【FP3級や漢検も】資格・検定試験のCBT・IBT化が止まらない!知っておきたい基本を徹底解説【はやしかく】
急速に進むデジタル化と共に、徐々に進んでいたのが、資格・検定試験のCBT・IBT化。
少し前までは、紙試験(PBT)が当たり前でしたが、国が業務や文書の電子化を推進していること、またコロナ禍も追い風となって、各種試験がここ数年で一気にCBT・IBT化されています。
これまでは「この試験は紙じゃないと無理でしょう」と思われていたものも、CBT・IBT対応していたりするんです。
そこで今回は、これからの“当たり前”になりつつある、資格・検定試験のCBT・IBT化についてお伝えします!
そもそもCBT・IBT試験って何?
すでに皆さんご存知かもしれませんが、改めてCBT試験とIBT試験について確認しておきましょう。
CBT試験とは「Computer Based Testing(コンピュータ ベースド テスティング)」の略称で、コンピュータを使った試験方式のこと。海外発祥の試験モデルだったようですが、日本では1990年代から導入されていました。意外に古くからあったものの、最近一気に広まった感じがします。
問題用紙やマークシートなどを用いて行う紙試験(PBT)とは異なり、受験者はテストセンターでコンピュータに表示される問題に解答。
また、紙試験(PBT)より幅広いスケジュールと会場から選んで受験できるのもCBT試験の大きな魅力です。試験中は試験監督の監視のもと、厳格な試験運営がなされています。
もう一方のIBT試験とは「Internet Based Testing(インターネット ベースド テスティング)」の名前の通り、インターネットを経由して実施する試験方式で、日本では2000年代から活用されているようです。
CBT試験はテストセンターに出向き受験するのに対して、IBT試験はネット環境があればどこでも受験できるのがポイント。個室で他人が入らないようにするなど、テストに適した環境を用意する必要はありますが、試験会場までの移動時間がなくなるのは非常に助かりますね。
紙(PBT)、CBT、IBTの特徴比較!
紙試験(PBT)・CBT・IBT試験とバリエーションが増えてきた昨今。違いをすぐに確認できるよう、比較表にまとめましたのでご活用ください。
こんな試験もCBT受験が可能
30歳前後の方であれば、紙の試験を受けた記憶が残っているかもしれない以下のような王道の資格・検定試験も、すでにCBT対応済み&対応予定です。
秘書検定【CBT対応】
面接がない2級と3級がCBTに対応しています。すぐに合否結果が分かるのも便利。
◆秘書検定
日商簿記検定【CBT対応】
2級と3級がCBTに対応。好きなタイミング(※受験停止期間がある場合も)で簿記が受けられるのは便利ですね。残念な結果に終わった場合の再チャレンジもしやすいです。ただ、紙試験とは多少勝手が変わるので、ちょっと慣れは必要かもしれません。
◆日商簿記検定
日本漢字能力検定(漢検)【CBT対応】
意外かもしれませんが、筆記がある漢検も2~7級はCBTに対応しています。小型タブレットを使って、漢字や読みがなを書く形式です。
◆日本漢字能力検定 (漢検)
実用英語技能検定(英検)【CBT対応】
英検S-CBTは、スピーキングは吹込み式、リスニングやリーディングはマウス操作、ライティングは筆記もしくはタイピングと、1日で4技能すべてを測定できます。
◆実用英語技能検定(英検)
基本情報技術者試験【CBT対応】
これまで年2回のCBT試験を行っていましたが、2023年度から通年開催となりました。非常に受けやすくなり、上位資格へのステップアップもスムーズに。
◆基本情報技術者試験
情報セキュリティマネジメント試験【CBT対応】
基本情報技術者試験と同様、年2回のCBT試験を行っていましたが、2023年度から通年開催となりました。
◆情報セキュリティマネジメント試験
ファイナンシャル・プランニング技能検定【CBT対応予定】
一般社団法人 金融財政事情研究会主催の場合、2023年11月より(申し込みは10月~)、まずは3級からCBT試験が開始予定。日本FP協会主催の場合、2024年4月より(申し込みも4月~)3級のCBT試験が開始予定となります。楽しみですね!
◆ファイナンシャル・プランニング技能検定
金融窓口サービス技能士【CBT対応予定】
同じく、「金融窓口サービス技能士」も、2023年11月より、まずは3級からCBT試験が開始予定!
◆金融窓口サービス技能検定
資格ソムリエ直伝☆ CBT・IBT試験の攻略法
最後に、400以上の試験を受けてきた、資格ソムリエ®の私から、CBT・IBT試験の攻略法をお伝えしましょう。
まず、紙の試験とは違い、CBT・IBT試験は申し込み後に受験日時や会場を変更できるのが特徴的。都合が悪くなってしまったら、予約していた試験日の数日前まで日程変更が可能なことが多いです(※一部例外あり)。
ただ、アクセスが便利な会場や週末などのタイミングは予約が埋まりがちなので、まずは早めに予約してしまうのが重要。
余談ですが、個人的には、お気に入りの会場を見つけるのも楽しみのひとつです。資格学校にあるテストセンターなどは非常に静かで集中できるので気に入っています。
また、紙の試験では申し込み後に受験票が送られてきたりしますが、CBT・IBT試験では、そういったことがないので、慣れるまでは不安になってしまうことも。そんな方は、申し込み内容の画面を印刷し保存しておくと良いでしょう。予約日時を勘違いしていたというようなトラブルを予防するのにも役立ちます。
持ち物なども自分で確認して用意しておく必要があるのでご注意を。試験ごとに電卓などの使用可否が異なりますので、しっかり確認して準備しましょう。
試験当日のポイントとしては、CBT試験の場合は早めに会場に到着するのがベストです。
特に、初めて訪れるテストセンターの場合は要注意。規模の小さいテストセンターなどは見つけにくい場所にあることも多いので、時間に余裕を持って向かいましょう。
IBT試験の場合、移動が不要なのは楽ですが、うっかり試験時間が過ぎてしまい受験できなかった……といったことがないように、事前に環境を準備して、早めに待機することが肝心です。
最後に試験中のコツとしては、後で見直すのに役立つチェックマーク機能や、残り時間の表示など、ちょっとした便利機能を活用することです。チェックマーク機能は本当に有難い!
なお、上級者向けの技となりますが、CBT・IBT試験の場合、同一試験でなければ、1日で複数受験することも可能です。
私のようにたくさん資格を取る人はそう多くないと思いますが、一応こんなこともできる、ということでご紹介しておきました(笑)。
どんどん進む、資格・検定試験のCBT・IBT化。これからの動向にも目が離せませんね。
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文=林 雄次