「FP」資格が人生を豊かにする。一生モノの武器といえる3つの理由【金融財政事情研究会・加藤理事長インタビュー】
日本の金融教育は、戦後間もない1950年に始まった。戦後復興中の日本において、国民に正しい金融知識を広め、健全な経済発展を支える人材を育成する――。その使命を背負い、75年にわたり日本の金融リテラシーを牽引してきたのが「金融財政事情研究会(以下、きんざい)」だ。
同会が1987年に開始した「金融渉外技能審査」は、2002年から国家検定である「ファイナンシャル・プランニング技能検定(以下、「FP」)」となり、今や誰もが知る資格へと成長を遂げた。今回は、そんな日本の「FP」資格制度の普及・運営において中心的な役割を担う団体のトップである加藤 一浩理事長に、試験を主催する立場から、あらためて「FP」という資格が持つ力と、この時代に学ぶことの価値について聞いた。
日本の金融教育をリードする「きんざい」が、「FP」資格に込めた想い
ーー「きんざい」といえば、日本の金融教育をリードする存在として知られています。その大きな端緒となったのが、1987年に開始した「FP技能審査(現在の「FP」)」の実施。この資格を通じて、どのような価値を社会に届けようとしてきたのでしょうか。
加藤理事長: 私たちの団体は、戦後間もない1950年に「金融知識の普及」と「人材の育成」を目的として設立されました。1980年代後半は日本がどんどん豊かになり、それに伴って人々が“資産”に対する意識が高まっていった時期。そこで「個人の資産設計をサポートする専門家が必要だ」と考え、ファイナンシャル・プランニングという概念を誰もが学べる『資格』という形にしたのです。
試験主催者として私たちが大切にしているのは、この資格が「2つの大きな力」になることです。
1つは、金融機関などで働く方にとっての“信頼の土台”となること。大切なお金を預け、人生の設計図を託す相手に、お客様は確かな知識を求めます。私たちが厳格に試験を運営し、現場で通用するプロを世に送り出すことで、日本中に安心して相談できる場を増やしていけたらと思っています。
さらに、もう1つが、一般の受講者の方々にとって、“自分や家族を守るためのマネーリテラシー”となることです。今やNISAやiDeCoなど、個人が資産運用を避けては通れない時代。「FP」資格の勉強で学ぶ知識は、金融のプロと対等に話し、自分や家族の生活を守るための強力な武器になります。誰もが「お金の不安」に振り回されず、主体的に人生を設計できる社会を作る。それこそが、試験主催者としての私たちの存在意義なのです。
営業実績が20%アップ。資格が生む「自信」の正体
――実務において、「FP」を持つことで具体的にどのような変化があるのでしょう。
加藤理事長:非常に興味深いデータがあります。ある大手銀行が調査したところ、「FP」2級の資格保持者は、持っていない人に比べて営業実績が20%も高かったのです。これは単に計算が速くなったからではありません。資格という形ある成功体験が、本人に自信を与えるからだと考えています。
日本人は控えめな方が多いですが、しっかりとした知識の裏付けがあれば、胸を張って提案できるようになります。その自信が言葉に力を与え、結果としてお客様に選ばれる存在へと成長させてくれているのです。
――「きんざい」の「FP」の実技には、さまざまな科目がありますよね。
加藤理事長:おっしゃる通り、「きんざい」のFP試験における最大の利点は、自分のキャリアに合わせて実技試験の科目を選べる柔軟性です。
国家資格である「FP」には「きんざい」と「日本FP協会」という2つの実施団体が存在します。どちらで合格しても手に入るのは同じ「FP」という国家資格。ですが、実は試験の内容に大きな違いがあります。2級と3級については、学科試験こそ共通の問題を使用しますが、実技試験の内容が全く異なります。
日本FP協会が全分野をバランスよく網羅するのに対し、「きんざい」では自分の専門に合わせて「個人資産」や「生保」などの科目を選択できるため、より実務に直結した知識を深めたい実務家に選ばれる傾向があります。自分のフィールドに直結した科目を選ぶことで、試験勉強がそのまま実務の即戦力となり、効率よく「仕事で使える武器」を手にすることができるのです。
「投資」が一般的な時代だから「FP」は現代を生き抜く最強の教養に
――今や「FP」は、金融関係者だけでなく一般の方にも広く普及しています。
加藤理事長:政府が掲げる「資産運用立国」の流れもあり、新NISAの普及や高校での金融教育導入など、世の中は大きく変わりました。もはやお金の知識は、特定の人だけのものではありません。所得税や社会保障、相続など、「FP」で学ぶ内容は人生のあらゆるステージで自分を守る知識なのです。
正しい知識を持てば、世の中のニュースへの関心が変わり、政治や経済の見え方が変わります。「FP」を学ぶことは、より良い人生を選択するための“最強の教養”を身につけることだと言えるでしょう。
――まさに、これからの時代に必要な知識を身に付けることのできる最強な資格ですね。最後に、これから「FP」試験に挑戦しようとしている方へエールをお願いします。
加藤理事長:「FP」は、正しく勉強すれば必ず合格できる試験です。そして、合格して終わりではありません。法律や制度は常に変わりますが、一度身につけた金融や投資という一生必要な学びの基礎知識という土台は一生の財産になります。
現在はCBT方式によって、ご自身の都合が良いタイミングで気軽に挑戦できるようになりました。一歩踏み出すことで、皆さんの人生がより豊かで、自信に満ちたものになることを心より願っています。
加藤理事長の話から見えてきたのは、「FP」という資格が単なるスキルの証明にとどまらず、混迷する時代を生き抜くための「自信」と「知恵」を授けてくれる存在であるということ。
「誰でも勉強できるように」という想いから始まったこの資格は、今、CBTというテクノロジーの力を得て、さらに身近なものへと進化した。お金の不安を自信に変え、自分らしい人生を主体的に設計するために、75年の歴史に裏打ちされた「一生モノの武器」を手に入れるための一歩を、今ここから踏み出してみてはいかがだろうか。
お話を聞いたのは……
1962年生まれ。86年株式会社金融財政入社。出版部・業務企画部・東京営業本部等を経て2011年取締役出版部長に。13年に社長、17年にグループCEOに就任。23年4月より現職。





