起業・副業にはFPの資格が活きる!事業主に役立つおススメ資格〜前編〜
資格・検定まとめ この記事をあとで読む
★今回は、資格の学校TACと日本の資格・検定のコラボ企画第1弾として、起業・副業に役立つ資格・検定 前編をご紹介します。起業・副業をしている、また検討されている方は必見です!
「働き方改革」が推奨され「人生100年時代」が叫ばれる昨今、ライフスタイルに合わせた多様な働き方が企業側・働き手側で求められるようになりました。表Ⅰ-2で各年齢の有業率の増加が見られるように、高齢になっても働きたいと考える方や若い時から手に職をつけておこうとする方は今後も増えていくと考えられます。
ビジネスパーソンの人生において大きなウエイトを占める仕事ですが、今後どんな仕事をしてどのように働いていくのか、働き方について見直されている方も少なくないのではないでしょうか。
ビジネスパーソンの人生において大きなウエイトを占める仕事ですが、今後どんな仕事をしてどのように働いていくのか、働き方について見直されている方も少なくないのではないでしょうか。
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表Ⅰ-2 男女,年齢階級別有業率―平成24年,29年
出典:総務省「平成29年就業構造基本調査」
出典:総務省「平成29年就業構造基本調査」
そんな中、働き方の選択肢として挙がってくるのが「起業」や「副業」です。最近では副業を促す企業も増えるなど、注目が集まっています。
図Ⅰ-9、表Ⅰ-12を見ると、既に起業・副業をしている、または起業・副業を始めたいと考えている方は増加傾向にありますが、実際に起業・副業をするには納税の知識や得たお金を運用する知識、人を雇う際の知識、会社を立ち上げる場合の知識など、知っておかなければならないことはたくさんあります。
図Ⅰ-9、表Ⅰ-12を見ると、既に起業・副業をしている、または起業・副業を始めたいと考えている方は増加傾向にありますが、実際に起業・副業をするには納税の知識や得たお金を運用する知識、人を雇う際の知識、会社を立ち上げる場合の知識など、知っておかなければならないことはたくさんあります。
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図Ⅰ-9 雇用形態別副業者比率及び追加就業希望者比率の推移―平成14年~29年
表Ⅰ-12 男女,雇用形態別副業がある者,副業者比率,追加就業希望者数及び追加就業希望者比率―平成29年
出典:総務省「平成29年就業構造基本調査」
そこで今回の特集記事では、資格の学校TACとのコラボレーション記事として、起業・副業をする上で必要となるビジネススキルを効率よく身に付けられる資格・検定をご紹介します!
また、TACの講師であり、実際に資格を生かして起業されている3名の方に、その資格が起業・副業におススメできる理由などを伺いました。
起業・副業におススメの資格・検定その1 FP(ファイナンシャル・プランナー)
FP(ファイナンシャル・プランナー)はどんな資格?
お金に関する体系的な知識を、資産運用を始めとするあらゆる業務や日々の暮らしに生かせる資格です。人には就職・結婚・子育て・マイホーム購入などライフイベントに応じたお金の計画が必要です。税金・保険・資産運用・不動産といったお金に関わる知識を学ぶことで、仕事でも暮らしでも大変役立つ知恵が身に付きます。
資格を生かして活躍中の方に特別インタビュー!
執筆や講演など、資格を生かして多方面で活躍されている国分さやか氏にFPと起業・副業の関連性について詳しくお話を伺いました。
FPの資格を取得し、起業されたきっかけは何だったのでしょうか?
FPの資格を取得するまで、どちらかというとお金の知識には疎いほうでした。勤めていた会社を5、6年で辞め、その退職金で海外に行っていたのですが、その間の住民税などの支払いができておらず、かなりの額が滞納状態になっていた、なんてこともありました(笑)。当時は実家で暮らしており、お金のやりくりができている気がしていても、実際は親に頼って過ごしていたのです。
思い切って一人暮らしをしたときにお金について分からないことばかりだと気付き、お金の基礎をきちんと知りたいと考えました。そこで受検したのがFP3級です。勉強するにつれ、今まで知らなかった知識を得たり、傷病手当金などもらいそびれていたお金があったことを知ったりと、どんどん夢中になりました。
その後、以前の私のようにお金の知識不足から気付かないうちに損をしている方や、お金の不安を感じている方のサポートができるようになりたいと思うようになり、FPとして開業しました。
思い切って一人暮らしをしたときにお金について分からないことばかりだと気付き、お金の基礎をきちんと知りたいと考えました。そこで受検したのがFP3級です。勉強するにつれ、今まで知らなかった知識を得たり、傷病手当金などもらいそびれていたお金があったことを知ったりと、どんどん夢中になりました。
その後、以前の私のようにお金の知識不足から気付かないうちに損をしている方や、お金の不安を感じている方のサポートができるようになりたいと思うようになり、FPとして開業しました。
なぜ起業・副業にFPの資格が役立つのでしょうか?
起業・副業をすると、年末調整や社会保険のようなお金の管理はご自身で行う必要があります。勤めていれば会社に任せきりで済みますが、自分でお金の管理をするとなると苦手に思う方は多いのではないでしょうか。
FPでは個人が人生において関わるさまざまなお金の知識を扱います。そのため、税金や保険、ライフイベントでの出費や資産運用など、あらゆるお金の流れを把握しながら管理できるようになるので、起業・副業をする上で非常に役立つ知識が得られるのです。
税理士や社会保険労務士(社労士)の方に外部委託するとしても、お金の流れの全体像を理解していれば「これは自分でもできる」「時間がないからこれは外部に委託しよう」など、計画的に依頼することができるようになりますよ。
また、現在副業をされている方は確定申告について詳しく理解できるようになりますし、個人事業主として働いている方は今の状態から法人に切り替えるか否かの判断ができるようになります。
FPでは個人が人生において関わるさまざまなお金の知識を扱います。そのため、税金や保険、ライフイベントでの出費や資産運用など、あらゆるお金の流れを把握しながら管理できるようになるので、起業・副業をする上で非常に役立つ知識が得られるのです。
税理士や社会保険労務士(社労士)の方に外部委託するとしても、お金の流れの全体像を理解していれば「これは自分でもできる」「時間がないからこれは外部に委託しよう」など、計画的に依頼することができるようになりますよ。
また、現在副業をされている方は確定申告について詳しく理解できるようになりますし、個人事業主として働いている方は今の状態から法人に切り替えるか否かの判断ができるようになります。
FPの資格そのものを起業・副業につなげるには?
FPの資格を生かしたお仕事は、大きく相談(聞く)・講演(話す)・執筆(書く)の三つに分けられます。その中でも執筆は需要が高く、最近ではSEO対策などでWEBライティングの依頼も増えているので、初心者でも取り組みやすいと思います。
私の場合は無料でも記事の作成を積極的に引き受け、執筆の腕を磨きつつ実績を増やし、1年ほどで収入につなげられました。
お金周りの相談や講演といった人前で話す活動は少しハードルが高いと思いますので、慣れるために日本FP協会が主催しているFPフォーラムといったイベントのボランティアなどで経験を積むことをおススメします。私もはじめはさまざまなボランティアで相談を受けたり講演をしたりしていましたが、そこで出会った方から直接相談の依頼や講演の機会をいただくことが少しずつ増えるようになりました。
資格を取得したからといってすぐに収入につなげることは難しいかもしれませんが、着実な一歩が将来の自分の活動につながると思います。
私の場合は無料でも記事の作成を積極的に引き受け、執筆の腕を磨きつつ実績を増やし、1年ほどで収入につなげられました。
お金周りの相談や講演といった人前で話す活動は少しハードルが高いと思いますので、慣れるために日本FP協会が主催しているFPフォーラムといったイベントのボランティアなどで経験を積むことをおススメします。私もはじめはさまざまなボランティアで相談を受けたり講演をしたりしていましたが、そこで出会った方から直接相談の依頼や講演の機会をいただくことが少しずつ増えるようになりました。
資格を取得したからといってすぐに収入につなげることは難しいかもしれませんが、着実な一歩が将来の自分の活動につながると思います。
働きながらできるおススメの勉強法はありますか?
一番は隙間時間でコツコツ勉強を進めるということです。学科試験向けの基礎知識の学習は毎日の通勤時間を活用したり、電卓を使うような実技試験向けの学習では記憶が定着しやすい寝る前の時間に少しずつ進めて、朝起きたときに軽く復習したりする、というように覚えることよりも忘れないことを意識することが合格への近道となります。
反対に、一日3時間~4時間を使って一気にテキストを進めたり、休日だけ一日中勉強をしたり、という方もいるようですが、それはあまりおススメしません。そうすると、まず前回学習したことを思い出す段階から勉強を始めないといけないので効率が良くないのです。
また、テキストだけを読み込むのではなく、問題集なども利用して、インプットとアウトプットのバランスをしっかりと取りましょう。
反対に、一日3時間~4時間を使って一気にテキストを進めたり、休日だけ一日中勉強をしたり、という方もいるようですが、それはあまりおススメしません。そうすると、まず前回学習したことを思い出す段階から勉強を始めないといけないので効率が良くないのです。
また、テキストだけを読み込むのではなく、問題集なども利用して、インプットとアウトプットのバランスをしっかりと取りましょう。
最後にメッセージをお願いします!
これからは収入を一つの企業に頼らない方が増えると言われていますが、起業・副業を考えているのであればFPの知識はあなたの助けとなるでしょう。FPで学ぶ税金や保険・年金などは起業・副業をする上で必要な知識なので、人生のどこかでは絶対に勉強した方が良いと思います。
また、FPとして起業・副業をしない場合でも、知っていたら得する知識がたくさん身に付きます。お金の知識があれば賢く得をすることができますし、資格取得は早ければ早いほどおススメです。
起業・副業への動きが高まれば高まるほどFPのお仕事自体も増えていきます。副業に柔軟な考え方をする企業も増加傾向にありますので、本職以外に収入源を持ちながら自分の能力を生かすチャンスにもなりますよ。
みなさんもぜひFPを学んで、今後の人生に役立ててみてください。
また、FPとして起業・副業をしない場合でも、知っていたら得する知識がたくさん身に付きます。お金の知識があれば賢く得をすることができますし、資格取得は早ければ早いほどおススメです。
起業・副業への動きが高まれば高まるほどFPのお仕事自体も増えていきます。副業に柔軟な考え方をする企業も増加傾向にありますので、本職以外に収入源を持ちながら自分の能力を生かすチャンスにもなりますよ。
みなさんもぜひFPを学んで、今後の人生に役立ててみてください。
起業・副業におススメの資格・検定その2 行政書士
行政書士はどんな資格?
国民と行政のパイプ役を担う法律の専門家です。権利義務や事実証明に関する書類を作成する「書類作成業務」「許認可申請の代理」、そしてクライアントからの相談を受け、アドバイスを行う「コンサルティング業務」を行い、クライアントをトータルサポートしていきます。
講師のご紹介
行政書士の資格が起業・副業におススメの理由
行政書士の業務の一つ「書類作成業務」には、会社設立に関する書類作成も含んでいます。起業や副業の際に必要な書類が自分自身で作成できるようになるのは大きなアドバンテージであるため、起業・副業との相性が良い資格だといえます。
もちろん、資格を生かして独立開業することも可能です。行政書士として起業する上でのメリットは、業務範囲が広く自分の興味がある分野での仕事ができることです。最近では民泊手続きや入管業務など、社会の変化に合わせて次々と新しい業務が出てきているので、今後もさまざまな場面での活躍が期待できます。
ただし、行政書士の専門業務への認識が世間ではまだ薄く、個人で直接的な依頼を獲得するのには工夫を要するのが実情です。
行政書士の資格を生かした副業では短期間で解決できる仕事を選びやすく、業務時間を自らコントロールすることができます。会社に勤めながらでも無理なく働けるため、副業にも非常に適しています。
もちろん、資格を生かして独立開業することも可能です。行政書士として起業する上でのメリットは、業務範囲が広く自分の興味がある分野での仕事ができることです。最近では民泊手続きや入管業務など、社会の変化に合わせて次々と新しい業務が出てきているので、今後もさまざまな場面での活躍が期待できます。
ただし、行政書士の専門業務への認識が世間ではまだ薄く、個人で直接的な依頼を獲得するのには工夫を要するのが実情です。
行政書士の資格を生かした副業では短期間で解決できる仕事を選びやすく、業務時間を自らコントロールすることができます。会社に勤めながらでも無理なく働けるため、副業にも非常に適しています。
杉山先生からのメッセージ
行政書士会の高齢者支援へのキャッチコピーは「人生100年あなたに寄りそう行政書士」です。行政書士資格は、他人の人生100年も自分の人生100年も豊かにできる可能性を秘めています。ぜひ資格取得にチャレンジしていただき、新たな人生の一歩を踏み出してください。
起業・副業におススメの資格・検定その3 社会保険労務士(社労士)
社会保険労務士はどんな資格?
企業が発展するための重要なパートナーです。企業経営上の4大要素「人・物・お金・情報」の中で一番重要な「人」に関するエキスパートとして活躍します。労働社会保険諸法令に基づく申請書や帳簿書類などの作成、労務面から経営上の問題点を指摘して、改善策の助言を行います。
講師のご紹介
社会保険労務士(社労士)が起業・副業におススメの理由
起業して会社が成長したら、いずれは人を雇用し、組織や制度を整えていく必要があります。社労士は会社経営の要素のうち、「人」に関する管理業務を専門とするので、資格取得で自分の会社の人材管理や教育などに対応できるようになります。
また、社労士の資格を生かして独立開業するとなると、主に中小企業をクライアントとして顧問契約を結ぶ(人事部の機能を代行する)のがオーソドックスなスタイルです。顧問契約は毎月定額で顧問料を支払うのが一般的であるため、安定的な収入を確保できるでしょう。
副業ならば人事労務のスペシャリストとして活躍したり、定期的に開催される労働問題や年金に関する相談会の相談員として、スポットで働いたりすることも可能です。社労士はクライアントと直接向き合い感謝される仕事なので、仕事にやりがいを求める方にうってつけの資格でしょう。
また、社労士の資格を生かして独立開業するとなると、主に中小企業をクライアントとして顧問契約を結ぶ(人事部の機能を代行する)のがオーソドックスなスタイルです。顧問契約は毎月定額で顧問料を支払うのが一般的であるため、安定的な収入を確保できるでしょう。
副業ならば人事労務のスペシャリストとして活躍したり、定期的に開催される労働問題や年金に関する相談会の相談員として、スポットで働いたりすることも可能です。社労士はクライアントと直接向き合い感謝される仕事なので、仕事にやりがいを求める方にうってつけの資格でしょう。
安藤先生からのメッセージ
働く人に関する悩み・問題は尽きることがありません。今後は従来の事務手続き業務に加えて、コンサルティング業務のニーズが高まることは必至です。
コンサルティングと聞くと敷居が高く感じる方もいるかもしれませんが、ご自身の経験と法律知識から企業も人も幸せになれるように、共に考えアドバイスをすることから始まります。「働き方改革」と言われている現代、「人」に関する国家資格「社会保険労務士」の可能性は広がっています。ぜひチャレンジしてみてください。
コンサルティングと聞くと敷居が高く感じる方もいるかもしれませんが、ご自身の経験と法律知識から企業も人も幸せになれるように、共に考えアドバイスをすることから始まります。「働き方改革」と言われている現代、「人」に関する国家資格「社会保険労務士」の可能性は広がっています。ぜひチャレンジしてみてください。
いかがでしたか。
一言で「起業」「副業」といっても、ただ自分の得意なことをすればよいというだけではなく、法的・人的・金銭的な管理も重要であることがお分かりいただけたかと思います。このような経営管理は外部の方に頼むことも可能ではありますが、資格を通して知識を身に付ければ、ビジネスの見通しを立てたり、クライアントからの信頼を集めたりすることにもつながります。
来月の後編では、経営の基礎を知ることのできる資格や金融機関との交渉時に使える資格を中心に、引き続き「起業」「副業」に役立つ資格をご紹介しますので、乞うご期待ください!
一言で「起業」「副業」といっても、ただ自分の得意なことをすればよいというだけではなく、法的・人的・金銭的な管理も重要であることがお分かりいただけたかと思います。このような経営管理は外部の方に頼むことも可能ではありますが、資格を通して知識を身に付ければ、ビジネスの見通しを立てたり、クライアントからの信頼を集めたりすることにもつながります。
来月の後編では、経営の基礎を知ることのできる資格や金融機関との交渉時に使える資格を中心に、引き続き「起業」「副業」に役立つ資格をご紹介しますので、乞うご期待ください!
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