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コロナ禍で資格取得はどう変わる?1300人へのアンケートで見えた資格試験と新型コロナ

学習ノウハウ #資格・検定に関するアンケート2021

コロナ禍で資格取得はどう変わる?1300人へのアンケートで見えた資格試験と新型コロナ
この記事では、コロナ禍で変化した学習習慣や資格試験のニーズについて1300人にアンケートを行った結果をご紹介。ぜひ最後までご覧ください。
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コロナ禍の学習時間は自宅の環境や家族に左右される?

「コロナ禍の影響を受けて、学習にかける時間に変化はありましたか」という質問には54.8%が「変わらない」と回答しています。

その一方で、「(コロナ禍で学習に掛ける時間が)増えた」と答えた回答者と「(コロナ禍で学習に掛ける時間が)減った」と答えた回答者の間には自宅の学習環境による大きな差が現れました。

まず「増えた」と答えた回答者からは、
「自粛や在宅勤務で自宅にいる時間が増え、学習に活かせた」「就業後に外出をすることがなくなって、帰宅後の時間を学習に回せるようになった」

など、外出の自粛で増えた自宅での時間を学習に充てられたとのコメントが挙がっています。

反対に、「減った」と答えた回答者からは
「コロナ禍で家族が家にいる時間が増え、集中できなくなった」
「コロナ禍の前は喫茶店などで勉強していたが、外出が難しくなって勉強をやめてしまった」

など、自宅では集中しづらい事情があるケースが多く見受けられました。

職業別でみると、特に専業主婦・主夫を選択した回答者からは
「家族が在宅ワークになったことで家事が増え、自宅で集中して学習することが難しくなった」「子どもが家にいる時間が増え、自分の時間が減ってしまった」

というコメントが目立ちました。

コロナ禍における専業主婦のストレス度を調べたリクルートの「夫婦関係調査2021」※でも、専業主婦・主夫世帯、および兼業主婦・主夫の妻における「心理的ストレス」や「身体的疲労感」が大幅に高まっているとされており、コロナ禍での学習の難しさもその一因となっているのかもしれません。
夫婦関係調査2021(リクルートブライダル総研調べ)/リクルート ブライダル総研


学習意欲が高まった回答者は43.5%も、モチベーション維持は難しい?

「コロナ禍の影響を受けて、学習意欲はどのように変化しましたか」という質問に対しては、約半数が「変わらない」と回答した一方、43.5%が「かなり高まった」「少し高まった」と回答しています。

しかし、「高まった」と答えた回答者からも
「外出などの息抜きができない状態で学習のモチベーションを保てない」「試験が中止や延期になってやる気がなくなってしまった」

などのコメントが寄せられ、モチベーション維持の面での難しさが目立ちました。


コロナ禍で一番の人気資格は「日商簿記検定」「FP」

「コロナ禍※で取得した資格があれば教えてください」という質問に対して、同率で最も多く挙げられたのは日商簿記検定とファイナンシャル・プランナー(FP)でした。
※2020年4月以降

特に、FPはビジネスでの活用だけではなく、家計の管理や金銭面での人生設計にも役立つと人気の資格です。

明治安田生命の調査※では、調査対象者の37.3%が「(コロナ禍で)年収がダウンした」もしくは「将来ダウンする(と感じる)」と回答するなど、年収ダウンを実感している方が少なくありません。
明治安田生命 「家計」に関するアンケート調査を実施/明治安田生命

加えて、生活様式の変化に伴い支出・出費のバランスが変わりつつあるといわれる中、改めてお金の知識を得たいと考えた方が多かったようです。


COLUMN:コロナ禍で延べ260以上の試験に影響が

2020年3月から2022年1月までに延期や中止を含む何らかの影響を受けた試験は延べ260件以上※となっています。
【随時更新】新型コロナウィルス感染拡大に伴う資格・検定試験の中止・延期情報まとめ 2021年9月時点/「日本の資格・検定」
※日本国内の受験者を対象にした海外主催者による試験のほか、国内主催者による試験のうち、海外の会場で実施の試験も含む

特に、司法試験や弁理士試験、英検やTOEIC、秘書検定をはじめとして、進学、就職・転職、昇進など、今後のキャリア形成に関わる試験の相次ぐ延期や中止で、受験希望者に大きな負担や損失が強いられたことは言うまでもありません。

一方、試験の延期や中止などの背景としては、緊急事態宣言の発令や感染拡大の中で大人数が集まることを避ける目的のほか、試験会場となる大学や公共施設が閉鎖されて使用できない、という主催側の事情もあったようです。

試験の開催準備が整った後に緊急事態宣言の発令や感染の急拡大が起こった場合、試験の中止や延期に伴う主催側の負担も大きく、一部の主催団体では試験存続のためのクラウドファンディングや寄付金の募集などが実施された例もありました。

コロナ禍は、受験者だけではなく、試験を主催する側にも大きな影を落としたといえるでしょう。



全5回の連載はこちらで最終回となります。
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アンケート回答者の基本データ

募集方法:インターネット
募集期間:2021年7月7日~8月16日
回答総数:1308件

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