注目俳優・片山友希に学ぶ吸収力の極意。現場のすべてを成長の糧に
インタビュー #気になるあの人を深堀り この記事をあとで読む
MEGUMIさんが企画・プロデュースと出演を兼ねた映画『FUJIKO』。先日発表された第28回ウディネ・ファーイースト映画祭では、最高賞を含む2冠を達成した。本作で、1977~80年代の静岡を舞台に、逆境を生き抜くシングルマザー・富士子を熱演したのが、俳優・片山 友希さんだ。
かつて右も左も分からない状態で上京した彼女が、いかにして実力派俳優としての地位を築いたのか。今回のインタビューからは、周りの人や環境からさまざまなことを吸収しながら前へと進む、片山さんならではの学びの姿勢が見えてきた。
お話を伺ったのは……
一流の背中から得る、学びの視点とは
映画『FUJIKO』の主人公・富士子は、度重なる逆境に抗い、必死に生き抜こうとする。片山さんはその姿に、京都から上京した当時の自分を重ねたという。
「上京したての頃は、友人もお金もなく、本当に何もない状態でした。それでも今日まで歩んでこられたのは、周囲の人たちに支えられ、多くのことを学ばせてもらったからだと思います」。そう語る片山さんは、俳優としてキャリアを重ねるなかで、撮影現場そのものを、学びの場として捉えてきた。
© 2026 FUJIKO Film Partners
本作で共演した岸本 加世子さんの、怒りの中に娘への愛情を滲ませる繊細な演技。あるいは、イッセー尾形さんが繰り出すアドリブの圧倒的な説得力。
片山さんは、それらをただ「すごい」と受け取るのではなく、プロの技術として細かく観察し、自身の演技に取り込んでいく。
一流のやり方を間近で見て、自分なりに吸収していく。片山さんの姿勢は、資格試験や受験勉強にも通じるものがある。
例えば、独学合格者の勉強スケジュールや、モチベーション維持の工夫、ノートのまとめ方などもその1つ。我流にこだわるだけでなく、成果を出している人の方法を素直に観察し、自分に合う形で取り入れていく。
そうした吸収力が、成長を後押ししてくれるのかもしれない。
丸暗記からの脱却。ストーリーで掴む記憶術
© 2026 FUJIKO Film Partners
本作で主演を務めた片山さんは、多くのセリフと向き合うことになった。それでも、「暗記そのものを苦労と感じることはなかった」と語る。
「『さあ覚えるぞ』という感覚はなかったです。台本が完成するまでの8カ月間、改訂のたびに何度も台本を頂いていたので、富士子の考えや感情を理解でき、自然と自分の身体に入っていった感覚でした。言葉の背景をきちんと理解をすることを大切にしています」(片山さん。以下同)。
単に言葉を丸暗記するのではなく、物語や感情の流れごと理解する。
片山さんのこうしたストーリーや背景をセットで覚える方法は、勉強で必要な暗記のヒントになりそうだ。
歴史の年号や法律の条文も、単独の情報として覚えようとするのではなく、「なぜそうなったのか」という背景や繋がりから理解していく。そうすることで、知識はただの暗記ではなく、自分の中に定着した理解へと変わっていき、忘れにくくなるのではないだろうか。
停滞期を打ち破る深掘りの思考法
主演という大役だったが、周囲がプレッシャーを感じさせない環境を作ってくれたおかげで、気負うことなく撮影に臨めたと語る片山さん。一方で、自身の性格については「気になることがあると、そのことばかり考えてしまうタイプ」と話す。
「友人からは、考えすぎだよって指摘されることも珍しくないんです。でも、それも含めて私かな、と。無理に性格を変えようとするんじゃなくて、気になることがあれば、とことん向き合いたい」。
中途半端に流さず、納得できるまで考え続けることは、ときにとても疲れる。それでも、自分の感じた違和感から目をそらさずに向き合うことが、片山さんにとっては前に進むための大切なプロセスなのかもしれない。
こうした「なんとなくで済ませない」姿勢は、学びの場面にも通じる。
勉強をしていると、分からない部分を曖昧なまま先へ進めてしまいたくなることもある。しかし、一度立ち止まって違和感と向き合うことで、つまずいている原因や、自分に足りない視点が見えてくることもあるはずだ。
一流の背中から素直に学びを吸収し、違和感があれば底まで考え抜く片山さんのスタイル。
プロデューサーのMEGUMIさんや木村 太一監督が本作の主演という大役を彼女に託したのも、演技力はもちろんのこと、こうしたひたむきに成長し続ける吸収力や真摯な姿勢に、深い信頼を寄せたからではないだろうか。
映画『FUJIKO』
6月5日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
原案・監督:木村 太一
脚本:我人 祥太、國吉 咲貴
企画・プロデュース:MEGUMI
出演::片山 友希、YOU、リリー・フランキー、MEGUMI、うじき つよし、竹下 景子 、イッセー尾形、岸本 加世子ほか
配給:Atemo
© 2026 FUJIKO Film Partners
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撮影=小松 顕一郎
スタイリスト=丸山 晃
ヘアメイク=足立 真利子
取材=斎藤 香









