IBTが進化!試験官が遠隔でリアルタイム監視する新しいオンライン試験のかたち
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コンピュータを使った試験方式の一つであるIBT(Internet Based Testing)。インターネット環境があればどこでも受験できるのが特徴ですが、ここ数年で「試験官が遠隔でリアルタイム監視するIBT」という新しいタイプのIBTが登場するようになりました。
いくつかの資格・検定ではこの新しいタイプのIBTを既に導入し始めており、今後他の資格・検定でも導入が進んでいくかもしれません。
そこで、この記事では「試験官が遠隔でリアルタイム監視するIBT」の特徴や受験の流れ、受験する際に注意すべきことなどについて掘り下げていきます!
■ 試験官が遠隔でリアルタイム監視するIBTの特徴とは?
試験官が遠隔でリアルタイム監視しながらオンライン試験を実施する方式(以下、リモート監視付きIBT)の特徴は、名前の通り試験官による監視をリアルタイムで受けながらIBTを実施できることです。
受験者のパソコンに付いているカメラやマイクを通じて試験中の様子を試験官が遠隔監視するほか、受験者のパソコンに表示されている画面も共有することで、試験中のカンニングや試験に関係ないWEBページを見るといった不正行為を抑制しています。
従来のIBTには試験中の監視などの不正行為対策がないので、リモート監視付きIBTはその弱点を解消した試験方式と言えるでしょう。
▲ 試験官が見る監視画面(イメージ)
そのほかにも、リモート監視付きIBTには試験中に何かあったときに連絡を取り合えるよう、試験官と個別でチャットや音声通話ができる機能が備わっています。遠隔でも実際の試験会場と同じような環境のもと、受験することができるのです。
また、不正行為対策ができるIBTの一つに、AI技術でカンニングなどの不正行為を防ぐ「AI監視付きIBT」というサービスもあります。不正を防ぐという意味ではリモート監視付きIBTと同じですが、こちらは試験当日の本人確認がなかったり、リアルタイム監視ではなくAIが検知した不正を後日人の目で確認したりといった違いがあります。
▲ 各種IBTの比較表(参考:CBTソリューションズ社)
■ なぜリモート監視付きIBTが登場するようになったのか?
リモート監視付きIBTが登場するようになった背景には、コロナ禍が大きく関係しています。
そもそもコロナ禍以前は、国内でコンピュータを使った試験といえば「CBT(Computer Based Testing)」か不正行為対策がない「IBT(Internet Based Testing)」の2種類が主流で、「リモート監視付きIBT」という試験方式は全く普及していませんでした。
コロナが流行したことで、自宅で試験を受けられる(=感染リスクがない)IBTの需要が高まりましたが、一般的なIBTには試験中の監視がなく、不正行為を防ぐことはできません。
そこで、従来のIBTに試験官が遠隔で監視できるシステムをプラスし、感染対策を徹底しつつも不正行為を防げる「リモート監視付きIBT」が登場するようになったというわけです。
■ リモート監視付きIBTの受験の流れ
受験の流れをイメージしやすいように、リモート監視付きIBTの大まかな受験の流れをご紹介します。
なお、試験によって流れや内容が異なる場合があります。あくまで参考程度にとどめ、詳細は各試験のホームページをご確認の上、試験当日の案内画面や試験官の指示に従ってください。
STEP① 試験ページにアクセス
試験開始時間の30分前になったら、申し込み時に案内されるURLから試験ページにアクセスします。
STEP② マイクやカメラなどの動作確認をして、試験官が入室するまで待機
試験ページにアクセスしたら、事前に動作確認をしたパソコンで改めてマイクやカメラの動作確認を行い、試験官が入室するまで待機します。
▲ 動作確認ページ(イメージ)
STEP③ 本人確認と部屋の周囲の確認
試験官が入室したら、規定の本人確認書類(運転免許証など)をカメラに向けて見せ、本人確認を行います。
本人確認が終わったらパソコンのカメラを360度ぐるっと回します。その際に、受験者以外の人物がいないか、不正に繋がる物が置いていないかなどを試験官が確認します。
STEP④ 受験
STEP③の確認作業が終わったら試験を開始します。試験時間のカウントが0になるか、試験終了ボタンを自分で押したら試験は終了です。お疲れ様でした!
▲ 試験中の画面(イメージ)
STEP⑤ 試験結果の確認
結果がすぐに分かる試験は、試験終了後に合否やスコアを確認することができます。画面を閉じれば試験終了です。