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「無理に前向きにならない」TAGRIGHT・前田大輔に学ぶ、挫折からの立ち直り方

インタビュー #気になるあの人を深堀り

「無理に前向きにならない」TAGRIGHT・前田大輔に学ぶ、挫折からの立ち直り方

前回の記事では、何もない状態から自らメンバーを集め、デビューを掴み取るまでの圧倒的な行動力について語ってくれたTAGRIGHTの前田 大輔さん。

今記事では、その過程で彼が経験してきた挫折からの立ち直り方にフォーカスする。

韓国の事務所との契約終了や、度重なるオーディション落選。心が折れて夢を諦めてもおかしくない程の壁にぶつかったとき、彼はどうやって再び前を向いてきたのだろうか。前田さんの歩みから、心を立て直すためのヒントを探っていこう。

お話を伺ったのは……

前田 大輔さん
2000年8月30日生まれ、富山県出身。身長180cm、血液型AB型。7人組ボーイズグループ・TAGRIGHTのメンバー。高校卒業後、韓国の芸能事務所で約2年間、練習生として活動。帰国後、2023年に『MISSION×2』、2024年に『timelesz project -AUDITION-』に参加し、注目を集める。新グループ結成プロジェクト「TAG SEARCH」を経て、2026年1月にTAGRIGHTとして「FOREVER BLUE」でプレデビュー。同年7月、「ZERO」で正式デビュー。12月には1st Full Albumのリリース、TAGRIGHT初となるZEPPツアーの開催を控えている。
Instagram:@daisuke_maeda830

「落ち込むに決まってる」。無理にポジティブにならない

挫折したとき、どう気持ちを切り替えているのか。そう尋ねると、前田さんは少し意外な答えを返してくれた。

「僕は、1回ちゃんと落ち込むようにしています。だって、期待通りの結果じゃないときは、落ち込むに決まっていますから(笑)。

無理にポジティブになろうとしても、気持ちはついてこないんですよね。韓国の事務所との契約が終わったときは1カ月、BMSGのオーディションに落ちたときは2カ月くらい、本当に何もできませんでした」(前田さん。以下同)。

BMSGは、音楽アーティストのSKY-HIがCEOを務めるマネジメント・レーベル。前田さんは、オーディションに落選したあと、家から出られない日々だったという。

「意図して家にこもったわけではなく、本当に動けなかったんです。なにも手につかず、ただ塞ぎ込む日々。でも、その時間を経て、少しずつまた動けるように気持ちが変わっていきました」。

高校卒業後、単身韓国へ渡り、約2年間の練習生生活を送った前田さん。しかし夢半ばで契約は終了し、帰国後はアルバイトをしながらダンスと歌の練習を続ける日々だった。挫折の深さは、想像に難くない。

前田さんが大切にしているのは、ネガティブな感情を無理に追い出そうとしないことだ。「前を向かなければ」と回復を急ぐのではなく、すぐには動けない自分も、そのまま受け止める。それが、彼にとっての回復の第一歩なのだ。

試験に落ちた直後、無理に「次、頑張ろう」と思えなくてもいい。落ち込むことは、それだけ本気で取り組んだ証拠。まずは自分の感情を否定せずに受け止めることが、再スタートの土台になるのかもしれない。

気持ちが落ち着いたら、考えを整理する

もちろん、ただ落ち込んだままでは終わらない。その後の切り替えにこそ、前田さんらしい前向きさが表れている。

「落ち込みきったあとに、1回、自分なりに深掘りして考えを整理するんです。BMSGのオーディションのあとは『このままじゃダメだ……』と思って、環境を変えて、とにかく行動しようと決めました。

あの落ち込む時間があったからこそ、腹を決められたんですよね。だから、1回落ち込むことは、すごく大事なことだと僕は思います」。

落ち込む期間は、ただ止まっているようでいて、実は次の一歩を考えるための時間でもあった。

この習慣は、野球に打ち込んでいた学生時代から培われたものだという。前田さんは、13年間に渡って野球を続けてきた。

「昔から、すぐに人にアドバイスをもらうというより、まずは自分で考えることが多かったんです。本当に行き詰まったときだけ、助言をもらうタイプ。だから、とことん落ち込みきったあとに自分と向き合う、というのが自然と身についたのかもしれません」。

感情の波が引いたら、冷静に現状を分析する。「なにが足りなかったのか」「次はどう動くか」。この思考の整理こそが、停滞と意味のある挫折を分ける。学びや仕事で失敗したときの敗因分析も、心が落ち着いてからで遅くない。

「ここで辞めたら、悲しむ人がいる」

それでも、何度も挫折が続けば「もう辞めたい」と思うこともあったのではないか。

「正直、辞めたいときもありました。でも、『ここで辞めたら、悲しむ人がいる』と思ったんです。富山のダンスの先生は、僕が走り始めたときからずっと見てくれている。5年間やってきて『急にここで辞めます』というのは、あまりに無責任なのではと。絶対にショックを受けるだろうし、それだけはできないと思いました」。

前田さんの原動力は、他人の幸せが自分の幸せ、という価値観にありそうだ。

「夢を追い始めた頃は、自分がやりたい一心でした。でも、お世話になる方が増えるにつれて、自分だけの夢ではなくなっていった。僕が夢を叶えることが、親や、支えてくれた方々への恩返しになる。その想いが、ずっと原動力です」。

だからこそ、大きな話題となったオーディション「timelesz project」の5次審査で落選したときも、立ち上がることができた。

「もちろんショックでした。でも『なんとかなる』と思えたんです。それは、今までも挫折して、そこから立ち上がってきた経験があったからですね」。

そして、動き出すと決めたら迷わない。前田さんが大事にしている言葉がある。

「座右の銘みたいになりますけど、『明日やろうは馬鹿野郎』という言葉です。名言集で見かけて以来、行動しているとその通りだなと実感します。やったほうが良いと思ったことは、後回しにせず、すぐにやる。それだけは決めています」。


落ち込む自分を否定しない。気持ちが落ち着いたら、考えを整理する。そして、動くと決めたら、すぐに動く。前田さんの挫折の作法は、この緩急にこそ本質がある。

1人で勉強していると、失敗したときに、つい自分を責めてしまいがちだ。しかし、落ち込む時間は決して無駄ではない。合格した先にあるものや、応援してくれる人の顔を思い浮かべながら、自分のペースで立ち上がればいい。

次回のテーマは「自分を乗せるルーティン」。緊張のほぐし方から集中力を高めるための方法まで、前田さん流・実践メソッドを一挙公開する。

この記事の連載
なぜ“ゼロイチ”を生み出せたのか?
前田大輔が学ぶ"犬の気持ち"
◆「ドン底まで1度落ち込みます」正しい挫折の作法……今回はコチラ
◆自分を乗せるルーティン

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撮影=宇高 尚弘
文=かたおか 由衣
スタイリング=内薗 悠
ヘアメイク=中山 伸二

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