エンジニアだった私がITコンサルになった件。取得した資格や道のりを公開!【はやしかく】
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新卒でエンジニアとしてIT企業に入社した私ですが、今は独立して資格に関する話を発信したり、IT関連のコンサルタントとして企業に関わっています。
今記事では、エンジニアからITコンサルへ転身するまでに取得した資格を紹介しつつ、その道のりをご紹介!
①ITストラテジスト試験
まずは「ITストラテジスト試験」にまつわることから。「情報処理技術者試験」の高度区分の中でも、難関とされるものの1つですが、見方によっては受けやすい試験だったりもします。
試験について詳しくご紹介する前に、まずは私がどんな経緯で受験したかについてお伝えしましょう。
システム開発に携わる方の多くが経験することですが、関わりはじめたときには既に開発の方向性が決まっていませんか?
そうなると、必然的に自分ができることの範囲は狭くなってしまいますよね。「そもそもこのシステムのつくりで良いのか……」なんて疑問に思ったとしても、既に決まった方向性を変えることは難しいでしょう。
こんな場面を何とかしたいと思ったことがある方に、「ITストラテジスト試験」はおススメです。
「ITストラテジスト」を目指す多くの人と同じように、私自身もこういったいわゆる超上流の業務に就いていたわけではありません。ただ、歯がゆさは持っていて、業務をもっと良くする手伝いがしたいなと思っていました。そこで、一念発起して「ITストラテジスト試験」を受験することになったわけです。
私が当時働いていた職場では、終業後に、大手予備校の通学講座を受けられる仕組みがあり、自己負担はあったものの割安で受講できたのでそれを利用。1年目は論述式で不合格の評価をもらってしまいましたが、2年目で無事に合格できました。
その段階では、既に「情報処理技術者試験」の他区分を多く保有していましたが、「ITストラテジスト試験」においては、知識面であまり役立ちませんでした。むしろ、広い視点や考え方が問われる試験です。
多少のIT知識は必要なものの、それさえあれば、しっかり対策を行うことで十分に目指せると思います。
「ITストラテジスト試験」は、他の区分と少し異なり、ITをビジネスに役立てる知識やアプローチが求められる資格。
「データベーススペシャリスト」や「ネットワークスペシャリスト」のように、ITの中での特定分野に関して問われるのではなく、ITをどう活かすかという、外向けのアプローチです。
また、こういったスペシャリスト系の試験を終えた人を想定していることもあり、実は技術的な深い知識が試験ではあまり問われません。これは、ITの基礎知識が不要という意味ではなく、あくまでも“既に学んでいるでしょう”という前提で、ビジネス面を中心に問うものとなっているのです。
試験は、他の「高度情報処理技術者試験」と同じく、午前Ⅰ→午前Ⅱ→午後Ⅰ→午後Ⅱの4区分を1日で受けるというもの。
なかでも難しいのは、午後Ⅱの論文です。システムそのものについて詳しく述べるというより、それをどうビジネスに活かすかという“ITストラテジストとしての視点”が重要。
つい、自分が経験してきた設計や構築など、システム開発の内容面を書いてしまいがちですので、IT関連の経験がある方は少し気をつけたいところです。
これまで深めてきたITの知見を実際のビジネスの現場で活かすノウハウがないと、いわゆる頭でっかちになってしまう可能性があるので、それ避けるためにも、「ITストラテジスト試験」は役立ってくれることでしょう。
今の私にとっても、ITとビジネスを結びつけるのに大変役立っています。
②中小企業診断士
次にご紹介するのは、「中小企業診断士」です。
企業に対してさまざまなアドバイスを行う、コンサルタント的な立ち位置の国家資格。士業の多くに認められている独占業務はありませんが、その分オリジナリティを発揮して多彩な活動ができるのはメリットといえるでしょう。
私の場合は、「ITストラテジスト」の合格後、さらには「社会保険労務士」にも合格した翌年度から勉強を始め、取得までに5年かかりましたが、「中小企業診断士」試験に向けて学ぶ中で、さまざまな企業を支援していく上で必要となる幅広い知識が身につきました。
試験はまず、7科目に渡る幅広い知識が問われる1次試験から。2日間に渡り、以下7科目の試験を受けます。
A経済学・経済政策
B財務・会計
C企業経営理論
D運営管理 (オペレーション・マネジメント)
E経営法務
F経営情報システム
G中小企業経営・中小企業政策
「情報処理技術者試験」と同じく、6割が合格の基準点。全体で6割を取ればよいので、得意分野で点を稼ぐなどの戦略も重要になります。ただし、4割未満の科目があると不合格になるので要注意!
また、一定の資格を持っていると科目ごとに受験が免除される仕組みもあります。
ただ、この場合は免除された科目は60点としての扱い。得意分野でもっと点が取れるという方は、あえて免除を使わないという手もあります。
私の場合は、「応用情報技術者」以上の「情報処理技術者試験」に複数合格していたため、「F経営情報システム」免除権がありましたが、あえて使わずに、60点より上の点数を稼ぐ作戦をとりました。こういった点でも戦略が問われる試験といえます。
1次試験は非常に幅が広いので、どんな経験や知識があるかで難易度が大きく変わってきます。このため、講座や教材選びで経験談を参考にする場合は「どんな人が言っているのか」を気にしないと自分に全く当てはまらないという可能性があるのでご注意を。
2次試験は筆記と口述試験がありますが、口述試験はほぼすべての方が合格しますので、筆記試験がメイン。
2次筆記試験は、1次試験合格者から2割弱程しか合格にならない厳しいものです。正解や採点方法が公表されていないので、「どう対策すればいいのか分からない」というのが受験生を困らせています。
この2次筆記試験、私も非常に苦戦しまして、なんと5回も受験してしまいました。
最初は通信教育の添削なども使ったことがあるのですが、「ホントにこれでいいのかな?」という疑問が無くなることはなく、どうにもしっくりきませんでした。
最終的には仮説を立て、自分なりの型を身につけたことで、どうにか突破できました。
誤解を恐れずに言うならば、どの予備校や講座、テキストも、2次筆記試験については“当てずっぽう”です。正解や採点方法が公開されていない以上、仕方がありません。その中で何を信じるか、単に勉強内容だけではない難しさがあります。
このため、身近に合格者がいれば、話を聞いてみるのが一番良いでしょう。
「中小企業診断士」は、企業内で活躍する方から、独立・開業して活動する方まで、活かし方も人それぞれ。先にご紹介した「ITストラテジスト」より更に難関ではありますが、どんな場でも役立つので取得する価値はあると思います。
③DX検定™・DXビジネス検定™
最後にご紹介するのは、「DX検定™」です。新しい検定で、私自身もまだ取得はしていませんが、気になっているものの1つ。
「DX検定™」とは、毎日爆発的に増加するバズワードを学び、最先端のIT技術トレンドと、ビジネスのトレンドを幅広く問う検定です。
社会の発展・ビジネス全般に必要な、デジタル技術を身につけたい方におススメとされていて、非常に広い領域が対象となっています。
IT関連で学んだことだけではなく、さらにリスキリングを意識して、多角的な視点を養いたい人にはピッタリといえそうです。
「DX検定™」の試験はTOEICのようなスコア評価が特徴!
1000点満点中、
スコア800以上⇒「DXプロフェッショナル レベル」
スコア700以上⇒「DXエキスパート レベル」
スコア600以上⇒「DXスタンダード レベル」
に認定されます。
なお、レベル認定は2年間有効とされていて、無期限ではないので予めご注意を。
本記事の執筆時点で公開されている第10回の結果では、レベル認定は16%ほどで、84%は未達(≒不合格)ということでした。
「ITストラテジスト」などの「高度情報処理技術者試験」と同じような合格率ということになりますので、相応の対策・覚悟で臨む必要があるでしょう。
なお、より裾野を広げた「DXビジネス検定™」も別途開催されています。こちらは、「DX検定™」シリーズの第2弾といった立ち位置。
「DX検定™」の出題範囲よりさらにビジネス領域の裾野を広げ、デジタル技術をビジネスに活用したいと思う人に向けた検定試験となっています。
「DXビジネス検定™」では、公開されている累計の認定率が55%となっていて、「DX検定™」よりも認定率が高めです。なので、まずは「DXビジネス検定™」にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。
私も、まずはこちらからチャレンジしてみようと思っています。
さて、そんな経験を持つ私がLEC東京リーガルマインドで新しく開講する「ITストラテジスト試験合格講座」を少しだけご紹介。
ITに従事していない方でも、一気に「ITストラテジスト」を目指せる講座を作りました!
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文=林 雄次