転職で資格は武器になる?採用担当者405人に聞いた、資格が評価につながる条件【まなびインサイト】
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転職を考え始めたとき、履歴書の資格欄を見ながら、「この資格は採用で評価されるのだろうか」と気になったことはありませんか。
また、希望する仕事に近づくために、新たな資格取得を検討する人もいるでしょう。とはいえ、資格取得には時間もお金もかかります。せっかく挑戦するなら、その資格が本当に転職に役立つのかは、事前に知っておきたいところです。では実際に、採用担当者は中途採用で資格・検定をどの程度見ているのでしょうか。
『日本の資格・検定』では、企業で採用業務に携わっている方、または過去に携わった経験のある方405名を対象に、資格・検定が採用にどう影響するのかを調査。その結果から見えてきたのは、「資格があれば有利」「資格より実務経験」と単純には言い切れない、中途採用ならではの距離感でした。
調査名:中途・新卒採用及び昇格における「資格・検定」の重要度に関する調査
調査期間:2026年1月19日(月)8:00~2月2日(月)23:59
調査方法:インターネット調査
調査対象:企業の採用担当者、または採用業務に関わった経験のある方など
有効回答数:713
集計対象:採用業務に「現在携わっている」または「過去に携わっていた」と回答した405名(本記事の割合は405名を母数として算出)
調査協力:株式会社MS-Japan
調査実施媒体:国内最大級の管理部門と士業の専門サイト『Manegy』
実施主体:学びのメディア『日本の資格・検定』
中途採用では、4人に3人が資格・検定を何らかの形で見ている
「中途採用で、資格・検定が評価や採用判断に影響することはありますか?」と聞いたところ、最も多かった回答は「一定の参考にしている」で61.0%でした。
「一定の参考にしている」と「具体的に考慮している資格・検定がある」を合わせると75.8%。採用業務の経験者のうち、4人に3人が中途採用で資格・検定を何らかの形で見ていることになります。
この数字だけを見ると、「やはり資格は転職に有利」と感じるかもしれません。しかし、注目したいのはその内訳。
「具体的に考慮している資格・検定がある」と答えた人は14.8%。それに対し、「一定の参考にしている」は61.0%でした。つまり、多くの採用担当者にとって資格は、「持っていれば自動的に加点されるもの」ではないことが分かります。
資格の有無だけで合否を決めるのではなく、応募者の実務経験やスキル、キャリアの方向性を理解するための情報として見ている。75.8%と14.8%の差からは、そんな使われ方が浮かび上がります。
採用時に名前が挙がったのは、仕事との関係が見えやすい資格
「具体的に考慮している資格・検定がある」と答えた人に、その資格・検定を聞いたところ、幅広い分野の名前が挙がりました。
・経理・IT・語学などの知識を示す資格
簿記、ITパスポート、情報処理技術者試験、TOEIC、CIA(公認内部監査人)など
・不動産・建築・技術分野の仕事に関わる資格
宅地建物取引士、建築士、施工管理技士、電気工事士など
・そのほか、専門職に関わる資格
社会保険労務士、薬剤師、管理栄養士、介護福祉士など
挙げられた資格・検定を見ると、業務に直接関わるものだけでなく、特定分野の知識や、応募者が目指すキャリアの方向性を示すものも含まれています。
一口に「資格」といっても、中途採用で果たす役割は同じではないようです。
資格は「評価項目」というより、経歴を読み解く手掛かりに
中途採用では、同じ職種名で働いていた人でも、実際に経験してきた業務や身につけた知識は異なります。たとえば「経理経験あり」と書かれていても、仕訳や請求書処理が中心だった人もいれば、月次決算や年次決算まで担当していた人もいるでしょう。
経験した業務は職務経歴書を見れば分かりますが、その背景にある知識や、本人がどの分野を学んできたのかまでは見えにくいことも。資格・検定は、そうした経歴だけでは分からない部分を読み解く手掛かりになります。
例えば「簿記」を持っている場合は会計分野を体系的に学んだこと、「ITパスポート」を取得している場合はITの基礎知識を身につけようとした意欲が伝わるでしょう。また、国家資格をはじめとする専門資格であれば、業務独占資格や設置義務のある必置資格のように採用に直結するケースはもちろん、従事できる業務範囲や専門性の高さをダイレクトに証明してくれます。さらに、難関資格の取得に向けて計画を立て、地道に努力を継続できる人物であるかといったポテンシャルや姿勢を評価されることになるのでは。
資格が実務能力をそのまま証明するわけではありません。それでも、応募者が何を学び、どの分野に関心を持ち、どのようなキャリアを目指しているのかを知るための補助情報にはなります。
今回の結果からは、多くの採用担当者が、資格を応募者の経歴やキャリアの方向性をより立体的に理解するための手掛かりとして見ていることが伺えます。
転職で、資格が「ほとんど影響しない」のはどんなとき?
一方で、「資格・検定は中途採用にほとんど影響しない」と答えた人も13.8%いました。では採用判断に影響しにくいのは、どのような場合なのでしょうか。 資格が影響しにくいケースは、大きく2つ考えられます。
ひとつは応募者の実務経験や実績だけで、入社後に仕事を任せられるかどうかを十分に判断できる場合です。経験や成果が明確であれば、資格の有無をあえて重視する必要がないケースもあります。
もうひとつは、資格と応募する仕事との関係が見えにくい場合です。知名度や難易度の高い資格であっても、募集職種でどのように活かせるのかが分からなければ、採用担当者にとって評価の材料にはなりにくくなります。
ただし、資格と仕事との繋がりがあっても、資格名を履歴書に記載するだけでは、採用担当者に十分伝わらないこともあるでしょう。なぜその資格を取得したのか、これまでの経験とどう接続しているのか、次の仕事でどのように活かしたいのか……。そこまで説明することで、資格は応募者の知識やキャリアの方向性を伝える材料になります。
転職で資格を武器にできるかどうかは、資格名や難易度だけでなく、その資格を自分のキャリアの中でどう位置づけ、伝えられるかにかかっているといえそうです。
【まなびインサイト】
学びに関するアンケート調査やデータをもとに、世代やライフスタイルごとの特徴を分析し、“いま”の学びの姿を明らかにしていく連載です。資格やスキルアップのトレンドから、学びを取り巻く社会の変化まで、多角的にひも解きます。
株式会社MS-Japan
管理部門・士業に特化した業界最大級の就職・転職エージェント。プロフェッショナル人材のキャリア支援において高い実績を持っている。
Manegy(マネジー)
同社が運営する国内最大級の管理部門・士業のためのビジネスメディア。実務に役立つ専門ニュースや資格・キャリア情報を発信中。
URL:https://www.manegy.com
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