テストを導入したきっかけや導入までの流れを教えてください。
きっかけは、ある部長から出た「若手社員の文章力をもっと向上させたい」という言葉でした。
不動産運用の業務に文章力はあまり必要ないのではと感じた方もいるかもしれませんが、私たちの業務は1人で完結することができません。関係者や協力してくれる外部の方へメールで依頼や指示をすることが多くあります。また、メールの相手が1人とは限らず、業務によっては一度に複数の方へ依頼するのでメールのみの連絡になることも多いです。
連絡を交わす担当者とは面識がない場合もあり、立場や職種・業種の違う方、パーソナリティが分からない方にメールだけで正確に依頼事項を伝えるために「万人が理解できる文章」を書くことが求められるのです。
先ほどの部長の一言で、日々このような業務が発生している弊社において文章力が大切であることを改めて認識しました。そこで、社員の文章力の向上を図ろうと実際のビジネスの場で役立つ研修を探しているときに出会ったのが「文章力テスト」でした。
テストで社員の実力を可視化できる点や日本漢字能力検定協会の方が講師になって講座を実施していただける点が魅力的で、今年度の社内研修として導入を決めました。
文章力テストを活用した研修について教えてください。
弊社で複数行っている社内研修メニューの1つとして文章力の向上研修を用意し、マネジメント層以下の社員を任意で募集したところ、社員の半数以上の約50人が参加しました。
研修は事前テストと講座、eラーニング、確認テストで構成されています。流れとしては、まず参加者に事前告知をせずに文章力テスト準2級を実施し、勉強前の実力を点数という形で明らかにしました。次に講師をお呼びして2時間の講座を開いてから、約4カ月のeラーニング講座の受講期間を設け、期間終了後には、成果の確認として最も高いレベルの文章力テスト2級を受けます。
現在は個人学習として参加者各自でeラーニング講座を受講している段階です。最初にテストを受けたことで自分の文章力に足りない部分があると気付き、よりその後の研修に身が入っているようです。
導入した eラーニング講座の印象を教えてください。
eラーニング講座は、講師の解説を聞きながら理論に基づいた方法で自己採点ができるように作られているため、徹底的に文章を書く力が鍛えられると感じました。
また、自分の都合に合わせて受講できる点も魅力の1つでしょう。合計約5時間30分の内容なのですが、もし実際に参加者を同じ会場に集めて講座を実施しようとすると、なかなか時間を作ることができません。各自の隙間時間で学習を進められるのが、忙しい社会人にとても合っていると思います。
人事担当者の目線ではどのような効果を期待していますか?
文章力テストが自分の書く文章とそれを受け取る読み手について意識する1つのきっかけになることを期待しています。
文章力を向上させることができれば、メールの文章作成や送信後に電話をして相手と認識の確認をしていた時間を減らすことができます。また、メールの文章から相手の意図を正しく読み取ることで、メールでの連絡回数を少なくすることも可能です。
そうすると、削減できた時間で他の業務を進められるようになり、他の依頼に対応するスピードが上がることも考えられるでしょう。また、残業時間の削減にもつながるかもしれません。
文章力の向上が社員の成長につながり、クオリティの高い不動産投資運用サービスを提供することによって投資主価値の最大化を図りたいと思います。
文章力テストのおススメポイントを教えてください。
テストを受ける最大のメリットは、文章の書き方を学ぶだけではなく、相手を気遣う伝え方を客観的に把握できることだと思います。
最近はTwitterやInstagram、LINEなどのコミュニケーションツールの普及により一方的に情報を伝えるシーンが増えています。相手が何をしていてもいつでもどこからでも連絡ができるので、連絡を受け取った人も自分の好きなタイミングで返信しているようです。こういったツールが一般化したことで、相手の都合に配慮して伝える機会が減っているのではないでしょうか。
日常だけならばそれでも良いのですが、これがビジネスの場でも起きていると感じています。実際に、「今、お時間よろしいですか」というような相手の都合に配慮した伝え方を会話の中で使えない人は増えているようです。
相手のことを考えて伝えるには訓練する機会が必要であり、訓練の成果を可視化できるのが文章力テストなのではないでしょうか。
これからの展望について教えてください。
現時点(2019年11月末時点)ではまだ一部の研修プログラムが終了していないのですが、すでに「自分が送った過去のメールで、どこに問題があって相手に伝わらなかったのか分かった」という参加者の感想もあり、導入の手ごたえを感じています。
今後は挙手制ではなく、マネジメント層以下の社員にこの研修を導入することも検討しているので、文章力テストで身に付けたスキルを土台に業務を進めていく社員が増えていくでしょう。ゆくゆくはマネジメント層も含めた全社員に研修が導入されることになるかもしれません。
全ての社員が一定レベル以上の文章力を持つことで、社内外において報告・連絡・相談がスムーズに進むようになることを期待しています。
世の中には1人だけで仕事をしている人はいません。お客様や取引先、上司、同僚、後輩など仕事には必ず自分以外の多くの人が関わっています。だからこそ、相手のことを考えて理解しやすい文章を作るのはもちろん、先ほど挙げた「今、お時間よろしいですか」のように相手を気遣う表現を使うことが重要になるのです。
これからも、「万人が理解できる文章作り」や「相手を気遣って言葉を伝える力」が身に付く文章力テストの導入で、よりスムーズなコミュニケーションへの第一歩を踏み出すサポートをしていきたいです。
社名
東急不動産リート・マネジメント株式会社
代表者
代表取締役 遠又寛行
従業員数
91名(2019年4月1日現在)
事業概要
投資運用業
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