ハーブの魅力を最大限に引き出し活用する、メディカルハーブコーディネーター
資格・検定特集 #日々の暮らしとメディカルハーブ この記事をあとで読む
【日々の暮らしとメディカルハーブ】
「仕事は楽しくあるべき」「私生活は充実すべき」「対人関係は円滑にすべき」……。個々に課せられる“こうあるべき”が択一化している現代社会。そんな日々に疲れたら、古くから人々が魅了されてきたメディカルハーブに頼ってみませんか。「メディカルハーブ検定」の資格を持つタレントの英玲奈さんとその魅力を深掘りします。
美容や健康に良いとされ、勉強効率アップや試験前の体調管理にも役立つ「メディカルハーブ」。その道の“プロ”になれる「メディカルハーブ検定」と「ハーブ&ライフ検定」がいま注目の的に。
「メディカルハーブとは?」という基本の“き”から資格を取るメリット、メディカルハーブビギナーにおススメの活用法を、メディカルハーブコーディネーターとして暮らしにハーブを取り入れている英玲奈さんとともに伺いました。
この記事の連載
第1回【心身のゆらぎから守ってくれるハーブ】
第2回【暮らしに役立つハーブ】
第3回【メディカルハーブコーディネーターって?】……今回はコチラ
第4回【レシピ篇:花粉対策のハーブティー】
第5回【レシピ篇:ハーブを使ったマウスウォッシュ】
第6回【レシピ篇:免疫アップを助けるハーブチンキ】
第7回【レシピ篇:疲れ瞳を癒やす目元ハーブ湿布】……coming soon
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お話を伺ったのは……
「メディカルハーブ」とは、ハーブに含まれている成分を健康や美容のために活用する分野
「ハーブ」とは、“薬草”や“香草”と和訳される、人に有用なものを含んでいる香りのある植物の総称です。
日本メディカルハーブ協会では、スパイスの類もハーブとして考えている一方、「メディカルハーブ」は、ハーブやスパイスに含まれている成分を美容や健康のために活用する分野と定義づけています。
例えば、バジルを料理として食べればひとつの食材にすぎませんが、食欲不振や消化不良へのアプローチとして取り入れれば、バジルはメディカルハーブであるという考えに。
「メディカルハーブ」は、自然療法の一分野であり、自然療法の先進国では、医療の現場でも取り入れられているのです。
メディカルハーブの専門家育成のための検定試験を実施する協会(JAMHA)を2006年に設立
ハーブやスパイスを用いた自然療法の歴史は古く、古代に始まりました。日本でも“和方(わほう)”という独自の伝統医学があり、明治時代の初期まで治療として用いられていたと聞いています。
その後、医学政策で西洋医学が正当な医学とされたため、ハーブは民衆の生活から遠のくのですが、生活の欧米化が進んだ1970年代ごろから、ポプリ人気なども追い風となり、再びハーブが急速に普及しました。
とくにここ20年は、ハーブやスパイスを料理に使うことが一般的になり、ハーブ栽培をする方も増えています。それほど目まぐるしくハーブを取り巻く環境が変わっていく一方で、正しい情報を発信する機関がありませんでした。
そこで、セルフケアや治療への活用を広めるための取り組みに向けて現在の協会の前進となる団体を設立。2006年に「特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会」へと名称を変えました。
同協会では、指導者や専門家の育成のために「メディカルハーブ検定」をはじめ2つの検定と5つの上位資格の試験を実施し、資格の認定を行っています。
その他にも、専門家がメディカルハーブの安全性や有用性などの研究を行ったり、セミナーの開催、SNSで情報を発信するなどの普及活動も。
資格は2種類。「メディカルハーブコーディネーター」「ハーブ&ライフコーディネーター」
「メディカルハーブ検定」は手に入りやすい身近な15種類のハーブを題材に、ハーブを楽しみながら活用するための基礎知識を学ぶもの。合格後に協会の認定を受けると「メディカルハーブコーディネーター」として活動できます。
「ハーブ&ライフ検定」は、さらに一歩踏み込んだもので、題材にするハーブやスパイスは56種類。料理、お茶、入浴、スキンケア、ペットケア……生活に落とし込む術をより深く学び、合格後に協会の認定を受けると「ハーブ&ライフコーディネーター」としてさまざまな場で活躍できることでしょう。
一度の検定での合格率の平均は、「メディカルハーブ検定」は約80%、「ハーブ&ライフ検定」は約85%。認定された資格所有者の約9割が女性です。
ハーブの安全性や有用性、使い方……、正しい知識を得ると楽しみや効果が何倍にも!
この資格を取得する一番のメリットは、ハーブやスパイスの正しい知識を得ることができ、生活の中で美容や健康のために活かせること。
気になる心身の不調に適したハーブやスパイスを選択できる知識があれば、解決への近道になるのはいうまでもありませんが、「シナモンやセージは妊婦さんの多量摂取は避けるべき」というように、やってはいけないこと(禁忌)の理解も深められます。
また、検定テキストから一般的な名称とは異なる学名を知ることができるのも魅力。実は、同じ名前で売られているハーブでも品種が異なり、作用に差があります。
例えば、エキナセアは、園芸店で多くの種類が取り扱われていますが、原種以外のものには、薬効があるか調べたデータはありません。
原種以外のものは、取り入れたところで作用しない可能性が高いともいわれており、このように、ハーブを選ぶときに大切な学名が検定テキストには明記されています。
ハーブティーが苦手なら、蒸気吸入やお風呂や足湯……香りから薬効の“恩恵”を
もしかしたら、ハーブと聞くだけで苦手意識がある方がいるかもしれません。
口にするには味の好みがありますし、禁忌が気になる方もいるでしょう。ならば、香りを楽しむというのがファーストステップとしておススメです。
お湯の中にハーブを入れて蒸気を吸い込む、湯船や洗面器にハーブティーを入れて芳香浴や足湯をする、エッセンシャルオイル(精油)を使う、リースの材料にする……そんなふうにハーブは香りを感じるだけでも美容や健康にアプローチできます。
ご自身に合った方法で、楽しむことが継続の力になるはずです。
ハーブを気軽に食してみたいということであれば、オイル漬けという手も。
レストランなどで、オイルに付け込まれたハーブを見たことはありませんか? オレガノやタイムを漬け込んだオイルは、サラダやピザやパスタ、肉料理にかけるなど、誰にでも活用しやすいと思います。
また、ローズマリーなどをつけたオイルはマッサージ用としても活用できますし、お子さんには、ネトルを粉砕したパウダーにかつおぶしを混ぜるふりかけもおススメです。
メディカルハーブは、勉強や試験をスムーズにすすめるための“名サポーター”に
いま、資格の取得を目指しているなど、勉強をしている人や試験が控えている状況にも「メディカルハーブ」はとても心強い味方になります。
古くから記憶力を高めるハーブとして認知されているのがローズマリー。集中力を高め、脳の働きを活性化させてくれますし、眠気を吹き飛ばしたいときはミントがぴったり。
反対に、勉強して頭が冴えて、眠気が遠のいているときには、リラックスさせてくれるラベンダーを、試験前に風邪や感染症を予防するならユーカリを取り入れると、抗菌&抗ウイルス作用が身を守ってくれるでしょう。
いまはネットでも身近なショップでもハーブを気軽に購入できるので、ぜひ手に取って、試してみてください。
そこから興味が沸いたようであれば、「メディカルハーブ検定」がその世界を追求する手段となります。
メディカルハーブの知識を深めて、学んだことが暮らしに役立つ喜びを実感してみては?
この記事の連載
第1回【心身のゆらぎから守ってくれるハーブ】
第2回【暮らしに役立つハーブ】
第3回【メディカルハーブコーディネーターって?】……今回はコチラ
第4回【レシピ篇:花粉対策のハーブティー】
第5回【レシピ篇:ハーブを使ったマウスウォッシュ】……coming soon
第6回【レシピ篇:免疫アップを助けるハーブチンキ】……coming soon
第7回【レシピ篇:疲れ瞳を癒やす目元ハーブ湿布】……coming soon
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英玲奈が語るメディカルハーブの魅力
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撮影=伊達 直人
取材・文=金子 優子