福祉住環境コーディネーターとは?試験概要やメリット、仕事での活かし方をご紹介!
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INDEX
■福祉住環境コーディネーター検定試験とは
■試験情報
■福祉住環境コーディネーターのなり方
■資格の活かし方
■おススメのWライセンス
■将来性や今後のニーズ
■合格者にインタビュー!
福祉住環境コーディネーター検定試験とは?
福祉住環境コーディネーターの具体的な業務としては、利用者やその家族の生活上の課題分析をはじめ、それを解決するための福祉用具の選定や住宅改修に関するアドバイスなど多岐にわたります。また、ときには行政から費用の補助を受けるための手続きや在宅以外での介護を行う際の施策情報などについてアドバイスをする場合もあります。
福祉住環境コーディネーター検定試験は介護・福祉系業界での知名度が高く、取得によって実習先や就職・転職活動で高い評価を得られる点も魅力の一つです。
福祉住環境コーディネーター検定試験の概要
試験日程
【2022年度 3級・2級】
※IBT(Internet Based Testing )は各自のコンピュータで受験する方式で、CBT(Computer Based Testing)はテストセンターのコンピュータで受験する方式です
受験料
2級:7,700円
3級:5,500円(各税込)
※CBT方式では、受験料の他に利用料2,200円(税込)が別途発生します
受験資格
どなたでも受験できます
合格基準
70点以上/100点
合格率
2級:67.8%
3級:66.1%※各2021年度
福祉住環境コーディネーターになるには?
福祉住環境コーディネーター検定試験の出題範囲は介護・福祉をはじめ、医療や福祉用具、さらに建築の知識まで幅広く、試験はIBT方式・CBT方式で行われます。
福祉住環境コーディネーター検定試験には受験資格が設けられておらず、実務経験も不要です。そのため、介護の勉強をし始めた方や介護業界以外の方など、どなたでも福祉住環境コーディネーターを目指すことができます。
福祉住環境コーディネーター検定試験で得た知識はどのように活かせる?
介護・福祉業界で利用者や家族を多角的にサポート
具体的には、福祉用具・介護用品や家具などの選択と利用法のアドバイス、福祉施策や福祉・保健サービスなどの情報提供、また、介護保険制度のもとで住宅改修を行う際にはケアマネジャーと連携して改修計画の立案・進行を担当することもあります。
住宅改修の「理由書」が書けるのは、福祉住環境コーディネーター2級以上の合格者を含む限られた専門家のみ
このとき、市区町村に提出を求められるのが住宅改修の「理由書」です。
理由書とは、現在の利用者の身体状態や介護状況、住宅改修を経てどんな生活・行動を望むのか、改修後に福祉用具をどのように利用するのかなどをまとめた書類を指します。
この理由書の作成資格は、福祉住環境コーディネーター2級以上※、ケアマネジャー、理学療法士、作業療法士、1級建築士など限られた専門家のみに与えられています。
※一部で福祉住環境コーディネーター2級以上の理由書作成を認めていない自治体もありますので、ご注意ください
福祉住環境コーディネーター検定試験は実務経験がなくても受験可能。介護系資格の登竜門として
Wライセンスはおススメ?相性のいい資格は?
専門分野に+αの知識が身に付き、業務の幅を広げられる福祉住環境コーディネーター。
Wライセンスとしてのニーズも高く、介護系資格を中心に、建築系や医療系のさまざまな資格と併せて取得されています。
中でも最も取得者が多い福祉用具専門相談員は、福祉住環境コーディネーター検定試験と一部試験範囲が重なるため、対策がしやすく、Wライセンスとして人気があります。
福祉住環境コーディネーターの将来性や今後のニーズは?
超高齢社会で高齢者を意識したビジネスにシフト
今後、こうした社会の変化に合わせて、あらゆる業界が高齢者を意識したビジネスを展開していくことが予想されます。高齢者の特性や課題を十分に把握した福祉住環境コーディネーターの活躍の場はさらに広がりをみせるでしょう。
多様化する高齢者・障がい者のニーズ
利用者一人ひとりのニーズに沿った住環境を整えるためには、福祉住環境コーディネーターが利用者と医療・福祉・建築などの各専門家の間に立って、適切な住環境のコーディネートを行う必要性が高まるとされています。
福祉住環境コーディネーター検定試験の合格者にインタビュー!
福祉住環境コーディネーター検定試験2級に合格した方に、実際の勉強方法や勉強期間、業務で役立った点などについてお話を伺いました。
インタビューしたのはこの方
現在のお仕事について教えてください。
具体的には、ご利用者様の状態やご要望などのヒアリングを行った上で、ご利用者様の住環境に適した福祉用具の選定・レンタルのお手続きに加え、レンタル開始後には使用方法のレクチャー、定期的なモニタリング・メンテナンスを通して、ご自宅での介護を支えています。
福祉用具というと車いすが思い浮かぶのですが、他にはどんなものがありますか?
出典:福祉用具・介護用品紹介サイト「ヤマシタ、シマシタ。」/株式会社ヤマシタ
福祉住環境コーディネーター検定試験を受験したきっかけは何ですか?
福祉住環境コーディネーター検定試験では、勉強を通じて業務に役立つ知識が身に付くのはもちろん、福祉住環境コーディネーター検定試験の2級以上を取得することで住宅改修の理由書を作成できる資格※を得られます。
※一部地域を除く
弊社では営業職の社員の7~8割が福祉住環境コーディネーター2級、もしくは福祉住環境コーディネーター1級を取得して、普段の業務や理由書の作成業務に活かしています。
福祉住環境コーディネーター検定試験以外に取得している介護系資格はありますか?
福祉用具専門相談員では、福祉用具の用途や福祉用具を使用した介護サポートを中心に、介護保険制度や医療・介護などについて基本的な知識を学びました。
福祉用具専門相談員と福祉住環境コーディネーター検定試験の違いを教えてください。
というのも、福祉住環境コーディネーター検定試験では、福祉用具専門相談員で問われる内容を補完しながら、さらにご利用者様の状態別の介助方法、ご利用者様の自立を支援する手法、住環境整備や建築の知識など幅広い分野についても学ぶことができます。
福祉住環境コーディネーター検定試験の前に福祉用具専門相談員を取得したことで、福祉用具の知識を整理できた上、福祉住環境コーディネーター検定試験で新しく学ぶ内容の基礎固めができたように思います。
参考:福祉用具専門相談員指定講習についてのQ&A/一般社団法人 福祉用具専門相談員協会
福祉住環境コーディネーター検定試験 出題範囲/東京商工会議所
福祉住環境コーディネーター検定試験にはどのくらいの勉強時間・勉強期間で合格しましたか?
社内で福祉住環境コーディネーターを受験した他の方では、2~3週間くらい勉強したという方が最も多く、中には半年程かけてゆっくり勉強を進めたという方もいたようです。
福祉住環境コーディネーター検定試験の勉強期間はもともとの知識量によると思いますが、私の場合は業務を通して知っていた知識が出題範囲の半分以上あったため、比較的短期間で合格を目指せたと思います。
福祉住環境コーディネーター検定試験の合格に向けて行った勉強方法を教えてください。
初めて問題を解いたときはかなり難しく感じ、特に業務であまり関わりのない建築の分野は苦戦したのを覚えています。
出典:福祉住環境コーディネーター検定試験 公式テキスト/東京商工会議所
建築分野の問題はどのように克服しましたか?
これから福祉住環境コーディネーター検定試験にチャレンジする方に勉強のアドバイスをお願いします。
また、福祉・介護の知識や業務経験がある方は市販の問題集で出題傾向を掴んでから勉強を始める方法、初めて福祉や介護を学ぶ方には公式テキストで基本的な知識を学ぶ方法が良いのではないでしょうか。
福祉住環境コーディネーター検定試験の勉強で、業務に役立った点はありますか?
現場では、ご利用者様の状態やご自宅の環境、どうすればご家族が介護をしやすいかなど、さまざまな要素をヒアリングして福祉用具を提案します。
例えば、利用者様のご自宅にスロープや手すりなど大型の福祉用具を取り付ける場合には工事が必要なのですが、2世帯住宅や3世代住宅にお住まいのご利用者様の中には、「他の家族も住んでいるので、工事の騒音や改修部分が一定期間使用できなくなるなどの迷惑をかけたくない」という思いから福祉用具の設置工事に抵抗のある方も少なくありません。
そういった場合には、福祉住環境コーディネーター検定試験の勉強で得た知識を活かして工事の作業量や工程を伝えつつ、福祉用具の特性、自立支援での利便性など幅広い視点からメリット・デメリットをしっかりと説明しています。また、福祉住環境コーディネーターの資格を得たことで説得力が増し、ご利用者様やそのご家族にも納得いただけるようになりました。
加えて、基本的に設置工事は施工会社に依頼をするのですが、建築の知識を得たことで業種の枠を超えてスムーズに連携を取れるようになったと感じています。
福祉住環境コーディネーター検定試験はどのような方におススメだと思いますか?
福祉住環境コーディネーター検定試験では、福祉・介護の基本的な知識を学べる上、受験資格として実務経験は要りません。「受験してみたい」と思った方が誰でも受験できるのは大きな特長だと思います。
ずばり、福祉住環境コーディネーター検定試験を受験するメリットは何でしょうか?
勉強を始めたときには、「医療や建築が自分の業務にどう関係するのか」と疑問を持っていましたが、実際に現場に携わっていると福祉住環境コーディネーター検定試験で得た知識が全て連動していると実感します。
幅広い分野の知識を学んだことで、「どんな福祉用具を提案すべきか」「ご利用者様やそのご家族が目指す生活はどんなものか」を多面的に見て、潜在的なニーズを汲み取れるようになりました。ご利用者様とそのご家族の満足度向上にもつながっていると思います。
今後も多くの方に、福祉住環境コーディネーター検定試験にチャレンジしていただきたいです。
取材日:2022年2月1日