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現代バスケは「期待値」で戦う。シーホース三河・シェーファー選手が語る、迷いを捨てて道を切り拓くロジック【直筆サイン入りポラプレゼントあり】

インタビュー #トップアスリートに学ぶ

現代バスケは「期待値」で戦う。シーホース三河・シェーファー選手が語る、迷いを捨てて道を切り拓くロジック【直筆サイン入りポラプレゼントあり】

ただ努力するだけでは、壁を越えられないときがある。根性や努力が実を結ばないとき、足りないのはさらなる「頑張り」ではなく「計算」なのかもしれない。

前編では、絶対に叶えたい夢からの「逆算思考」で人生を切り拓いてきたBリーグ強豪チーム・シーホース三河のシェーファー アヴィ 幸樹選手のマインドセットに迫った。後編となる今回は、選んだ道を自分にとっての「正解」にするための戦略と、ロジカルシンキングについて。シェーファー選手の意外な素顔から、効率的な学習メソッドを紐解く。

【トップアスリートに学ぶ「強さ」の理由|プロバスケ選手編】
制限時間の中で最適解を導く「判断力」。 技術が無意識に出るまで反復する「継続力」。 そして、プレッシャーの中で結果を出す「実践力」。プロバスケ選手が日々磨いているこれらのスキルは、資格取得やスキルアップを目指す“まなびビト”も共通して獲得したい重要な要素だ。トップアスリートのアプローチからその極意を学ぶ。

「勉強は嫌いだった」が「学びは面白い」に変化。その理由とは

アメリカの名門・ジョージア工科大学に在籍した経験を持つシェーファー選手。「文武両道」のイメージが強い彼だが、意外にも幼少期は「勉強は嫌いだった」と笑う。

「もともと、勉強は嫌いでした。でも、高校2年生の頃に物理を学び始めてから変わったんです。小さな頃から数字で考えることは好きだったので、物理の法則や数式が『パチッ』とハマって答えが出る感覚が面白いと感じました。そこからですね、勉強の面白さに気付けたのは」(シェーファー選手。以下同)。

とはいえ、全ての学びを「面白い」と前向きに取り組めるものでもない。アメリカの大学進学を視野に入れ、高校からはインターナショナルスクールに通ったシェーファー選手だが、その際には英語の壁があったという。

「父がアメリカ人なので、聞いたり話したりするのはそれなりにできたのですが、読み書きができなくて。でも、当たり前ですが、インターナショナルスクールの授業は英語。つまり、読み書きができないとついていけないのです。そのときは、英語の家庭教師の先生についてもらって、毎日毎日、とにかくエッセイ(小論文)を書いては添削してもらい、また書くを繰り返していました。なかなかつらかったですけど、腹をくくって頑張りました」。

毎日繰り返し反復して体得していく。バスケも、学びも、近道はなく、毎日の積み重ねが大事。それをシェーファー選手はこのころから知っていたのだろう。

迷ったら書き出す。選んだ道を「正解」にするための思考法

「数字や法則で物事を捉える」。そんなシェーファー選手の理系的なアプローチは、机の上の勉強だけでなく、人生の岐路における「決断」の場面でも垣間見ることができる。

「大きな選択をする時は、メリットとデメリットを比べるんです。頭で考えるだけじゃなくて、実際に書き出してみて、整理します」。

実際、ジョージア工科大学を休学して日本でプロになる道を選んだ際もそうだったのだとか。 学業・バスケ共にアメリカ屈指の名門に残るか、東京オリンピック出場を目指して日本へ渡るか。それぞれのメリットとデメリットをすべて書き出し、今の自分にとってどちらの価値が大きいかを客観的に比較したんだそう。

「感情だけで決めると、後で『あっちにしておけばよかった』と後悔するかもしれない。でも、書き出して論理的に比較して、『こっちがベストだ』と自分で納得して選べば、あとはその道を正解にするために頑張るだけですから」。

人生に最初から決まった「正解」はない。しかし、迷いを断ち切ることで、選んだ道を「正解」に変えていくことはできる。その迷いを断ち切る手段が、シェーファー選手にとっては“ロジカルに考える”ということだった。

だが、人間は感情の生き物だ。 頑張れば頑張るほど、人は「ここまでやったのだから」と後に引けなくなる。サンクコストに縛られ、正しい判断ができなくなってしまうからだ。

だからこそ、あえて立ち止まり、「本当にこのままでいいのか」と問い直す勇気が必要かもしれない。もし資格試験の勉強中に不安を感じたら、脳内で悩まず、紙に書き出して可視化してみては。シェーファー流の「ロジカルな決断術」は、あなたの迷いを断ち切る有効なツールとなるのではないだろうか。

現代バスケは「期待値」で戦う。瞬時の判断を支える「事前インプット」

「数字や理屈」を好むシェーファー選手の思考。それは、コート上のプレーとも相性が良い。

現代バスケはデータ分析が進化し、「数字」で戦略を立てるのがスタンダードなのだそう。理数系を得意とするシェーファー選手にとって、この「データありき」のスタイルは非常に性に合っているという。 彼はその具体例として、「得点期待値」という概念を説明してくれた。

「例えば、3ポイントシュート(3点)の成功率が40%の選手なら、期待値は1.2点です。同じ選手のミドルシュート(2点)が45%の確率なら、期待値は0.9点。であれば、確率自体は低くても、期待値の高い3ポイントを狙った方が良いという判断になります」。

攻撃側がこの計算で動く以上、守る側もそれに対応しなければならない。

「相手もその計算を頭に入れて攻撃してくるはず。そうなったとき、僕らは『ミドルは打たせてもいいけど、3ポイントエリアのディフェンスは徹底しよう』といった対策をとるワケです」。

もちろん、激しい試合中に電卓を叩く暇はない。瞬時の判断を可能にするのは、徹底した「事前のインプット」だ。

「試合前に、『この選手は右が得意』『ここはシュート確率が低い』といったデータを頭に入れておきます。分析自体はチームのコーチ陣がやってくれますが、それを自分の頭に叩き込んでおく。事前に整理できているからこそ、試合の大事な場面で、迷わず身体が動くんです」

このプロセスは、資格試験の対策とも重なりそうだ。 やみくもに全範囲を勉強するのではなく、過去問のデータを分析し、出題頻度が高い(期待値が高い)分野にリソースを集中させる。そして本番では、インプットした知識を反射的に引き出す。

プロのアスリートも“学びビト”も、「事前の分析と準備」こそが、勝利を手繰り寄せる最大のカギといえそうだ。

「身になる勉強は楽しい」。現役選手が取り組む学びとは?

インタビューの終盤、話題は意外な方向へ盛り上がった。現在、シェーファー選手は「不動産」に興味があるのだとか。

「引退後のキャリアも考えて、投資やお金の管理についてずっと勉強しています。特に不動産は面白いですね。減価償却の仕組みを使って、どう税金をコントロールするかとか。けっこう本気で勉強しています」。

実はその延長で、「宅地建物取引士(宅建)」の資格も気になっているのだとか。しかし、そこにはプロバスケ選手ならではの悩みが。

「『宅建』の試験日は年1回、10月なんですよね。シーズン開幕直後なので、ほぼ確実に試合と被る。絶対に受けられないんですよ(笑)」。

試験日が合わず断念しているものの、その知識欲は尽きない。YouTubeで基礎を学び、専門書を数冊読み込むのだというから、かなり本格的だ。忙しいプロ生活の中で時間を捻出し、学び続ける理由をこう語る。

「大人になってからの勉強って、自分の身になることだから楽しいですよね。学校の勉強は『これ何に使うの?』って思うこともありましたけど、今は自分の人生や将来に直結する。だから、難しい本を読むのも苦じゃないんです」。


「学ぶことは楽しい」。その言葉を体現するシェーファー選手の姿は、私たちに「大人こそ、学びを楽しもう」というエールを送ってくれているようだった。


「迷ったら書き出して比較する」「効率をデータで考える」「自分のための勉強を楽しむ」。 トップアスリートであるシェーファー選手の口から語られたのは、私たち学習者が今日から使える具体的なメソッドばかりだった。

「ロジック」は、情熱を冷ますためのものではなく、情熱を正しい方向へ導くための、羅針盤。シェーファー選手の言葉は、そんな当たり前で大切なことを私たちに教えてくれた。

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お話を伺ったのは……

シェーファー アヴィ幸樹 選手
1998年生まれ。Bリーグ・シーホース三河所属。ポジションはセンター。アメリカ人の父親と日本人の母親を持つ。バスケを始めて約1 年でU18の日本代表に選出。その後アメリカのジョージア工科大学に進学し、勉強とバスケの両立に挑戦したが、東京で開催される五輪出場を最優先に考え、帰国を決意。2020年からはシーホース三河に所属し、インサイドの核として活躍している。
Instagram:avi_schafer



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