面白いくらい営業成績が上がる? 営業職のリスキリングに役立つ資格3選【はやしかく】
数年前までは耳にする機会も少なかった「リスキリング」ですが、昨今では意識する人も増えてきたのではないでしょうか?
国や企業においても「リスキリング」は避けて通れない人材戦略になりそうですね。
そこで「連載はやしかく」では、全4回に渡り、リスキリングに必要な資格・検定を職種別に紹介。
第1回目は営業職にフィーチャーしていきます。
営業職と言えば、取引先の課題を把握し、自社の商品やサービスを紹介する仕事。今回は、「B to B」の企業向け営業を想定しています。
努力した分だけ、企業の業績アップに繋がり、また自身の給料にも反映されると思うと、やりがいも大きいはず。しかし、その分ノルマ達成のプレッシャーなど、悩むことも多いでしょう。
努力と成績がなかなか紐づかない……と悩んでいる営業職の皆さんに向けて、「リスキリング」に最適な資格・検定を3つピックアップしました。
①ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP)
まず紹介するのは、お金に関する幅広い知識を学ぶ「ファイナンシャル・プランニング技能検定(以降、FP)」。
試験範囲は「ライフプランニングと資金計画」、「リスク管理」、「金融資産運用」、「タックスプランニング」、「不動産」、「相続・事業承継」の6分野と幅広く、ライフスタイルに関連することも多いので、実生活でも役立ちます。
マネーリテラシー全般が向上することで、経済関連のニュースもしっかり理解できるようになるでしょう。ちょっとした雑談などから、勉強していることがアピールでき、相手から一目置かれる存在になるはずです。
FPが少し特徴的なのは、試験の実施団体が2つあり、日程や試験問題が一部異なること。
1つは「一般社団法人 金融財政事情研究会」、もう1つは「NPO法人 日本FP協会」です。どちらが簡単ということはないですが、問題傾向との相性はあるかもしれません。まず過去問を見てみて、どちらの団体で受験するかを選んでみるのも一案。
ファーストステップに3級を受検した後、専門性を高めていきたいなら、2級、1級とチャレンジするのがおススメです。
「リスキリング」は自分が将来就きたいポジションに向けてスキルアップすることが目的。お金に関する知識は、どんなジャンルの営業職でも役立つはずです。
②中小企業BANTO認定試験
次にご紹介するのは、「中小企業BANTO認定試験」。
BANTOは「Business Accounting aNd Total Officer」の略称であり、まさに中小企業の“番頭さん”に相応しい人材を養成する資格と言えます。
2020年に新設されたので、まだ知らない方が多いかもしれませんが、中小企業庁が後援している唯一の民間資格でもあり、今後が楽しみです。
試験範囲は「分析及び評価」、「会計及び財務」、「税法」、「経営法務」、「ビジネスコミュニケーション」の5科目で、多岐にわたるピジネスの知識やスキルを評価するものになっています。
後述の「中小企業診断士」は難しすぎるという場合でも、こちらは公式テキスト1冊で勉強ができ、取り組みやすくなっているのも魅力。
合格率も60%以上で推移しており、年2回試験があるのもうれしいですね。今年4月からはCBT方式も開始され、より受験がしやすくなったこともポイント。
「中小企業診断士」を目指したい方も、まずは「中小企業BANTO認定試験」で基礎をしっかり固めてみてはいかがでしょうか。
現在の仕事と「リスキリング」を両立させるには、モチベーションコントロールも重要になってくることでしょう。まずは、自身のライフスタイルや保持スキルと照らし合わせ、確実に取得できる資格・検定から取り組むのもおススメです。
>>こちらの記事も要チェック!
中小企業BANTOとは?難易度や受験のメリット、合格後の継続教育をご紹介!
③中小企業診断士
最後に紹介するのは、国家資格の「中小企業診断士」。中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。
「現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイス」が主な業務とされていますので、営業職はもちろんビジネス全般で非常に役立つでしょう。
試験範囲は「経済学・経済政策」、「財務・会計」、「企業経営理論」、「運営管理(オペレーション・マネジメント)」、「経営法務」、「経営情報システム」、「中小企業経営・中小企業政策」の7科目を1次試験で学ぶので、視野も広がります。
2次の筆記試験では事例の企業に対しての助言を述べるなど、より実践的な内容も。
ただ最低1,000時間の勉強が必要と言われますので、しっかり計画を立て取り組まなければいけません。
また、合格するまでに何年もかかる人も多いので、ある程度の覚悟が必要に。登録後には、5年毎の更新とその間に所定の研修受講・実務従事が必須で、維持するのにも一定の手間が掛かります。
取得や維持が大変なのは難点ですが、会社員としてスキルアップできるのはもちろん、副業などで活用することも可能。役立つことは確実でしょう。
将来を見据えて、じっくり挑戦してみても良いかもしれません。
営業職のリスキリングに適した資格、いかがだったでしょうか?
この3つのほかにも、取り扱う商品やサービスに関する資格・検定はもちろん有効です。
◆IT関連なら
情報処理技術者試験、ITコーディネーターなど。
資格・検定一覧はこちらから→https://jpsk.jp/examinations/genre/it.html
◆健康関連なら
日本健康マスター検定、健康管理能力検定など。
資格・検定一覧はこちらから→https://jpsk.jp/examinations/genre/health.html
◆食品関連なら
食生活アドバイザー、料理検定など。
資格・検定一覧はこちらから→https://jpsk.jp/examinations/genre/food1.html
FPなどのように社会で活かせる知識が学べる資格に、取り扱う商品などに応じた専門性のある資格を組み合わせることで、一層のアピール材料になります。
自分なりの組み合わせや現在の職業と相性の良い資格を探して、リスキリングを成功させましょう。
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文=林 雄次