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ライフプラン、立ててますか? 7割の人が知らない『人生の地図』の描き方

インタビュー

 ライフプラン、立ててますか? 7割の人が知らない『人生の地図』の描き方

「お金のことは、プロに任せればいい」「FPは、投資や保険に興味がある人が取るもの」 もしあなたがそんな風に思っているとしたら、それは少しもったいないのかも。

FP専門の転職支援サービスを行う吉村 将成さんは、「FPの知識は、仕事にするかどうかにかかわらず、現代を生き抜くための『最強のライフスキル』です」と断言する。

住宅購入、つみたてNISA、子育て、老後資金……人生の大きな決断を迫られるとき、私たちは常に「お金」の問題に直面している。そのとき、資産運用の基本知識を知っているか・知らないか。そのわずかな差が、10年後、20年後の人生の選択肢を大きく変えることになる。

外資系不動産の世界でファーストキャリアを積み、MBA取得のキャリアから一転、FP資格を取得した後、FP専門の転職支援サービスを立ち上げた吉村さんに話を聞いた。

「給与明細」を読み解く力が、人生のハンドルを握る第一歩

――「FPの知識は一生モノの教養」とのことですが、具体的にどんな場面で役立つのでしょうか?

吉村: 一番身近な例でいえば、毎月の「給与明細」ですね。額面から社会保険料や所得税などが引かれていますが、それが「何パーセント引かれているか」を正確に言える人は驚くほど少ないんです。

――お恥ずかしながら、私も「手取り額」しか見ていませんでした……。

吉村: 私自身も昔はそうでした。「FP」の勉強をしてみて、給与明細を読み解くことができるようになったんです。給与明細が読めるようになると、例えば転職や昇進で年収が上がるときに、「実際の手取りがいくら増えるのか」が手に取るようにわかります。

ふるさと納税やNISAを活用した場合の効果も、自分で計算できるようになる。「なんとなく不安」という感情を「具体的な数字」に置き換える。これだけで、自分の人生を自分でコントロールしているという実感がもてるようになるんです。

「円安・物価高」のニュースが、自分事として見えてくる

――最近は円安や物価高のニュースが絶えませんが、こうした経済の動きも「FP」の勉強をすると見えてくるのでしょうか?

吉村: 実を言うと、「FP」の資格を取ったからといって、将来の株価や為替が予測できるようになるわけではありません。私自身、数年前から資産の多くを外貨(ドルなど)で保有していますが、それはFPの知識そのものというより、勉強をきっかけに「経済の仕組み」に興味を持ち、アンテナを張ってきた結果です。

――資格そのものの知識というより、その後の「視点」が変わるのですね。

吉村: そうなんです。例えば、ニュースで「人口減少」や「GDP(国内総生産)の停滞」と聞いても、どこか“自分には直接関係ない”と思いがち。でも「FP」の勉強をすると、「国のパワーが落ちれば、通貨の価値も下がる可能性がある。自分のお財布はどう守ればいいだろう?」という思考になるんです。

「FP」の勉強によって情報の解像度が上がる。例えば物価高に対してどんな防衛策があるかを主体的に考えられるようになったりします。その「アンテナを立てる第一歩」として、「FP」の体系的な学びは非常に大きな意味があります。

3割の人しかやっていない「人生のシミュレーション」

――FPの知識があれば、将来の不安はなくなりますか?

吉村: 「不安がゼロになる」というより、「対策が立てられるようになる」という感覚です。ある調査では、将来のお金の計画(ライフプラン)を立てている人はわずか3割程度だとか。残りの7割の人は、いわば「地図なし」で航海しているような状態ということですよね。

――7割の人は、計画なしで将来を迎えているということですね。

吉村: はい。だから「将来が不安」ということに繋がるのかなと。私の場合は、結婚したタイミングで資産を徹底的にシミュレーションをしました。家族の生活費、子どもが生まれた場合の教育費、老後の予算……。

もちろん、人生は計画通りにはいきません。でも、「最初の計画」があるからこそ、状況が変わった時に「計画変更」ができるんです。 根拠のあるプランがあれば、今この瞬間に家族で美味しいものを食べに行ったり、旅行に行ったりすることに、心からゆとりを持てるようになります。

資格取得は「拡大レンズ」。まずは自分の家計から

――「FP」資格に興味はあるけれど、難しそうだと感じている人へメッセージをお願いします。

吉村: まずは「資格を仕事にする」と気負わなくていい。自分の家計を整え、未来を可視化する「暮らしの解像度を上げるレンズ」だと思って勉強を始めてみてはいかがでしょうか。

「社会保険の仕組みがわかって得した」、「新NISAの選び方に自信が持てた」。そんな風に、自分や家族の生活が良くなっていくのを実感できるはずです。

その過程で「この知識をもっと誰かに伝えたい」「困っている人の人生に寄り添いたい」と思えたなら、その時に初めてキャリアとしてのFPを検討すればいい。「FP」という資格は、自分の人生を豊かにしたその先に、他人の人生も豊かにできる可能性のある、素晴らしい資格だと思います。

「FP」の知識は、金融のプロだけのものではない。むしろ、私たち一般市民が「自分らしい人生」を守り抜くための、現代のサバイバルスキルとなっていることが分かった。

では、もしこの知識を活かし、仕事にしたいと思ったとき、それは何歳までなら可能なのか。さらに、どのようなキャリアが描けるのか。 次回は、仕事としてのFPを選択し、未経験からFP業界で活躍するための「リアルな戦略」を吉村さんに伺う。

お話を伺ったのは……

吉村 将成さん

株式会社FPW代表取締役。2016年からFPに特化した転職・求人情報サイト「ファイナンシャルプランナー Wanted!」の運営、職業紹介事業を実施。FPや、FP志望者向けに無料キャリア相談を実施し、累計転職支援者は400名を超える。自身も社員約20名のFP会社の経営を行った経験もあり、実務にも精通している。

文=かたおか 由衣 
イラスト=めい

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