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「省エネ・脱炭素エキスパート検定」とは?カーボンニュートラルが分かると話題。出題内容や合格率、難易度も

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「省エネ・脱炭素エキスパート検定」とは?カーボンニュートラルが分かると話題。出題内容や合格率、難易度も

連載【気になるシカク通信】
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地球温暖化が深刻化する中、脱炭素社会の実現は喫緊の課題。

企業においても、省エネ対策や再生可能エネルギーの導入など、エネルギーコスト削減、環境負荷低減に向けた取り組みが求められています。

そんな中、注目を集めているのが「省エネ・脱炭素エキスパート検定」。

この記事では、「省エネ・脱炭素エキスパート検定」の概要や特徴、おススメしたいポイントについて詳しく解説します。

「省エネ・脱炭素エキスパート検定」とは?

「省エネ・脱炭素エキスパート検定」は、半世紀近くにわたり省エネ推進に貢献してきた一般財団法人 省エネルギーセンターが実施する検定試験。

省エネルギーセンターは、国家試験の「エネルギー管理士」試験の実施や、優れた省エネ事例や製品を表彰する「省エネ大賞」の主催、中小企業を支援する「省エネ最適化診断」(経済産業省資源エネルギー庁委託事業)などで知られる団体です。

そのような背景もあり、「省エネ・脱炭素エキスパート検定」の認定者は累計1万人超。省エネ分野での存在感は抜群といえるでしょう。

また、2020年10月に政府が宣言した「2050年カーボンニュートラル」を受け、翌年には検定をリニューアル。

出題範囲に「カーボンニュートラル」の内容が追加されたほか、IBT(インターネット上での受検)方式に対応したことで、受検のしやすさも格段にUPしています。

そもそも「カーボンニュートラル」って?

「カーボンニュートラル」とは、二酸化炭素を多く含む温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、全体として排出量をゼロにすることを目指す考え方。

世界の140を超える国と地域が「2050年までのカーボンニュートラル実現」という目標を掲げています。

なかでも日本では、徹底した省エネと非化石エネルギーの導入拡大の推進で、二酸化炭素を排出する化石エネルギーの消費を削減していく方針を打ち出しています。

参考:資源エネルギー庁 「2023―日本が抱えているエネルギー問題(前編)

「家庭」と「ビル」、それぞれの分野の出題内容と合格率は?

「省エネ・脱炭素エキスパート検定」を構成するのは「家庭分野」と「ビル分野」の2つの分野

従事する業務や、学びたい内容によって、いずれかの分野を受験します。

試験形式は、両分野共通で、空欄補充問題や多肢選択問題が問われる80分間のIBT方式。

150点満点中100点以上の得点で合格となります(5年ごとに更新手続きが必要)。

「家庭分野」の出題内容と合格率

「家庭分野」という名称ではあるものの、主な出題範囲は
◆家庭内の省エネ取り組みの基礎知識
◆家電製品(エアコンや照明など)の省エネ手法
◆自動車(エコドライブ)の省エネ手法
◆省エネ住宅の施工(ZEHなど)や太陽光発電・蓄電システム
◆国内外のカーボンニュートラルに向けた対応策……
と、幅広い点が特徴。

検定名に「エキスパート」と冠するとおり、さまざまな業種の専門知識が求められるため、家電や自動車、住宅メーカーのビジネスパーソンやエネルギー小売事業者など、多岐にわたる業種の方々が取得を目指しています。

合格率は、受検するタイミングによって出題が異なる試験のため非公開ですが、おおよそ70%程度と想定されています。

「ビル分野」の出題内容と合格率

「ビル分野」で出題される範囲は、
◆エネルギー管理におけるPDCAの理解(省エネ法の判断基準や管理標準など)
◆電気や熱などのエネルギーの基礎知識
◆ビルの主要機器の構造と省エネ対策
◆省エネと再エネの集大成であるZEBの理解
◆国内外のカーボンニュートラルに向けた対応策……
など。

「ビル分野」とカテゴライズされていますが、ビルの主要機器である空調や照明、受変電設備などの知識は、「工場」でも必須のため、製造業で省エネルギーに関わる方々にも役立つ内容になっています。

合格率は、「家庭分野」より難易度が上がり、おおよそ60~70%と想定されます。

TIPS! ネット環境があればいつでもどこでも受検可能!利便性の高いIBT方式とは?

IBT(Internet Based Testing)方式とは、インターネット上で行う試験方式のこと。

ネット環境さえあれば、受検期限内で場所や時間を問わず受検することができ、利便性の高さが特徴です。

IBT方式は、予期せぬ自然災害の増加やコロナ禍の自粛期間を受けて普及し、現在多くの試験で採用されています。

「省エネ・脱炭素エキスパート検定」では、IBT方式に馴染みのない人でも安心して受検できるよう、試験の操作方法を丁寧に解説した 「受検者マニュアル 」も用意されています。

「省エネ・脱炭素エキスパート検定」の勉強方法やテキストは?

試験を実施する省エネルギーセンターから、出題範囲を網羅した公式テキストが出版されています。

公式テキストだけで試験対策ができるよう改訂が重ねられているため、この一冊をよく読み込むことが合格への近道でしょう。

また、テキストを噛み砕いた動画講座も用意されています。

「省エネ・脱炭素エキスパート検定」はどんな人におススメ?

「省エネ・脱炭素エキスパート検定」は、「エネルギーとは何か?」という基本的な内容から学びをスタートすることができ、初学者にもおススメの検定といえます。

そのため、新人研修用途での団体受検が多いのも「省エネ・脱炭素エキスパート検定」の特徴です。

主に以下のような業種で活用されています。

家電メーカーや住宅メーカー、家電量販店の営業担当者、エネルギー小売事業者(電力、ガス、石油など)

家庭内の省エネに関する専門知識を身につけ、顧客への提案力を高める目的で「家庭分野」を受検。

ビルメンテナンス事業者や工場のエネルギー管理担当、エネルギー供給事業者(電力、ガス、石油など)

事務所ビル、商業施設などの業務用施設全般に携わるエネルギー消費機器の知識付けを目的に受検。

エネルギー管理やビル管理担当だけでなく、環境推進部などで省エネ法の定期報告書を作成する環境管理責任者が受検する例も。

「省エネ・脱炭素エキスパート検定」は団体受検が多い?企業にどんなメリットがある?

「省エネ・脱炭素エキスパート検定」は、1名からの個人申込に加え、原則10名から団体申込ができる検定。

エネルギー事業者や住宅・家電メーカー、ビルメンテナンス事業者を中心に、大手企業でも社内研修や新人育成への導入が進んでいます。

この背景には、申込手続の一括代行や合否の集計をサポートするサービス、動画講座を併せて発注すると割引になる制度が。

団体受験の方が、人的にも金銭的にもコストを削減できるというワケです。

また、企業内で勉強会を開くことで、人材育成や社内交流の一助になるという一面も。


企業単位での受検が広がり、認定者が増えることで、今後「省エネ・脱炭素エキスパート検定」が業界の必携資格となっていくことも考えられます。

情報がテキストに集約されている点、IBT方式の導入など、業務で忙しい中でも受験しやすい環境を整えていることも、検定の魅力のひとつ。

ぜひ、「省エネ・脱炭素エキスパート検定」に注目してみてはいかがでしょうか?

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