奇跡の「逆さ富士」に出会った早朝カヌー体験。「星のや富士(山梨・富士河口湖)」で運気が高まる「富士山麓の開運ステイ」を【ととのうスタディケーションリスト vol.09】
1年のはじまりに、特別な「開運体験」ができると聞き、向かったのは日本初のグランピングリゾート「星のや富士」。富士山の麓、河口湖を望む丘陵に佇む、まさに絶景の聖地だ。
富士山を正面に望むこの地で体験できるのは、新たな挑戦への決意を後押ししてくれる特別な1泊2日。五感が研ぎ澄まされ、心が晴れやかになる「富士山麓の開運ステイ」をレポートする。
【開運のはじまり】静寂に身をゆだね、幸運を迎え入れる準備を
レセプションから専用車で丘陵を登ると、木立の合間に隠れ家のようなキャビンが姿を現す。ここは富士箱根伊豆国立公園の真っ只中。
国立公園の豊かな自然を独り占めできる、この場所ならではの圧倒的な特別感に胸が高鳴る。
外観よりも広々とした室内。季節ごとに変わる大きな窓からの風景は絵画のよう。
キャビンでひと息ついてから、冷たく澄んだ冬の空気を吸い込み、森の奥へと続く小径を抜けて、プライベートな焚き火空間へ向かう。
「富士山麓の開運ステイ」のプロローグは、この焚き火を囲む「開運のひととき」にある。
焚き火にくべる薪は、地元・山梨県で役目を終え、廃棄されるはずだった桃の木。この土地の恵みを最後まで大切にする、「星のや富士」の真摯なサステナビリティに触れる。
薪の爆ぜる音に耳を澄ませ、揺らめく炎を見つめていると、意識は自然と過去から現在、そして未来へと向いていく。翌日の「日の出カヌー」や「神社参拝」を前に、精神をととのえていくこの時間は、運を呼び込むための心の余白を生み出してくれるよう。
焚き火の傍らに用意されたのは、新春の訪れを祝う色鮮やかな設え。水引のあしらいや紅白の繭玉団子が、これから始まる「開運ステイ」への期待感を高めてくれる。
静謐な時間のお供には、焚き火でじっくりと炙る繭玉団子を。
焚き火で繭玉を炙るひとときは、山梨県に古くから伝わる正月の行事「どんど焼き」にならったもの。伝統的な開運の作法を取り入れた「星のや富士」流のおもてなしが、新しい1年の幕開けを温かく祝福してくれる。
森の木々を思わせる枝状の串に繭玉団子を刺し、焚き火の熱で表面がこんがりと色づくまで丁寧に炙っていく。
香ばしく焼き上がったところを、温かなお汁粉に浮かべていただけば、じんわりとした優しい甘みが冬の冷えた身体に染み渡る。
無病息災を願う伝統的な美味しさに、心までゆっくりと解きほぐされていった。
【開運のしつらえ】自分だけの一冊を。千年の伝統が息づく織物で「御朱印帳づくり」
焚き火の余韻に浸りながら向かったのは、森の中にひっそりと佇む「ライブラリーカフェ」。
ここでは、翌日の神社参拝で御朱印を受けるために、世界に1つだけの「オリジナル御朱印帳」をつくっていく。
テーブルに並ぶのは、富士河口湖町の隣、富士吉田市が誇る色鮮やかな織物。実はこの地、1,000年以上も前から続く日本屈指の織物の名産地。富士山の湧水で染め上げられた糸が織りなす布地は、光の角度によって豊かな表情を見せてくれる。
「どれにしようか」と、色とりどりの伝統美を前に迷う時間さえも、自分自身と向き合う大切なプロセス。好みの織物を選び、静かに、丁寧に手を動かしていくと、まるで幼い頃に工作に熱中したときのような純粋な心が蘇ってくるから不思議!
自分の手で1つずつ仕上げていくうちに、愛着がどんどん湧いてくる。
完成した御朱印帳を眺めていると、明日の神社参拝がより一層待ち遠しい気持ちに。今夜は早めに休んで、明日の朝、富士山のエネルギーを全身で受ける「日の出カヌー」を楽しみに待つことにしたい。
【開運の絶景】朝靄の湖上へ。富士山と日の出を独り占めするカヌー体験
「富士山麓の開運ステイ」のハイライトを飾るのは、まだ街が眠りの中にいる早朝の「日の出カヌー」。
午前6時。一歩外へ踏み出すと、キリリと冷えた冬の空気が心地良く肌をなで、眠っていた五感がゆっくりと目覚めていく。
その澄んだ空気の先に待っていたのは、淡いピンク色の朝焼けをまとい始めた、神々しい冠雪の富士山。なんと水面には驚くほど鮮やかに「逆さ富士」が!
実はこれ、河口湖に人が少ない時間を選び抜いた『富士山麓の開運ステイ』だからこそ出会える、奇跡のような情景。他の船が立てる波ひとつない、鏡のように静まり返った湖面だけが、この完璧な美しさを映し出してくれるのだ。
古くから、波立たない穏やかな水面は「清らかな心」の象徴ともいわれてきたように、この上なく幸先の良い兆しに、不思議と自分自身の心までととのっていくよう。新しい日々へと向かうエネルギーが、静かに満ちていくのを感じていく。
河口湖畔でレクチャーを受け、いざ静寂の湖上へ。
山の稜線から太陽がゆっくりと顔を出すと、世界は一気に黄金色に。朝焼けに染まる山々を背景に、悠々と羽を休める白鳥の姿も! まさに「開運」を象徴するような、神聖な美しさに包まれるひととき。
冷えた身体を優しく温めてくれたのは、スタッフから手渡された特製の甘酒ドリンク。富士山の麓で育った「コケモモ」がアクセントの甘酸っぱい1杯を、日の出とともに味わう……。これ以上ないほど贅沢で、エネルギーに満ちあふれた朝のスタートとなった。
【開運の結び】富士山最古の神社で、自分だけの一冊に「福」を刻む
「日の出カヌー」で富士山からたっぷりとエネルギーをいただいたあとは、富士山最古の社(やしろ)といわれる「冨士御室浅間(ふじおむろせんげん)神社」へ。
静寂に包まれた境内に響く、鳥のさえずり。この日は「富士山麓の開運ステイ」のゲストのためだけに、特別な「開運招福」のご祈祷が執り行われる。
凛とした空気の中で背筋を伸ばし、願いを託す。それは、旅の締めくくりにふさわしい神聖なひととき。
最後に、宮司がその場で筆を走らせる。昨日、自分らしく仕立てた御朱印帳の1ページ目が、「富士山麓の開運ステイ」オリジナルデザインの御朱印で彩られていく。
黄金色の日の出、湖面に映る逆さ富士、松など縁起物があしらわれた「富士山麓の開運ステイ」限定の御朱印。
手作りの一冊に刻まれた、この場所だけの華やかな印。そのページは、新しい1年を導いてくれる、世界にひとつだけのご利益ある「お守り」となった。
【開運の美食】冬の特等席でいただく、心尽くしの「開運朝食」
「富士山麓の開運ステイ」のフィナーレを飾るのは、河口湖を望むテラスでいただく特別な朝食だ。
冬の澄んだ空気の中、テラスに用意されたこたつに潜り込むと、じんわりとした温もりに心が解けていく。
目の前に運ばれてきたのは、おせちを彷彿とさせる16種類もの小鉢が並ぶ、目にも鮮やかな二段重。8品ずつが2段に重なった「末広がり」の仕立てになっており、その一皿一皿に新しい1年の福が込められているのだ。
煮鮑や鹿肉の大和煮といった山梨の特産に加え、「福を掬い取る」といわれる郷土料理「みみほうとう」など、縁起物が贅沢に詰め込まれている。
乾杯は、山梨の銘酒「七賢」のスパークリング日本酒で。朝から清らかな酒を嗜むのも、開運を祝う旅ならではの醍醐味である。
スタッフが語る料理の由来や土地の風習に耳を傾けながら、ゆっくりと味わう時間。富士山のエネルギーを食からも取り入れるような、まさに「開運」を締めくくるにふさわしい、豊かで力強い朝の一刻であった。
焚き火の静寂に始まり、鏡のような湖上での夜明け、そして自分だけの一冊を携えた神社参拝。
星のや富士の「富士山麓の開運ステイ」は、単なる祈願の旅ではない。土地の物語を深く味わい、五感を研ぎ澄ますプロセスそのものが、自らの内側をととのえ、幸運を呼び込むための「心の余白」をつくってくれるのだ。
「開運」とは、良い運を待つことではなく、自らを「良い状態」に置くこと。「 星のや富士」での滞在は、あなたの知を磨き、未来を切り拓くための最強のブーストになるだろう。
チェックアウトを終え、丘を下る頃には、心は冬の空気のように澄み渡っているはず。手元に残った世界にひとつだけの御朱印帳とともに、さあ、清々しい1年のスタートへ!
「富士山麓の開運ステイ」
【スケジュール例】
1日目
15:00 チェックイン
16:00 開運のひととき
17:00 御朱印帳づくり
19:00 ガストロノミック・ワイルド(別料金12,100円)
2日目
06:00 星のや富士を出発
06:30 河口湖で「日の出カヌー」
08:30 冨士御室浅間神社で参拝
09:30 キャビンで「開運朝食」
12:00 チェックアウト
【料金】
1名35,000円(税・サービス料込み)※交通費別・宿泊料別
1日1組(2〜3名)限定 ※小学生以上
※2週間前までに要予約
【DATA】
星のや富士
山梨県南都留郡富士河口湖町大石1408
料金:1泊1室135,000円〜(税・サービス料込み、食事別)
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyafuji/
【ととのうスタディケーションリスト】
学びのメディア『日本の資格・検定』が考えるスタディケーションとは、自分好みの非日常な環境に滞在し、“脳と身体をリフレッシュさせて勉強にも勤しむ!”というもの。脳身ととのう仕掛けが詰まった編集部の推し宿、プログラムをご紹介。
コチラの記事も要チェック!◆日本初のハンドマッサージ専門店で手の疲れが劇的改善!
◆美容芸人・レインボー池田が実践した体質改善法とは?
◆図書、美術、博物が“まぜまぜ”に!「角川武蔵野ミュージアム」
◆ナリンのエーデルワイスの香りでアルプスへ逃避行!
◆効果抜群「5分瞑想」。勉強&仕事の合間に脳内リフレッシュ
文=かたおか 由衣


























