日本の資格・検定|学びのメディア

読みもの

新・国家資格「愛玩動物看護師」誕生!その業務内容や併せて取得したい資格・検定を一足お先にチェック!

資格・検定特集

新・国家資格「愛玩動物看護師」誕生!その業務内容や併せて取得したい資格・検定を一足お先にチェック!

「愛玩動物看護師」の業務範囲と課題

「愛玩動物看護師」の資格が創設されるのにあたり、注目されているのがその業務範囲です。

以前の動物看護師ではできなかった診療の補助業務、例えば投薬・採血に加えて、動物愛護法の改正により義務化されたマイクロチップの装着も獣医師のもとで可能になると農林水産省から発表されました。

このような診療の補助業務は愛玩動物看護師の資格保持者のみ(獣医師を除く)が行うことができる独占業務となっています。

農林水産省 愛玩動物看護師ページより
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/doubutsu_kango/index.html

また、この業務範囲変更に伴い動物看護師という職業の地位が大きく向上することも予想されます。

これまでの動物看護師は、簡単な診療補助業務と病院運営業務が中心であったため、給与や待遇面であまり恵まれておらず、就業形態も数年単位のパート採用やアルバイト採用が少なくありませんでした。
国家資格化で動物看護師の業務範囲が広がることにより、「動物看護師=一生の仕事」として給与や待遇の改善が期待されています。

一方で懸念されているのが、看護対象となる動物の範囲です。資格名に「愛玩動物」と付く通り、現在はペットの看護のみが想定されています。さらに、この「愛玩動物」も原則犬と猫、そして政令で指定された動物に限られています。

国内にはペット以外にも畜産動物や実験用の動物も多く飼育されており、こういった動物の看護が今後課題として浮上するのではないかといわれています。

NEW!2021年12月13日更新
動物看護師が診療の補助を行える動物の詳細が公開されました。


動物看護師が診療の補助を行える動物として、「犬、猫、その他政令で定める動物」とされていましたが、2021年9月に「政令で定める動物」の詳細が公表されました。

政令で定める動物:愛玩鳥
(オウム科全種、カエデチョウ科全種、アトリ科全種)

一方、ウサギや亀は「政令で定める動物」に含まれていませんが、診療補助以外の業務を行うことは可能です。

今後の動物看護師の需要は?

今後、動物看護師の需要は

〔1〕マイクロチップ装着の義務化
〔2〕保護動物のケア

などを要因としてさらに伸びるとされています。

まず、〔1〕マイクロチップ装着の義務化は動物の遺棄・虐待の防止や、災害、または事件・事故で飼い主の方とはぐれた際の捜索のため2019年6月12日の国会で改正動物愛護法にて成立されました。

2019年11月の発表において、愛玩動物看護師資格を取得した後には動物看護師もマイクロチップの装着業務を行うことができるようになると発表されており、動物看護師の需要増加の大きな要因となるとの予想が出ています。

また、〔2〕保護動物のケアに関しては、保護動物の殺処分ゼロを目指して、獣医師・動物看護師などによるボランティア団体が譲渡前にワクチンを投薬したり、けがや病気の処置をしたりという活動が広がっています。

特に「愛玩動物看護師」の資格を持っている方には、譲渡するまでの保護動物の体調管理はもちろん、譲渡後のアドバイスなど、これから飼い主となる方へのケアも求められ、資格保持者の需要の増加が見込まれます。

愛玩動物看護師と併せて取得したいおススメ資格・検定

Ⅰ, ペットロス・ハートケアカウンセラー™検定試験

ペットロス・ハートケアカウンセラー™検定試験はペットロス症候群で悩む方に対しての理解や支援を行うため、一定の能力を有することを証明する資格です。

ペットを失うことで飼い主の方に現れる悩みやトラウマ、不安に対応するための基礎知識を身に付けて、適切なフォローを行うことができるでしょう。2~3カ月程の講座受講と試験を経て資格を取得できます。

◆ペットロス・ハートケアカウンセラー™検定試験の詳細はこちらから

Ⅱ, ホリスティックケア・カウンセラー

ホリスティックケア・カウンセラーは、健康について広い視点をもって考え、対処するという「ホリスティックケア」の考えに基づき、愛犬・愛猫の食事・体・心の3分野を学び、実践するための資格です。
2年間の講座でペットのストレスケアや栄養学、飼い主の方へのカウンセリング方法をじっくり学ぶことができるため、飼い主の方と近い距離で医療にあたる動物看護師にはおススメのWライセンスです。

◆ホリスティックケア・カウンセラーの詳細はこちらから

Ⅲ, ドッグライフカウンセラー

ドッグライフカウンセラーは、しつけや健康管理、飼育管理についてなど、愛犬との暮らしについて飼い主の方へアドバイスを行うことができます。
特に愛犬の問題行動や健康の問題に悩む飼い主の方にとって良き相談者であるだけでなく、人と犬との共生にも貢献します。検定試験の合格・登録で資格を得ることができ、セミナーや講座の受講でスキルを伸ばすこともできます。

◆ドッグライフカウンセラーの詳細はこちらから


いかがでしたか?

「ペット大国」といわれて久しい日本ですが、実際はペットやその他飼育・保護されている動物をめぐる課題への対策について、諸外国よりも大きく遅れを取っています。

動物看護師という職業も、イギリスやオーストラリア、アメリカでは既に国家資格としての運用実績が長く、日本は「愛玩動物看護師」の創設によってやっと諸外国に一歩近づいた形となります。

今後、「愛玩動物看護師」の資格がどのように運用され、社会に影響を与えていくのか、期待が高まっています。

注)制度に関する詳しい内容は今後の詳細発表をお待ちいただくか、試験の実施先にお問い合わせください。

2020年10月9日:愛玩動物看護師法の施行日を更新しました。
2021年12月13日:動物看護師が診療の補助を行える動物の詳細 ほかを更新しました。

関連タグ
#愛玩動物看護師


記事を保存するにはログインまたは会員登録が必要です

新着記事一覧へ

人気記事ランキング