学び疲れたら「界 草津」で脳内リフレッシュ。温泉に浸かり、余白を取り戻す2泊3日【ととのうスタディケーションリスト vol.11】
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「界 草津」の大浴場。檜のやわらかな香りに包まれながら、ゆったりと湯に浸かれる。
勉強や仕事に追われる毎日。ひと息ついているつもりでも、頭の中では次の予定を考え、スマホを開けばSNSから次々と情報が飛び込んでくる。
気付けば、頭の中はいつも何かでいっぱいだ。そろそろ、しっかり休ませたい。そこで今回は、考えごとからいったん離れ、温泉に浸かりながら頭の中に余白を取り戻す2泊3日を過ごしてみることにした。向かったのは、2026年6月に群馬県草津温泉に開業した「界 草津」。
草津といえば、湯けむり立つ湯畑と賑やかな温泉街のイメージが強いけれど、宿に着いてまず驚いたのは、その静けさだった。
木々の間を縫うように続く、敷地内の小径。湯小屋やラウンジへ向かう時間も、ちょっとした森林浴に。
「界 草津」は、木立に囲まれた広い敷地に、客室棟や湯小屋、ラウンジなどが点在する。温泉やラウンジへ向かうときも、木立の中を歩いていく。木漏れ日や風を感じながらの移動は、日常の慌ただしさから少しずつ気持ちを遠ざけてくれそうだった。
【ととのうスタディケーションリスト】
学びのメディア『日本の資格・検定』が考えるスタディケーションとは、自分好みの非日常な環境に滞在し、“脳と身体をリフレッシュさせて勉強にも勤しむ!”というもの。脳身ととのう仕掛けが詰まった編集部の推し宿やプログラムをご紹介。
2泊3日だからいい。“休むこと”を急がない温泉ステイ
温泉旅行と聞くと、のんびりした旅を想像するけれど、1泊2日は意外と忙しい。
「界 草津」でも、宿での湯浴みと温泉街の散策をゆっくり楽しめる2泊3日の滞在を提案している。2泊目以降は1泊目の約半額で宿泊できる特典も! 今回はそんな過ごし方にならい、2泊してみることに。
宿に着いた初日は、いつもの癖で「まず温泉。そのあと、ラウンジでひと息ついて、温泉街にも足を延ばして……」と頭の中で予定を組み始めていた。でも、今回は2泊3日。明日も、ここにいる。そう思った途端、「今日、全部やらなくてもいいんだ」と肩の力が抜けた。
2泊3日のいいところは、真ん中に“到着も出発もない1日”があること。何かを急いでこなすのではなく、その日の気分に合わせて過ごせる。
そしてこの滞在で楽しみにしていたのが、「界」ならではの温泉文化体験。各地に息づく温泉文化を、現代の暮らしに合ったかたちで気軽に体験できる。2泊3日かけて、急がずにじっくりと堪能してみたい。
となれば、まずは温泉へ。
「界 草津」の大浴場では、万代鉱源泉と西の河原源泉という2つの源泉を楽しめる。湯船ごとに温度も異なり、ぬる湯から、あつ湯へと、ゆっくり身体を慣らしていけるのもうれしい。
なかでも個人的に気に入ったのが、木々と大きな岩に囲まれた露天風呂。
湯に身体を沈めて見上げれば、目に入るのは空と緑。山の中でそのまま湯に浸かっているような開放感がある。
ここでは、おススメの入浴法として、スタッフの方に教えてもらった呼吸法を試してみることに。まず腰のあたりまで湯に浸かり、みぞおちまで入って深呼吸。さらにゆっくり肩まで身体を沈め、もう一度深呼吸する。口からゆっくり息を吐き、鼻から吸う呼吸を繰り返しているうちに、上半身の力がふっと抜け、いつもより楽に呼吸できるように感じた。
自分の呼吸に耳を澄ませ、お湯の温度や外の風を感じる。ただ湯に浸かっているだけ。気付けば、そんな何もしない時間をずいぶん長く忘れていた。
目の前の感覚だけに身を委ねていると、いつも頭の片隅にある、やらなければいけないことが少しずつ遠のいていく。脳内リフレッシュとは、次々と考えを巡らせる状態から、いったん離れることなのかもしれない。
草津温泉の歴史や泉質を紹介する「温泉文化いろは」で使われる立体模型。源泉や温泉が湧き出す仕組みを、視覚的にひも解く。湯に浸かる前に背景を知っておくと、温泉の味わい方にも奥行きが生まれる。
トンネルを抜ければ別世界。「湯畑だけじゃない」草津が面白い
2日目は、宿泊者専用のトンネルを抜けて温泉街へ。
「界 草津」と賑やかな温泉街を繋ぐ、宿泊者専用トンネル。ここを通るだけでも、ちょっとした非日常感が味わえる。
「界 草津」の木立の中では、鳥の声しか聞こえなかった。それがトンネルを抜け、坂を下るにつれ、店や行き交う人の気配が増し、やがて硫黄の香りと湯けむりに包まれていく。
トンネルを抜けると、すぐそばには西の河原公園。あちこちから温泉が湧き、湯けむりの中を湯川が流れる、草津らしい景色が広がる。
実は草津温泉は、有馬温泉、下呂温泉と並ぶ日本三名泉の1つ。さらに自然湧出量は日本一で、毎分3万2,300リットル以上もの温泉が湧き出しているという。
街歩きのお供には、「界 草津」で販売している「界 草津まちめぐりセット」が便利。「大滝乃湯」「御座之湯」「西の河原露天風呂」の3つを巡れる「ちょいな三湯めぐり手形」に加え、タオル引換券や人気カフェで使えるドリンクチケットなどがセットになっている。「界 草津」の客室に用意されている風呂敷は、湯道具を包むのはもちろん、持ち手を付ければ街歩き用のバッグにも。「界 草津まちめぐりセット」と一緒に、温泉街へ出かけるのも楽しい。
草津は身近な温泉地という印象があったけれど、歩いてみると、これが想像以上に奥深い。
中心にある湯畑は、昼もいいけれど夜が圧巻。もくもくと立つ湯けむりがライトに照らされ、昼間とはまるで違う幻想的な景色になる。
そして今回、特に面白かったのが、湯畑から少し離れた場所にある、裏草津地蔵と呼ばれるエリア。
湯畑から少し離れただけなのに、賑わいが落ち着き、細い坂道の先には地蔵源泉がぷくぷくと湧く一角が現れる。その周辺には足湯や手洗乃湯に加え、温泉の蒸気を顔に浴びる、顔湯まで。2021年以降に整備された、草津の新しい楽しみ方が詰まったエリアだ。
温泉がある街というより、街全体が温泉文化の中にある。それが今回、草津を歩いてみて一番面白かった発見かもしれない。
温泉のあとは、何もしない時間と、その土地を味わう時間
温泉街を歩いたあとは、宿へ戻ってひと休み。
大浴場のある建物の隣にある暖炉ラウンジは、24時間利用できるパブリックスペース。大きな暖炉を中心にゆったりとした椅子が置かれ、散策のあとや湯上がりなど、滞在の合間にふらりと立ち寄れる。
普段なら、空いた時間があるとスマホを開いてしまう。けれど、湯に浸かり、温泉街を歩くうちに、身体も気持ちもすっかり力が抜けていたのか、暖炉の火を眺めているだけの時間が心地良く感じられた。
そうしてゆっくり過ごしているうちに、夕食の時間に。旅先でその土地の味に触れるのも、大きな楽しみの1つ。
落ち着いた半個室の席でいただく、上州豊伝会席。湯もみ板に見立てた先付けから始まり、鶏もも肉をやわらかく炊いた上州常夜鍋など、群馬や草津の文化を料理に落とし込んだ会席だ。
ひと皿ずつ運ばれてくる料理を眺め、香りを感じながら、ゆっくり味わう。温泉や街歩きの余韻を残したまま、夕食の時間まで穏やかに流れていった。
座繰り機がずらりと並ぶ「ご当地楽」の空間。どこか別世界に迷い込んだような感覚に。
滞在中には、その土地の文化や伝統に触れる「界」ならではの「ご当地楽」も体験。
「界 草津」では、群馬で盛んだった養蚕文化にちなみ、江戸時代から続く伝統技法「上州座繰り」を実際に体験できる。
湯に浮かべた繭から糸を引き出し、座繰り機のハンドルを回して巻き取っていく。普段何気なく目にしている絹糸が、ひとつの繭から生まれていく過程を自分の手で体験できるのが面白い。
細い糸の行方を目で追いながら手を動かしていると、いつの間にかその作業に夢中になっていた。
最後は、できあがった糸をタッセルに仕立て、旅の思い出として持ち帰ることができる。
暖炉の火を眺めてぼんやりするひとときも、ひと皿ずつ味わう夕食も、座繰りに夢中になる時間も。過ごし方は違っても、どれも頭の中をいっぱいにしていたあれこれから、ふっと離れられる時間だった。
何もしないことも、目の前のことに夢中になることも、考え続けていた頭をゆるめるには、大切なのだと思う。
「ゆっくりしよう」。そう思っても、日常の中ではなかなかできないもの。「界 草津」には、ぼんやりしたり、目の前のことに夢中になったりする時間が、自然と生まれる工夫がある。自分で頑張って休もうとしなくても、宿で過ごすうちに気持ちがほどけていった。
学び疲れたときは、いったん離れて、しっかり休む。そんな時間が、また心地良く学ぶためのきっかけになるのかもしれない。
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