職業訓練指導員（電気科・電気工事科）免許取得体験記

　 職業訓練指導員とは、ポリテクセンター等の公共職業訓練施設や民間認定職業訓練施設で、職業訓練の指導（講師）をすることが出来る資格で、都道府県知事免許です。

同免許を取得すれば、民間企業等で、後進指導に必要な高度な技能と指導力を有している技能者としての証明にもなります。

同免許は、職場で新人に仕事を教える時等にも役立ちます。

因みに、私の場合、同免許の御陰で、昔、県立技術専門校非常勤講師をすることが出来ました。

　同免許の取得方法は、大別すると３種類です。

１つ目は、指導員訓練修了者等（長期又は専門課程指導員訓練修了者、工業等の高校教諭免許取得者、所定国家資格取得者）の申請による免許取得です。

２つ目は、職業訓練指導員試験合格による免許取得です。

３つ目は、職業訓練指導員講習（通称４８時間講習）修了による免許取得です。

　この中で、一番のお勧めが３つ目の方法です。

但し、３つ目の方法は、１日８時間×通算６日間の講習を受講しないといけない為、仕事が忙しくて休みが取れない人等には、余りお勧め出来ません。

尚、同講習には受講資格が有り、免許職種に関係有る学科を履修する教育機関（高校、高専、短大、大学）卒業者で、一定の実務経験者しか受講出来ません。

私は、工業高校電気科卒の為、３つ目の方法で、電気科（平成１２年８月取得）と電気工事科（平成２６年９月取得）の職業訓練指導員免許を取得しました。

　４８時間講習最後に確認テストが行れ、それに合格しないと免許取得出来ませんが、難易度に関しては、講義内容をしっかりと聞いていれば大丈夫な為、心配無用です。

講師曰く、「合格率は、ほぼ１００％で不合格になる人は滅多に居ない」とのことでした。

私が受講した講習は、2回共、全員合格でした。

　講習内容は、講師曰く、「各都道府県によって若干異なる」とのことですが、私が受講した時は、座学＋グループワーク＋模擬授業の３本立てでした。

座学は、講師の話を座って聞いているだけです。

グループワークは、課題テーマについてグループ内で討議し、最後に、討議内容を他グループと講師の前で発表し、質疑応答対応します。

模擬授業は、３、４名一組で、講師、生徒、書記役（ホワイトボードに講師の実技指導案を記入）の三役全てを交代制でやり、皆の前で、実際に模擬授業を行います。

この模擬授業が、最難関の関門です。

受講者全員が講師役をやる為、各自、自分の免許職種に関係有る実技指導案を作成して、模擬授業を行います。

この模擬授業に関しては、講師のチェックが非常に厳しく、事細かに駄目出しをされます。

中には、講師の厳しい指摘に言葉を失い、講師のＯＫが出る迄、相当長い間、衆人環視の中、呆然自失と無言で立ち尽くしていた痛々しい受講生も居ました。

模擬授業は、講師経験者にとっては、然程、大変なことではありません。

しかし、講師未経験者にとっては、非常に大変なことだと思います。

以上