日本の資格・検定

公式記事

国家資格・キャリアコンサルタントとは?おススメのダブルライセンスをチェック!

資格・検定特集

国家資格・キャリアコンサルタントとは?おススメのダブルライセンスをチェック!
★資格の総合スクール(株)東京リーガルマインドと日本の資格・検定のコラボ企画第4弾として、キャリアコンサルタントにスポットライトを当て、今後の活躍の可能性についてご紹介していきます。

2016年4月に国家資格となった「キャリアコンサルタント」。
国家資格には弁護士や行政書士といった歴史ある資格が多い中で、民間資格から国家資格になり注目されている資格です。
そのため、取得後にどのような仕事ができるのか、働き方があまり浸透していないキャリアコンサルタントですが、実際のところ、国を挙げての取り組みが進められている「働き方改革」などのさまざまな政策において、働く人のキャリア形成支援という大変重要な役割を担っています。

人生100年時代が目前に迫っている今日、人々が多様な価値観に基づいてキャリアを選択するようになりつつあり、社会や働き方の変化を見据えたキャリア形成支援が必要です。そこで活躍するのがキャリアコンサルタントなのです。

そんなキャリアコンサルタントについて、どのような仕事なのか、そして将来キャリアコンサルタントとして活躍するための秘訣やWライセンスの可能性について、LECの講師である大森智美講師と西脇奈保子講師にお話しを伺ってきました!

講師プロフィール

大森智美講師
高校生からライフル射撃の選手として活躍。
選手引退後はライフル射撃のコーチとして、現在は東京都国体監督として選手の指導・育成に携わっている。
2003年からパソコン等の職業訓練講師、2012年キャリアコンサルタント資格取得後は、職業訓練専属キャリアコンサルタントとして就職率UPに貢献。

現在は、就職支援セミナー、高校生就職ガイダンス講師を経て、キャリアコンサルタント養成講座、キャリアコンサルタント試験対策講座の講師として従事。

西脇奈保子講師
LEC入社後、公共事業本部マネージャーとして、厚生労働省、自治体からの委託による就労支援事業、研修・講習運営事業を複数統括する。就労支援事業においては、長期失業者、若年非正規就労者、シニア人材、生活困窮者・生活保護受給者等、さまざまな相談者に対するサポート経験を持つ。キャリアコンサルタント統括、スタッフのマネジメントも担当してきた。

現在はキャリアコンサルタント課に所属し、キャリアコンサルタント養成講座講師、講座の企画・運営・営業も担当している。キャリアコンサルタント更新講習の企画・運営、講師の採用や育成にも取り組む。

キャリアコンサルタントは「自分らしく生きる」を支援するキャリアの専門家

「人生そのもの、生まれてからすべてがキャリア」。

こういうと少し大げさな感じがしますが、働き方・ライフスタイルが多様に選択できるようになった現在、若年層から高齢者まで、自らのキャリアについて真剣に向き合わなければいけない時代になりました。

終身雇用制度が一般的だった戦後からバブル期にかけては、一度企業に正社員として就職しその企業に帰属することで、生活は保障されていました。人材教育においては、企業内で活躍できる知識・スキルの習得・定着を目標とし、キャリア形成についても年功序列の下で、企業の中で終始一貫させることができました。

しかしながらバブル崩壊後、終身雇用・年功序列制度が崩壊し雇用が流動化すると、企業に生活の保障を求めることは難しくなり、企業内でのキャリア形成ではなく、個人としてのキャリア形成が求められるようになりました。

そのような社会的な動きの中で、キャリアコンサルタントは職業生活設計や職業の選択、スキルアップの支援に加えて、個人が生涯にわたって自己実現する課程(=キャリア)を支援する役割を担うようになったのです。

2002年から、厚生労働省により認定された10団体によるキャリアコンサルタントの養成講座が実施され、2008年からは国家検定キャリアコンサルティング技能士制度がスタートしました。そして、労働人口確保やワークライフバランスの充実を目標とした「働き方改革」が国の施策として始動し、2016年4月にキャリアコンサルタントは国家資格に。キャリアコンサルタントの育成に力が入れられるようになりました。

超高齢社会・テクノロジーの進化・グローバル化など、日々刻々と社会が変化する中で、中学生、さらには小学生のうちから将来のキャリアについて考えなければいけない時代が到来し、キャリアコンサルタントに期待される役割は年々大きくなっています。

さまざまな分野で求められるキャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントの活躍の舞台は、一般企業、人材サービス業、公的機関での相談業務、キャリア教育分野、独立・開業、定年後のセカンドライフ・社会貢献・ボランティアと多岐にわたっています。

ここ数年は特に、企業内での「セルフ・キャリアドック制度(労働者のキャリア形成の促進と支援を目的に定期的にキャリアコンサルティングを提供する制度)」の導入を促進するため、この制度を実施する企業に対して人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)を支給する助成金制度が活用され、企業内でのキャリアコンサルティング機会の提供が進んできました。

また、社員のワークライフバランスの向上、うつ病未然防止等のためのメンタルヘルスのケアといった点でも企業においてキャリアコンサルタントが活躍しています。

加えて、活発化する人材サービス業でも、2015年9月に労働者派遣制度が改正※されたことで、派遣会社でもキャリアコンサルタントの需要が高まっています。
※派遣会社にキャリアコンサルティングの相談窓口を置くこと、相談窓口にはキャリアコンサルティングの知見をもつ者の配置が規定されました。詳しくはこちらをご覧ください。

他にも、専門実践教育訓練給付の対象講座として指定※され短期間(3か月〜6か月程度)・低予算で取得できる点や、小・中学校からのキャリア教育の導入が始まり教員の受講者も増えている点から、社会全体から個人のキャリア形成について注目が集まり、キャリアコンサルタントへの期待の大きさがうかがえます。
※これまで一般教育訓練の対象講座として受講料の20%が給付されていましたが、専門実践教育訓練給付制度の対象講座となり2017年12月までは最大60%、2018年1月からは最大70%まで給付が拡大されました。詳しくはこちらをご覧ください。

理論的なコミュニケーション力で「気づき」を引き出すスキルを身に付ける

キャリア形成について世間の関心が高くなり、重要性や期待度が大きくなっているキャリアコンサルタント。コンサルタント、コンサルティングというと、コミュニケーション力が必要不可欠なスキルとなってくるのですが、実はコンサルティングで必要とされるコミュニケーション力は、キャリアコンサルタントの学習や養成講座の受講を通して理論的に習得することができるのです。

例えば、相談事というと一般的には「何となく女性の方は相談しやすい」といった印象を持つ方が多いと思います。ところが、キャリアコンサルタントの養成講座で、最初に学ぶのは「うなずき」や「優しい視線」など、相談しやすい雰囲気・環境作りなので、男性でも相談者との関係構築に必要なスキルを習得することができます。

キャリアコンサルティングにおいて、最も大事なことは相談者の「気づき」を引き出すことです。自分の考え方を主張するのではなく、相談者の声にしっかりと耳を傾け、本人が気づいていない長所や、本当は何がやりたいのか、どんなキャリアを歩みたいのかなど、相談者自身が考えや気持ちを整理し、自ら気づくことを支援することが、相談者の今後の進路やキャリアの定着の鍵を握っているのです。

特に人の将来に関わる相談を受けるためには、高度なコミュニケーション能力が必要であると高い壁を感じてしまう方もいるかもしれませんが、傾聴力や本音を引き出す力は理論的に身に付けることができます。
ここで培われるコミュニケーション力傾聴力といったヒューマンスキルが対人業務全てで役に立つスキルであると言えます。
実際に、キャリアコンサルティング業務の従事者以外にも、受付窓口や営業職といった傾聴力が求められる職業の方もキャリアコンサルタント養成講座を受講しています。

まずは自分のキャリアと向き合い、開拓者精神で活躍の道を見出していく

相談者のキャリア形成のサポートを行うキャリアコンサルタントですが、意外にも最初に通らなければいけないのが、自分のキャリアと向き合う、ということです。

キャリアコンサルティングという概念が日本に浸透してまだ数十年、さらにキャリアコンサルタントが国家資格として制度化されてからも数年しか経っていない現在、キャリアコンサルタントに求められている役割も刻々と変化し、多様化しています。相談業務といっても、活躍のステージはさまざまで、キャリアコンサルタントとしての働き方が確立されているわけではありません。社会情勢が大きく変化していく中でどのように生計を立てていくのか、キャリアアップをしていくのか、まず始めにキャリアコンサルタント自身が自らのキャリアを作っていかなければなりません。活躍のステージが広がる中で、成功して身を立てるためには自分で未開の地を切り拓く開拓者精神も大切です。

キャリアコンサルタント資格取得者の中にはWライセンスを持って独立開業し活躍されている方も多くおり、保育事業専門の社会保険労務士や、酒類・飲食業界を専門にしている行政書士といった方もいます。他にも社員のメンタルヘルスケアのために取得された社長さんなど、キャリアコンサルタントの資格を活かして成功されている方々は、みなさん自らのキャリアと向き合い、キャリアを切り拓き、事業を拡大しています。

世の中の情勢やニーズを読み取り、自分の強みやネットワークを上手に使うことで、キャリアコンサルタント自身のオリジナルなキャリア形成が成功するのではないでしょうか。

人生色々、キャリアもいろいろ。AIにはまねできない人間力で人生100年時代を生きる、支える

さて、AI(人工知能)の発展に伴い、大手企業をはじめとして大規模な人員整理が進んでおり、この先日本は更なる変革期を迎えます。大量なデータ処理やマニュアル化しやすい業務の代替を得意としているAIは、官公庁に提出する申請書類の作成等を行っている士業やルーティンワークが多い事務系職種等にとっても大きな脅威の一つと言われています。

しかしながら、生身の人間の人生と向き合い、本人が気づいていない自身の長所や考え方、なりたい姿などに目を向けられるよう「気づき」を支援するキャリアコンサルタントの人間力、ヒューマンスキルは、AIにとって代われない能力です。

人生100年時代に生きる私たちは、AIの進化といったテクノロジーや、雇用の流動化、ワークライフバランスといった新しい考え方と向き合いながら、キャリアを形成していかなければなりません。このような時代の変革の狭間において、キャリアコンサルタントの学習を通じて得られるヒューマンスキルで自らの人生を切り拓き、社会をサポートしてみてはいかがでしょうか。

キャリアコンサルタントで培ったヒューマンスキルをWライセンスで活かす

最後に、キャリアコンサルタントで培われる傾聴力、コミュニケーション力といったヒューマンスキルは、全ての士業の基礎となり、相乗効果をもたらします。特に相談者の課題や悩みを聞き取り解決しなければならない弁護士や行政書士といった士業の業務では大いに役立てられます。

もちろん、ヒューマンスキル以外でもキャリアコンサルタントの資格を得ることで職務領域を広げることができるので、キャリアコンサルタントはWライセンスにうってつけの資格であると言えるでしょう。

キャリアコンサルタントとのWライセンス例

キャリアコンサルタント × 弁護士/司法書士/行政書士/中小企業診断士/公認会計士/税理士/その他あらゆる「士業」

AIに代替できない「傾聴」「コミュニケーション」の力で相談者からの安心・信頼を勝ち取る!

相談者は安心・信頼できる相手に悩みを打ち明け、頼りたいと思うものです。いかなる士業として活躍する場合であっても、相談者から安心・信頼を得ることが、仕事の獲得につながります。キャリア形成支援のコンサルティングを行うキャリアコンサルンタトが有する「傾聴」「コミュニケーション」「相手を受容する」力は、AIにも代替できない、人にしか実現できない付加価値になることでしょう。

キャリアコンサルタント × 社会保険労務士(社労士)

キャリコンを取得して、助成金関連業務のスペシャリストになる!

国家資格になったことを機に「キャリコン」×「社労士」のWライセンスの人気が急増しています。助成金関連業務に特化して活躍している社労士もいます。もちろん、人事・労務管理のスペシャリストである社労士と従業員のキャリア形成支援を行えるキャリコンの相性は抜群ですので、Wライセンスによって経営者からも従業員からも必要とされる人材になることができます。


このように、キャリアコンサルタント資格を活用できるWライセンスの種類は多く、他の資格との親和性が高く、他の資格を補完できる資格といえるでしょう。ぜひヒューマンスキルの基礎力アップにキャリアコンサルタントを活用してみてください。

国家資格キャリアコンサルタントの基本的情報

受験資格

キャリアコンサルタント試験は、次のいずれかの要件を満たした方が受験できます。

・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し、3年以上の経験を有する者
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
・上記の項目と同等以上の能力を有する者

試験の日程と試験会場

年3回(7月、11月、3月)実施予定です。
試験に関する日程や会場については、試験実施団体へお問い合わせください。

特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会
https://www.career-cc.org/
特定非営利活動法人日本キャリア開発協会
https://www.jcda-careerex.org/information/schedule.html

試験の特徴

 キャリアコンサルタント試験は、職業能力開発促進法に基づき、厚生労働大臣の登録を受けた試験実施団体(キャリアコンサルティング協議会と特定非営利活動法人日本キャリア開発協会)が実施する国家試験です。学科試験と実技(論述および面接)試験で行われ、個別の受験が可能です。

学科試験と実技試験の両方に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録することにより「キャリアコンサルタント」として名乗ることができます。なお、学科試験は、同一日に共通問題で行います。

直近(第19回)のキャリアコンサルタント試験の合格率は学科試験は61.6%、実技試験は61.1%となっています。

試験科目

・学科試験 8,900円
四肢択一のマークシート 50問/100分
実技試験 29,900円

・論述試験
記述式回答(事例記録を読み、設問に解答する) 1ケース/50分

・面接試験
ロールプレイ1ケース/15分(受験者がキャリアコンサルタント役となり、キャリアコンサルティングを行う)
口頭試問5分(自らのキャリアコンサルティングについて試験官からの質問に答える)

キャリアコンサルタントが必要とされる背景

社会環境の変化:
ここ10数年の間に日本の経済、及び、社会環境は大きく変化しました。バブル景気とその崩壊を経て、08年にはリーマンブラザーズの経営破綻をきっかけとした世界同時不況が始まりました。

そのような長い経済不況により、日本企業古来の雇用制度である終身雇用制度、年功序列の慣行は失われつつあります。雇用環境は大きな変化を遂げようとしています。

個人の変化:
一方各個人の仕事観にも変化が現れてきています。“ワークライフバランス”という単語に代表される、仕事だけでなく、余暇、人生の楽しみも重視する考え方や、自分の望む生き方に合わせた職業選択も少しずつ浸透し始めており、価値観は多様化しています。

このような社会、各個人の変化により、日本ではさまざまな働き方が選択可能になりました。しかし、それと同時に1つの企業・組織における継続的・安定的な雇用状態を維持し、自らのキャリアを完結させることは、困難になりつつあります。自らの価値観・職業観・人生観に基づいて、自らキャリアを形成していく必要性が生じてきています。

参考ホームページ:LECキャリアコンサルタント
http://www.lec-jp.com/caricon/about/work.html

国家試験キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士の違い

<資格が証明する方向性が異なっています>
キャリアコンサルティング技能士とは、優れたキャリアコンサルティング技能・知識のレベルの到達度を証明する資格であるのに対し、キャリアコンサルタントは、一定のキャリアコンサルティング技能を有したうえで、法律に則って守秘義務を守り、継続的に技能・知識を学習・研鑽している専門家であることを証明する資格です。いずれも同じ分野の資格ではありますが、それぞれの資格が証明する方向性が異なっています。

<保持している技能・知識のレベルが異なっています>
技能検定は、1級(指導者レベル)、2級(熟練レベル)と技能・知識の到達度がレベル分けされており、いずれのレベルも、国家資格キャリアコンサルタントに求められるレベルよりも上位に位置づけられています。国家資格キャリアコンサルタントの中には技能士の資格を保持されている方も含まれていますので、両方の資格を保持されているキャリアコンサルタントは、より卓越した技能・知識で法律に則った活動を行っているキャリアコンサルタントということができます。

特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会のHPより引用

◇国家資格キャリアコンサルタントの取得・学習方法の詳細はこちら
講座説明会も実施しています。
予約不要です。 キャリアコンサルタント資格、講座の内容、受講料金(割引制度)など、詳しくご説明しますので、お気軽にご参加ください。


記事を保存するにはログインまたは会員登録が必要です

関連タグ
#LEC #キャリコン

新着記事一覧へ

人気記事ランキング

関連記事