日本の資格・検定|学びのメディア

読みもの

人気資格ジャンルを大調査!「今持っている資格」と「これから取りたい資格」【まなびインサイト】

データで見る資格・検定 #まなびインサイト

人気資格ジャンルを大調査!「今持っている資格」と「これから取りたい資格」【まなびインサイト】

資格はキャリア形成や自己成長に欠かせない存在。社会の変化や働き方の多様化にともない、「どんな資格が注目されているのか」も移り変わっています。

今回は、10〜60代の幅広い世代を対象に「今持っている資格」と「これから取りたい資格」を調査。最新の学び事情を探ります。

【調査概要】
調査期間:2025/06/01~06/30
調査方法:インターネット調査
調査対象:10~60代の男女
有効回答数:1,911

「今持っている資格」「これから取りたい資格」TOP5は?

まずは全体のアンケート結果から。今回の調査では「今持っている資格ジャンル」と「これから取得したい資格ジャンル」を比較。今回の調査から、資格の人気は時代背景や働き方の変化を敏感に反映していることが分かりました。

まずは「今持っている資格」から。現在、最も多く保有されているのは語学・国際ジャンルの資格という結果に。TOEICや英検など、学生時代から身近で取得しやすい資格が多く、多くの人が既に持っている資格となりました。

一方で、「これから取りたい資格」として最も多く挙げられたのはIT・情報処理ジャンルの資格。デジタル化やAI活用の進展に伴い、今後ますます必要となるスキルとして全世代から注目されています。

財務・金融・会計ジャンルの資格は、「今持っている資格」でも、「これから取りたい資格」でも2位となっており、時代に関わらず注目を集めている結果に。簿記やファイナンシャル・プランナーなど、仕事や生活設計に直結する資格への信頼は揺るがないようです。

また、注目すべきは不動産・建築・土木ジャンルが「これから取りたい資格」にランクインしているところ。特に、土地価格の高騰や副業・資産形成への関心の高まりを背景に、不動産系資格に注目が集中。「宅地建物取引士」や「不動産鑑定士」などの資格が、キャリアの幅を広げたり、資産形成の手段として注目されています。

一方で、教養・趣味ジャンルの資格は順位こそ4位を維持しているものの、希望者数は大きく減少。より実践的でキャリアに直結する資格へと関心が移りつつあることが伺えます。

「今持っている資格」TOP3

1.語学・国際系資格
2.財務・金融・会計系資格
3.IT・情報処理系資格

「これから取りたい資格」TOP3

1.IT・情報処理系資格
2.財務・金融・会計系資格
3.語学・国際系資格

注目の資格ジャンルから見えてくる「現在」と「未来」

調査結果をさらに詳しく見ると、社会の変化を反映した興味深いトレンドが浮かび上がってきます。今はあまり持っている人が多くないものの、これから取りたいと考える人が急増している資格ジャンルが浮かび上がりました。

保有率は低いが、取得希望では順位が上がっている資格分野


健康・心理系資格
【今持っている】圏外 →【これから取りたい】6位
メンタルヘルスや心理カウンセリング関連資格への関心が急上昇。コロナ禍を経て、心のケアへの意識が高まったことが背景にあると考えられます。

不動産・建築・土木系資格
【今持っている】8位 → 【これから取りたい】5位
副業や投資への関心の高まりから、不動産関連資格の人気が上昇。特に「宅地建物取引士」への注目が集まっています。

法律・法務系資格
【今持っている】圏外 →【これから取りたい】9位
複雑化する社会情勢を背景に、法的知識への需要が増加。「司法書士」や「行政書士」などの国家資格への関心が高まっています。

これらはいずれも、社会や経済の変化、生活環境の変化に対応するための実務的かつ生活に役立つスキルが求められる分野。キャリアだけでなく心身の健康維持や将来への備えとして関心が広がっているようです。

世代&男女別「今持っている資格」「これから取りたい資格」TOP5

世代や性別によって、保有資格の傾向と今後の取得意向にはそれぞれ違いが見られます。

若年層ではキャリア準備やスキル拡張を目的に、ITや語学、財務・経理系資格がバランス良く選ばれる傾向が強く、中堅層になるほど実務直結型の専門資格やマネジメント系が浮上します。さらに、45歳以上になると健康・心理や不動産など、ライフステージやセカンドキャリアを意識した資格ジャンルへの関心が高まっていることが分かる結果に。

ちなみに、順位が下がるジャンルは「社会ニーズの低下」というよりも、すでに取得済みで再取得の必要がないケースが多いと考えられます。逆に、順位上昇ジャンルは現状保有率が低く、今後のニーズや関心が高まっている分野と考えられるでしょう。

アイコンの説明 【24歳以下】「今持っている資格」「これから取りたい資格」

24歳以下では、「今持っている資格」の首位は男女ともに語学・国際系資格で、学生時代の資格取得経験が反映された結果と考えられます。2位には教養・趣味系の資格が入り、さらに3位はIT・情報処理系と財務・金融・会計系資格が同率で並び、男女の違いはほとんど見られませんでした。

「これから取得したい資格」でも男女ともにIT・情報処理系や財務・金融・会計系資格が上位に挙がっています。一方で、4位以下では男女差が現れ、男性は不動産系、女性はデザイン・クリエイティブ系や事務系スキルの資格が関心を集めています。

全体として、すでに取得している「語学」に加えて「IT+財務」を組み合わせ、就職やキャリア形成に直結する資格を志向する傾向が明らかになりました。

【25~34歳】「今持っている資格」「これから取りたい資格」

25〜34歳の「今持っている資格」では男性が財務・金融・会計とIT・情報処理を中心に、女性は語学・国際や事務・ビジネススキル系の資格を取得しているという結果に。

「これから取りたい資格」では男女ともIT・情報処理系資格が首位に。財務・金融・会計系資格も上位を維持し、男性は法律・法務系資格が新たに台頭しています。

語学は順位を下げるものの依然として重要なポジションにあり、実務直結型スキルを強化しつつ、付加価値分野で差別化を図るという戦略なのかもしれません。

【35~44歳】「今持っている資格」「これから取りたい資格」

35〜44歳の「今持っている資格」の結果を見てみると、男性が財務・金融・会計やIT・情報処理、技術系資格が中心に。一方で女性は語学・国際や事務スキル系資格が上位を占めました。

「これから取りたい資格」では男女ともIT・情報処理が順位を上げ、女性は健康・心理が急浮上。男性は不動産・建築・土木への関心も高まっています。

この層は管理職・リーダー層への移行期にあたり、既存の業務資格に加え、マネジメント・新分野への備えを重視する傾向が見て取れる結果に。

【45~54歳】「今持っている資格」「これから取りたい資格」

45〜54歳の「今持っている資格」の結果も、男女とも財務・金融・会計、語学、ITが上位に。さらに男性は技術・工業、女性は教養・趣味や事務スキル系資格の取得が目立ちました。

「これから取りたい資格」部門では、健康・心理や不動産が急上昇し、ITも順位を上げる結果に。逆に順位を下げたジャンルは、すでに保有している人が多いためとも考えられます。全体として、関心はむしろ生活基盤や自己ケアを強化する分野にシフトしているようです。

【55歳以上】「今持っている資格」「これから取りたい資格」

55歳以上の「今持っている資格」を見てみると、男性は技術・工業系資格、女性は財務・金融・会計や語学・国際系資格を中心に構成されています。

「これから取りたい資格」では男性はITや語学が上位に浮上し、女性は教養・趣味や健康・心理、生活・インテリア系が目立ちます。 男女で志向が分かれ、男性は「仕事スキルの延長線上」、女性は「生活・健康・趣味の充実」へと重点を移す傾向が顕著な結果となりました。


資格は時代の鏡。今回の調査からも、社会の変化が学びたい資格に表れていました。次に注目されるのは、今はまだ誰も意識していないジャンルかもしれません。あなたなら、どんな資格で未来を広げますか?

【まなびインサイト】
学びに関するアンケート調査やデータをもとに、世代やライフスタイルごとの特徴を分析し、“いま”の学びの姿を明らかにしていく連載です。資格やスキルアップのトレンドから、学びを取り巻く社会の変化まで、多角的にひも解きます。

バナーデザイン:清水 はじめ

人気記事ランキング