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新入社員がエコ検定を受験!社内のエコ活動にどう活かした?

インタビュー

新入社員がエコ検定を受験!社内のエコ活動にどう活かした?

この数年間で急速に社会に浸透したSDGs。今や、SDGsへの取り組みが企業の利益やイメージにも影響するまでになりました。

とはいえ、企業内のSDGs活動において、「そもそも何から手を付けて良いのか分からない」という声もちらほら。

そこで今回は、新入社員が「eco検定(環境社会検定試験)®(以下エコ検定)」を受験し、その知識を社内での取り組みに活かしている都内のIT企業に潜入。受験までの勉強方法と併せてお話を伺いました。

お話を伺ったのは…

都内IT企業 エコ担当チームの皆さん
画面左から、今井さん、筒井さん、和田さん、藤本さん、(仮名)

新卒で入社後、全員で「エコ検定」を受験。それぞれが社内のエコ活動のアイデアを出し合い、日々実践中。会社周辺のランチスポットから仕事の悩み相談まで、日頃からコミュニケーションを欠かさない仲良し同期。

「エコ検定」の勉強。身近な内容から深掘りの知識まで


――皆さん、「エコ検定」の受験、お疲れ様でした。「エコ検定」はビジネスシーンでも使える環境知識を学ぶ検定試験ということですが、新入社員の皆さんにとって、内容はいかがでしたか?


思ったよりも難しかったです。それに、覚えることが多かったので、暗記の苦労もありました。

ただ、内容を見ていくと、温暖化の話題や生物多様性、エネルギー問題など、学生時代に習った内容をベースにより深い知識を学ぶ部分がほとんど。

そういったこともあり、「この環境問題の原因はこれだったのか!」というふうに、どんどんテキストを読み進めてしまいました。

――もともとの知識を深めることができたんですね! 他の皆さんは、興味深かった話題や苦労した点などありましたか?


確かにNPO団体の略称や重要な会議の名称は混乱しやすく、覚えるのが難しかったです!頭の中を整理しながら進めました。

一方、昔家族と植樹体験をしたことがあったので、森林保護の内容は勉強していて面白かったです。

当時はただ「木を植えると環境に良い」くらいの知識しか無かったのですが、「エコ検定」の勉強を通して、大気汚染対策だけではなく、土砂災害や洪水を防いだり、雨として降った水をろ過したり、その木に生き物が住めば生物多様性にも貢献して、最後は木材になる……と1本の木がさまざまな役割を果たすことを知り、驚きました。


私が一番興味深かったのは、企業や自治体の取り組みの中で私たちにメリットのある活動が意外と多いこと。エコな暮らしを意識した方がお得かもしれないとさえ感じました! 

受験後に調べてみたのですが、私の住んでいる町にも環境保護に関する条例があって、エコ家電やEV車を購入するときに補助金が支給されたり、家の庭を緑化するのにも助成金が用意されたりしているようです!

また、「グリーン消費」や「ESG投資」という言葉も、「エコ検定」のテキストで初めて知ったことの1つです。毎日の買い物や投資の考え方として役立ちそうだと思いました。

勉強で苦労した点としては、私自身がそもそも文系出身なので、自然界での水の循環の話題や、公害の解説で出てくる化学物質の名前に少しドキッとしたあたりでしょうか(笑)。

――皆さんそれぞれ自分の身近な内容とリンクさせて「エコ検定」の勉強を進めたんですね。筒井さんはいかがですか?


実は「環境問題の勉強」と聞いてハードルが高く感じてしまい、まずは自分が興味のある生物多様性の分野から勉強を始めました。

幼いころから動物や植物が好きなので、環境問題が生き物に与える影響は以前から気がかりだったんです。

「エコ検定」の勉強を通して、世界中が生き物を守るためにどのような取り組みをしているのかをはじめ、人と生き物の歴史や生物学、政治にまつわる話題など、多角的な視点からの知識を得ることができました。

単に生き物を守るだけではなく、生態系のあり方や人との共存、生き物が住む環境の守り方などさまざまな考え方を得られたことも大きな収穫だったと思います。

社内のエコ活動、どんなことをした?

――好きなことや関心のあることから学び始めると、自然と勉強に身が入りますよね。では、学んだ知識が会社内のどのようなエコ活動に繋がったか教えてください。


私は総務担当の方と協力して、会社の備品をグリーン購入に切り替える活動を始めました。

備品リストの中で、もうすぐ切らしてしまいそうなものを中心に「個包装されていない」、「繰り返し使える」「生産時・使用時・廃棄時に環境負荷が少ない」などの条件に沿って新たな商品を探し、総務担当の方に連携しています。

グリーン購入を意識して選んだ商品の方がお洒落なデザインだったり、お得だったりして、選ぶ楽しさがありますよ(笑)。

私は印刷物を減らせるよう、紙ではなく、ディスプレイを使ってプレゼン資料を見せるようにしています!

もともと営業先に提出する紙の資料を作る際には「見開きできれいに見えるように」「A4で収まり良くなるように」など細かな調整で時間を取られていました。

ディスプレイのみで資料を見せることになってからは、月100枚程の紙を節約できる上、作業時間も短縮できて一石二鳥です。

あと、個人的にオフィスにいるときにはペットボトル飲料を買わなくなりました。オフィスにはウォーターサーバーもあるので、コップや水筒に水を汲んだり、紅茶を淹れたりして飲んでいます。そんな背景もあって、今は美味しい茶葉を探すのに凝っているんです。

――おふたりのエコ活動は、人や資材のコスト削減にも繋がったんですね! 


私は部署の飲み会の幹事をしているのですが、今回はジビエ料理のお店を選んでみました。

実は私、もともとジビエに少し抵抗があったんです。

しかし、「エコ検定」の勉強をして、野生動物による農作物の被害が増えていることを知りました。

鳥獣被害の原因のうち6割以上を占めるニホンジカとイノシシの捕獲強化が必要になっているのだそう。

ただ、捕獲された動物の大半がそのまま処分されていると聞いて、とても心が苦しくなって……。

鳥獣被害対策をプラスに変えていくためには、命を大切に頂くことも、私たちができることの1つ。

初めてチャレンジしたジビエは本当に美味しくて、動物たちの力を分けてもらったような気がしました。


私も歓送迎会の幹事をしたのですが、ケータリングの取り分けにキャンプ用の食器を持ってきて使いました。

使い捨ての紙皿を使うとどうしてもゴミが多くなってしまいますが、キャンプ好きの同期と食器を持ち寄ったことで、会社のエコ活動に貢献できたと思います。

また、エコ担当チームの活動としては、エアコンの正しい使い方を改めて社内に周知しています。

オフィスのエアコンは使い方が分かりづらく、「なんとなくこのボタンかな」と操作して、誰もいない場所のスイッチをオンにしてしまうことも。

そこで、エアコン操作のハウツー動画を作ってオフィス内に共有したり、動画を見ながらエアコンを操作できるよう、リモコンの横にQRコードを貼ったりしています。

もともと動画作成が好きなので、ほとんど趣味の延長です!

新入社員のアイデアはまだまだ尽きない……

――皆さん本当によく考えて楽しみながらエコ活動をしているんですね! では、これから会社内や社会全体で「こんな制度・取り組みがあったらいいな」と思うことはありますか?


会社に社員共用の自転車があったらいいなと思います。

都内で働いていると、「最寄り駅は同じなのに、歩いていくには遠い」なんて取引先がいくつかあります(笑)。

そんなとき、会社に1台自転車があったら便利だなと!

タクシーを使うよりも二酸化炭素の排出量を減らせますし、脱炭素の観点からも一石二鳥ですよね。


たしかに! ランチのときにも使えたらうれしい!


私は都内にもっと緑が増えたらいいなと思っています。

ヒートアイランド対策という観点からはもちろん、私個人としても実家が緑豊かな場所だったので、もっと身近に自然を感じられたらうれしいです。


会社で植物を育ててみるのも良いかも!


細かいデータやコードを見るのに疲れたら、植物に触れて癒されたい(笑)。

――ナイスアイデアですね! 皆さんありがとうございました。「エコ検定」で学んだ知識を仕事や職場、プライベートでも活かして、今後一層の活躍に期待しています!


4人が楽しそうにエコ活動をする様子は、話を聞いていてもワクワクしてしまう程。

全員が口を揃えて言うことには、「エコ検定」の勉強を通して、エコ活動への考え方や視野が広がった、とのことでした。

ぜひ多くの企業で、楽しみながら続けられるエコ活動が広がりますように!

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